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講座詳細情報

申し込み締切日:2017-11-04 / 自然科学・環境 / 学内講座コード:17A511

生命科学(1)死はどう決まるのか  死の遺伝子からの問いかけ

主催:東京理科大学 オープンカレッジ東京理科大学 神楽坂キャンパス(東京都)]
問合せ先:東京理科大学 オープンカレッジ事務局 TEL:03-5227-6268
開催日
2017/11/11(土)
講座回数
1
時間
10:00~11:30
講座区分
1回もの 
入学金
 - 
受講料
2,500円
定員
70
補足
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※この講座の申し込みは既に締め切りました。

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講座詳細

【講座概要】 
 個体の死は、一つの生命現象の終息ですが、細胞の死は、個体の一生を通して絶えず(3~4千億個/日)身体の中で起きています。しかも、驚いたことに全ての細胞に遺伝子として死がプログラムされているのです。生命の始まりとして、卵子と精子が合体してできる受精卵の良し悪しの選別、また、発生過程での手足の指や複雑な臓器の形成などにも、細胞死が重要な働きをしています。さらに、成体になってからも、老化した細胞や異常をきたした細胞が、自ら細胞死を起こして消去されています。細胞死は、個体の発生の初めから終焉に至るまで、生に内包されているのです。
 私たちの身体を構成している体細胞は、血液細胞や肝細胞、腎細胞のように新陳代謝によって新しい細胞に置き替わる再生系の細胞と、神経細胞や心筋細胞のように生まれてから何十年もの間、高度な機能を果し続けて、ほとんど置き替わることのない非再生系の細胞に便宜的に分けることができます。再生系の細胞は、個々の特殊な機能を果たしているうちに老化し、自ら死を決めて実行していきます。この細胞死は、「アポトーシス(apoptosis、自死)」と呼ばれ、生命を維持していく上で不可欠な細胞死です。つまり、アポトーシスは、老化して不要になった細胞や、ウイルスなどに感染して異常をきたして有害となる細胞を排除するという重要な役割を果たしているのです。しかし、再生系の細胞といっても、増殖と死を無限に繰り返すことはできず、その回数に限界があります。一方、非再生系の細胞も、永遠に生き続けることはできず、その高度な機能を果たせる時間に限界があり、耐用年数がくると細胞死を起こします。この細胞死は、個体の死に直結してくることから、アポトーシスとは意味合いが異なります。そこで、この細胞死を、「アポビオーシス(apobiosis、寿死)」と名付けて区別しています。私たちの身体の中には、アポトーシスによる回数券的な細胞死と、アポビオーシスによる定期券的な細胞死が、遺伝子として二重にプログラムされているのです。そして、そのどちらかを使い果たしてしまうと、個体としての死が訪れるようになっているのです。
 21世紀は、遺伝子を基点として死生観、生命観を考える時代になって来ています。「死の遺伝子」は、自分とは何か、アイデンティティを追求できる、つまり「問うことができる」、そして、一人ひとりの一生に何か求められていることがある、つまり「問われている」、ということを問いかけているような気がします。そう考えると、「死」は、無時間性の「無」に還っていくことに他ならないのでしょうが、やはり、前提であると同時に、生の在り様の大切さを教えてくれる、永遠に繋がる存在なのだと思います。本講座では、死のメカニズムから、死のある意味を考えてみたいと思います。

【講座スケジュール】
2017/11/11(土) 10:00~11:30 講座概要を参照

備考

会場:神楽坂/森戸記念館
テキスト: プリントを配付

講師陣

名前 田沼 靖一
肩書き 東京理科大学薬学部薬学科 教授 博士(薬学)
プロフィール 東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了。帝京大学薬学部助手、講師。米国立衛生研究所/癌研究所(NIH/NCI)留学。東京工業大学生命理工学部助教授。1992年東京理科大学薬学部教授。2011年同学部長。アポトーシス学会会長。
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