大学公開講座のセカンドアカデミー

　自由学園・婦人之友・友の会の創立者、羽仁もと子の著作集が現代にもかけがえのない意義を持っていることを、広く多くの方に知っていただきたいと思います。彼女の生涯には、「真理に基づく高い思想」「誠実に取り組んだ実践」「その情熱の源泉である福音主義的信仰」を見ることができます。この三つが一つになったからこそ、力強く価値のある一生を送ることができたのではないでしょうか。現代の私たちが生きる上でも、彼女を生かした、この三つのものが、ぜひとも必要なのです。どれかを欠けば、独りよがりの生き方になったり、実践する力が枯渇したり、律法主義的な冷たい実践になったりしがちです。今回は、羽仁もと子著作集『思想しつつ、生活しつつ』の下巻から、聖書にかかわる個所を取り上げ、彼女が聖書をどのように読み、生きる力を汲み取ったのかを味わい、私たち自身が「よく生きる」ための示唆に富む手掛かりを、考えてみたいと思います。


【プログラム】
　(1) 命をどう受け止めるか／「旧と新と」「生命を与うるもの」
　(2) 人間の自由と罪／「悲哀を知る人々」「罪と悪の発生」
　(3) 真の自由／「蛇の自由」「唯この心を唯この心に」
　(4) 十字架の力／「血と人生」「罪なき者まず石を擲(なげう)て」
　(5) 社会への取り組み／「社会憎と社会愛」「失われたるもの加えられたるもの」
　(6) 人生のあり方を考える／「安住の棲家」「思想しつつ生活しつつ祈りつつ」

【教材】
　・旧新約聖書(各自持参　訳は問わない)

　・羽仁もと子著作集4巻『思想しつつ、生活しつつ（下）』羽仁もと子著　2011年新版　婦人之友社
　　※ご希望の方には初回に販売いたします

名前	広瀬　薫
肩書き	日本同盟基督教団牧師（総主事）、東京キリスト教学園（東京基督教大学）理事長、JTJ宣教神学校講師
プロフィール	－