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講座詳細情報

申し込み締切日:2014-11-19 / 日本史:その他教養

第2回 記紀神話と出雲の古墳文化 野見宿禰伝承と古墳時代の出雲の実態

主催:東海大学生涯学習講座事務局東海大学 品川キャンパス(東京都)]
問合せ先:東海大学生涯学習講座事務局 TEL:0463-50-2202  ※メールの場合はお問い合わせフォーム(https://ssl.action-compass.jp/tokai/inquiry/)よりご連絡ください。
開催日
2014年11月29日(土)
講座回数
1回
時間
13:20~14:50
講座区分
1回もの 
入学金
 - 
受講料
1,000円
定員
100
補足
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※この講座の申し込みは既に締め切りました。

講座詳細

 出雲は記紀の神話において、葦原中津国を天照大神に譲る「国譲り神話」をはじめ、重要な舞台となっている。従来は国家の形成を物語るために大和政権によって作られた神話と理解されていたが、近年は出雲での大きな考古学的発見もあって、神話の背景に歴史的な事実を読み取ろうとする動きも見られるようになった。本講では、特に『日本書紀』に記された伝承に登場する、出雲の2人の人物を取り上げて、古墳文化との関わりについて推論を述べたい。
 一人は相撲の始祖伝承でよく知られる、野見宿禰である。天皇の面前で当麻蹴速を打ち破ったと伝えられる野見宿禰は、出雲からやってきた人物であり、強力の人である。一方で、王族の埋葬にあたっての殉死をやめる代わりに人をかたどった焼き物を使うことを建言し、大王の葬祭を司る土師氏の祖となったという伝承も記され、ヤマト王権内部で一定の地位に就き、大きな役割を果たした人物として描かれる。しかし一般的には後の有力氏族、土師氏の地位を高めるための潤色記事と受け止められてきた。
 ところが島根県松江市の石屋古墳から出土した多くの形象埴輪に複数の人物埴輪が含まれ、時期も五世紀半ばと最古級でかつ秀逸なものであることが判明。しかも立派な力士も含まれることがわかり、俄然野見宿禰伝承の見直しが議論されるようになった。また、石屋古墳も含め、出雲の中期古墳は大王陵の陪塚と同じ動きをするという新しい研究もでてきており、古墳の変遷も含め、出雲とヤマトの関係に迫ってみたい。
 もう一人は「仁徳即位前記」に登場する淤宇宿禰である。淤宇とは、東部出雲の古墳文化の中心地であり後の国府が置かれる意宇という地名に通じている。淤宇宿禰は屯田司、つまり大王家の経済基盤を管理する重臣だったと記される。近年の考古学成果から、この淤宇宿禰の記載の背景にも迫ってみたい。

備考

島根県・宮崎県・三重県・奈良県連携講座

【受講料】
受講料振込後のキャンセルはできません

講師陣

名前 丹羽野 裕
肩書き 島根県古代文化センター長
プロフィール 岡山大学法文学部史学科考古学専攻卒業。
1982年より、島根県で発掘調査、文化財保護行政に従事。2012年より現職。
○著書・論文:『出雲国府周辺の復元研究』(編 ・ 共著 島根県古代文化センター、2009年)、『出雲地方における玉髄 ・ 瑪瑙製石器の研究』(島根県古代文化センター、2004年)、『伝出雲出土銅鐸(木幡家銅鐸)と宍道町の弥生時代』(宍道町蒐古館、2003年)、「松江市西川津遺跡における弥生時代管玉製作技術の再検討」(2004年)『古代出雲における玉作の研究Ⅰ』(島根県古代文化センター)、「山陰・中国山地における細石刃文化の様相」(2003年)『中・四国地方旧石器文化の地域性と集団関係』、「出雲・大井窯跡群の様相と生産体制試論」(2010年)『古代窯業の基礎研究』(窯跡研究会)、ほか
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