講座詳細情報
申し込み締切日:2015-10-06 / 日本史:文学 / 学内講座コード:15B1610201
僧侶たちは見ていた 『源氏物語』を読むための王朝時代入門
- 開催日
- 10月20日(火)、11月17日(火)、 1月19日(火)
- 講座回数
- 3回
- 時間
- 15:00~16:30
- 講座区分
- 数回もの
- 入学金
- -
- 受講料
- 5,000円
- 定員
- 30
- その他
- 4500(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
『源氏物語』という物語には、幾人かの僧侶たちも登場します。そして、その僧侶たちは、物語の展開において、なかなか重要な役割を果たしていたりするのです。例えば、光源氏の病気を治した北山(きたやま)の聖(ひじり)ですとか、若紫(わかむらさき)の大伯父(おおおじ)にあたる僧都(そうず)ですとか、光源氏と藤壺中宮(ふじつぼのちゅうぐう)との密通の事実を知っていた夜居僧(よいのそう)ですとか。そうそう、自殺し損(そこ)ねた浮舟(うきふね)を拾った横川僧都(よかわのそうず)なども、話の展開に欠かせない僧侶の一人ですね。
しかしながら、こうした王朝時代の僧侶たちについては、よくわからないことが多かったりしないでしょうか。
例えば、僧侶たちの独特の身分であるらしい僧都とは、どんなものなのでしょうか。「僧都」と呼ばれる僧侶は、どれくらい偉いのでしょうか。また、「聖」と呼ばれる僧侶は、どんな位置付けの僧侶なのでしょうか。なぜ、光源氏は北山に籠(こも)る聖に病気を治してもらわなければならなかったのでしょうか。さらに、冷泉帝(れいぜいてい)が光源氏と藤壺中宮との不倫関係によって生まれた不義(ふぎ)の子であることを知っていた夜居僧は、どうしてそんな重大な秘密を知っていたのでしょうか。夜居僧とはどんな僧侶だったのでしょうか。そして、そもそも、『源氏物語』の書かれた王朝時代の貴族社会において、僧侶というのは、どのような存在だったのでしょうか。
この講座では、『源氏物語』という物語をよりよく理解するために、僧侶たちについて、その現実の貴族社会における姿を観察してみたいと思います。『源氏物語』の作者である紫式部や彼女のパトロンであった藤原道長がよく見知っていた現実の王朝貴族社会に出入りする僧侶について詳しく理解することで、物語の中での僧侶の存在の意味が、よりよくわかるようになることでしょう。
【講座スケジュール】
第1回10月20日(火) 「僧都(そうず)」と呼ばれる僧侶たち
詳細:「高僧」として扱われる僧侶たち/僧侶たちの昇進コース/比叡山の僧侶たちと奈良の僧侶たち/王朝時代の実在の高僧たち
第2回11月17日(火) 王朝貴族たちと僧侶たちとの交流
詳細:都に出入りする僧侶たち/夜居僧(よいのそう)/ 車宿(くるまやどり)/僧侶たちの家族/都の貴族たちに助けを求める僧侶たち
第3回 1月19日(火) 「聖(ひじり)」と呼ばれる僧侶たち
詳細:山奥に籠(こも)る聖/念仏を唱える聖/自分の身体(からだ)に火を点ける聖/夏でも毛皮を着る聖
『源氏物語』という物語には、幾人かの僧侶たちも登場します。そして、その僧侶たちは、物語の展開において、なかなか重要な役割を果たしていたりするのです。例えば、光源氏の病気を治した北山(きたやま)の聖(ひじり)ですとか、若紫(わかむらさき)の大伯父(おおおじ)にあたる僧都(そうず)ですとか、光源氏と藤壺中宮(ふじつぼのちゅうぐう)との密通の事実を知っていた夜居僧(よいのそう)ですとか。そうそう、自殺し損(そこ)ねた浮舟(うきふね)を拾った横川僧都(よかわのそうず)なども、話の展開に欠かせない僧侶の一人ですね。
しかしながら、こうした王朝時代の僧侶たちについては、よくわからないことが多かったりしないでしょうか。
例えば、僧侶たちの独特の身分であるらしい僧都とは、どんなものなのでしょうか。「僧都」と呼ばれる僧侶は、どれくらい偉いのでしょうか。また、「聖」と呼ばれる僧侶は、どんな位置付けの僧侶なのでしょうか。なぜ、光源氏は北山に籠(こも)る聖に病気を治してもらわなければならなかったのでしょうか。さらに、冷泉帝(れいぜいてい)が光源氏と藤壺中宮との不倫関係によって生まれた不義(ふぎ)の子であることを知っていた夜居僧は、どうしてそんな重大な秘密を知っていたのでしょうか。夜居僧とはどんな僧侶だったのでしょうか。そして、そもそも、『源氏物語』の書かれた王朝時代の貴族社会において、僧侶というのは、どのような存在だったのでしょうか。
この講座では、『源氏物語』という物語をよりよく理解するために、僧侶たちについて、その現実の貴族社会における姿を観察してみたいと思います。『源氏物語』の作者である紫式部や彼女のパトロンであった藤原道長がよく見知っていた現実の王朝貴族社会に出入りする僧侶について詳しく理解することで、物語の中での僧侶の存在の意味が、よりよくわかるようになることでしょう。
【講座スケジュール】
第1回10月20日(火) 「僧都(そうず)」と呼ばれる僧侶たち
詳細:「高僧」として扱われる僧侶たち/僧侶たちの昇進コース/比叡山の僧侶たちと奈良の僧侶たち/王朝時代の実在の高僧たち
第2回11月17日(火) 王朝貴族たちと僧侶たちとの交流
詳細:都に出入りする僧侶たち/夜居僧(よいのそう)/ 車宿(くるまやどり)/僧侶たちの家族/都の貴族たちに助けを求める僧侶たち
第3回 1月19日(火) 「聖(ひじり)」と呼ばれる僧侶たち
詳細:山奥に籠(こも)る聖/念仏を唱える聖/自分の身体(からだ)に火を点ける聖/夏でも毛皮を着る聖
講師陣
名前 | 繁田 信一 |
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肩書き | 神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、神奈川大学外国語学部講師 |
プロフィール | 1968 年東京都生まれ。1991 年東北大学卒業。1993 年東北大学大学院修了。修士(文学)。2003 年神奈川大学大学院修了。博士(歴史民俗資料学)。著書に『天皇たちの孤独』『殴り合う貴族たち』『御堂関白記 藤原道長の日記』『御曹司たちの王朝時代』『庶民たちの平安京』(以上、角川学芸出版)、『王朝貴族の悪だくみ』(柏書房)、『かぐや姫の結婚』(PHP 研究所)、『紫式部の父親たち』(笠間書院)、『王朝貴族のおまじない』(ビイング・ネット・プレス)、『陰陽師』(中央公論新社)、『陰陽師と貴族社会』『平安貴族と陰陽師』『呪いの都 平安京』『安倍晴明』(以上、吉川弘文館)など。 |