大学公開講座のセカンドアカデミー

【講座内容】
『平家物語』には、平安末期の戦乱が続く社会を生きた人々のさまざまな姿が描かれています。いま、私たちはこの物語とどのように向きあえるのでしょうか。この講座は、『平家物語』をこれから読んでみようと考えている方や、少しは読んだことがあるという方を対象とした初心者向けの入門講座です。物語に関する基礎知識を紹介しながら、いくつかの場面を原文で読み進め、物語世界に少しずつ接していきます。この入門講座で『平家物語』の扉をひらいてみませんか。今期は、「合戦」と「平家嫡流」をキーワードとして、この物語の基本的な性格をつかんでいきます。

【講座スケジュール】
第1回 4月24日(火) 平家物語の性格―合戦から読み解く
詳細：物語を読むための基礎知識として、著名な合戦記事を軸に物語の全体像を紹介します。

第2回 5月 8日(火) 平忠盛の深謀遠慮―平家繁昌の基盤
詳細：平家一門の繁昌の基盤をつくった、清盛の父忠盛の思慮深さを読み解きます。

第3回 5月22日(火) 平清盛繁昌の由来―さまざまな因縁
詳細：清盛ら平家一門が繁昌することになった由来を物語はどのように語るのでしょうか。

第4回 6月 5日(火) 平重盛の立場―賢人像の虚実
詳細：清盛の嫡子重盛の賢人としての姿を作中に追い、その役割について考えます。

第5回 6月19日(火) 平維盛の苦悩―嫡子という重荷
詳細：父重盛亡きあと、維盛がその嫡子として背負わされた苦しみを読み解いてみましょう。

第6回 7月 3日(火) 六代御前の麗姿―平家断絶への道
詳細：鎌倉方に捕らえられた六代御前。この麗しき若者の助命を願う人々の姿を読み解きます。

名前	鈴木 彰
肩書き	明治大学政治経済学部准教授
プロフィール	2000年早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。神奈川大学外国語学部准教授などを経て、2008年度より現職。専門は日本中世文学、軍記物語。主要著書に『平家物語の展開と中世社会』(汲古書院)、『平家物語を知る事典』(共著、東京堂出版)、『図説 平家物語』『図説 平清盛』(共著、河出書房新社)などがある。