講座詳細情報
申し込み締切日:2016-05-17 / 文学 / 学内講座コード:16A1610301
天神信仰の成立と展開 『北野天神縁起』をよむ
- 開催日
- 5月18日(水)、 5月25日(水)、 6月 1日(水)
- 講座回数
- 3回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 数回もの
- 入学金
- -
- 受講料
- 5,000円
- 定員
- 50
- その他
- 4500(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
今日学問の神様として受験生の崇敬を集めている天神菅原道真ですが、もともとは災いをもたらす怨霊として、人々から畏怖される存在でした。道真は、平安時代に政治や学問の分野で多くの業績を残し、右大臣にまで進んだ文人貴族です。しかし、他の貴族達の中傷により大宰府へ左遷され、失意のうちにこの世を去りました。その後、左遷に関与した一族に不幸が続いたり、宮中への落雷で死傷者が出るなどの災難が重なると、怨霊となった道真の仕業ではないかと考えられるようになっていきます。
しかし、単に怨霊を祀っただけでは、多くの人々の尊崇を得るには至らなかったでしょう。道真の神霊を鎮める為に創祀された北野天満宮が建つ場所は、古くから天神と呼ばれる神が祀られていた土地だったようです。道真はそうした古来からの信仰と結びつく事により、広く受け入れられていったのです。後には、讒言(ざんげん)によって失脚したことから冤罪(えんざい)を晴らす神として、あるいは生前の事績に基づき、詩文や学問の神として崇められるようになります。
本講座では、天神の縁起である『北野天神縁起』を取り上げ、その読解を通して、天神信仰の成立と展開を考察します。また、縁起に絵を付した縁起絵巻や、神社の社頭風景を描いた北野宮曼荼羅など、豊かな天神の図像世界についても、あわせて見ていく予定です。なお、前近代の人々の声に接することができるよう、様々な原文資料を皆さんと一緒に読みたいと思っていますが、そうした資料が初めての方でも分かりやすいように丁寧に解説しながら進めますので、是非ご参加ください。
【講座スケジュール】
第1回 5月18日(水) 菅原道真から天神へ
詳細:初めに人間としての道真の人生を取り上げ、次いで死後怨霊として認識されていく背景や北野天満宮の創建について考察します。
第2回 5月25日(水) 地獄と帝(みかど)
詳細:縁起には、道真を左遷した醍醐天皇が地獄に堕ちて苦しんでいる様子が描かれているのですが、天神信仰を考える上で重要なこの説話のもつ意味について検討します。
第3回 6月 1日(水) 雪冤(せつえん)と学問の神
詳細:畏怖すべき怨霊から、冤罪を雪(すす)ぐ神、あるいは詩文や学問の神として崇められていく過程を検証します。
今日学問の神様として受験生の崇敬を集めている天神菅原道真ですが、もともとは災いをもたらす怨霊として、人々から畏怖される存在でした。道真は、平安時代に政治や学問の分野で多くの業績を残し、右大臣にまで進んだ文人貴族です。しかし、他の貴族達の中傷により大宰府へ左遷され、失意のうちにこの世を去りました。その後、左遷に関与した一族に不幸が続いたり、宮中への落雷で死傷者が出るなどの災難が重なると、怨霊となった道真の仕業ではないかと考えられるようになっていきます。
しかし、単に怨霊を祀っただけでは、多くの人々の尊崇を得るには至らなかったでしょう。道真の神霊を鎮める為に創祀された北野天満宮が建つ場所は、古くから天神と呼ばれる神が祀られていた土地だったようです。道真はそうした古来からの信仰と結びつく事により、広く受け入れられていったのです。後には、讒言(ざんげん)によって失脚したことから冤罪(えんざい)を晴らす神として、あるいは生前の事績に基づき、詩文や学問の神として崇められるようになります。
本講座では、天神の縁起である『北野天神縁起』を取り上げ、その読解を通して、天神信仰の成立と展開を考察します。また、縁起に絵を付した縁起絵巻や、神社の社頭風景を描いた北野宮曼荼羅など、豊かな天神の図像世界についても、あわせて見ていく予定です。なお、前近代の人々の声に接することができるよう、様々な原文資料を皆さんと一緒に読みたいと思っていますが、そうした資料が初めての方でも分かりやすいように丁寧に解説しながら進めますので、是非ご参加ください。
【講座スケジュール】
第1回 5月18日(水) 菅原道真から天神へ
詳細:初めに人間としての道真の人生を取り上げ、次いで死後怨霊として認識されていく背景や北野天満宮の創建について考察します。
第2回 5月25日(水) 地獄と帝(みかど)
詳細:縁起には、道真を左遷した醍醐天皇が地獄に堕ちて苦しんでいる様子が描かれているのですが、天神信仰を考える上で重要なこの説話のもつ意味について検討します。
第3回 6月 1日(水) 雪冤(せつえん)と学問の神
詳細:畏怖すべき怨霊から、冤罪を雪(すす)ぐ神、あるいは詩文や学問の神として崇められていく過程を検証します。
講師陣
名前 | 平沢 卓也 |
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肩書き | 早稲田大学日本宗教文化研究所招聘研究員 |
プロフィール | 1967年東京生まれ。國學院大學卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。専門は神道思想史、神仏習合史。論文に「山王の受戒――中古天台における神祇観の一斑」(『東洋の思想と宗教』22)、「〈和光同塵灌頂〉考」(伊藤聡編『中世神話と神祇・神道世界』竹林舎)、「変容する神仏関係――寛文・延宝期の伊勢神宮」(『説話文学研究』49)などがある。 |