大学公開講座のセカンドアカデミー

【講座内容】
『平家物語』には、平安末期の戦乱が続く社会を生きた人々のさまざまな姿が描かれています。いま、私たちはこの物語とどのように向きあえるのでしょうか。この講座は、『平家物語』をこれから読んでみようと考えている方や、少しは読んだことがあるという方を対象とした入門講座です。物語に関する基礎知識を紹介しながら、いくつかの場面を原文で読み進め、物語世界に少しずつ接していきます。この入門講座で『平家物語』の扉をひらいてみませんか。今期は、平家一門の人々の姿に光を当てて、この物語の基本的な性格をつかんでいきます。

【講座スケジュール】
第1回10月 9日(火) 平宗盛の資質―棟梁として・父として
詳細：清盛亡き後の平家一門を率いた宗盛。その姿はどのように受け止められるのでしょうか。

第2回10月23日(火) 平知盛の苦悩―弟という立場
詳細：常に兄宗盛のそばにいた知盛。彼が弟としての立場を背負い続けたさまを読み解きます。

第3回11月 6日(火) 平重衡が背負うもの―仏敵の往生
詳細：父清盛の命で南都を焼き討ちし、仏敵となった重衡の姿を追いかけます。

第4回11月20日(火) 平頼盛の立場―裏切り者の誕生
詳細：清盛の弟頼盛が一門のなかで背負った微妙な立場を、物語内外から紹介します。

第5回12月 4日(火) 平忠度の面目―大力と風雅の才
詳細：清盛の弟忠度はすぐれた歌人であり、大力でもありました。その姿を作中に追います。

名前	鈴木 彰
肩書き	明治大学政治経済学部准教授
プロフィール	2000年早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。神奈川大学外国語学部准教授などを経て、2008年度より現職。専門は日本中世文学、軍記物語。主要著書に『平家物語の展開と中世社会』(汲古書院)、『平家物語を知る事典』(共著、東京堂出版)、『図説 平家物語』『図説 平清盛』(共著、河出書房新社)などがある。