大学公開講座のセカンドアカデミー

酵素は、触媒機能をもつ生体分子の総称で、生物が生きるために必要な様々な化学反応と密接に関わっています。酵素は、温和な環境条件下で、非常に効率的、かつ特異的な触媒作用を発揮することから、産業の上でも大変利用価値の高い分子として注目されています。酵素の実体はタンパク質で、多数のアミノ酸が鎖状につながった分子ですが、この鎖は折りたたまって立体的な構造を形成しています。酵素のはたらきには、こうした立体構造をとることが不可欠なので、酵素のはたらくメカニズムを知るためには、必然的に立体構造の解析が不可欠となります。近年、解析技術が大きく進歩し、多数の酵素の立体構造が解明されてきています。解明された立体構造を利用して、医療面では新薬の設計開発も行われつつあります。さらに、このような酵素の構造やはたらきを決める設計図は、遺伝子のDNAにコードされていますが、遺伝子工学的にこの設計図を書き換え、酵素のはたらきを自在に改変することも可能になってきています。本講座では、こうした現代の酵素学、タンパク質科学の基本的な側面を、最新のトピックスも交えて紹介します。


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社会人全般、大学生

名前	田口 速男
肩書き	東京理科大学　名誉教授／農学博士
プロフィール	－