大学公開講座のセカンドアカデミー

　寒い冬でも元気一杯な人がいる一方、必ず体調を崩すという人がいることも確かです。手足が冷える、しもやけができやすい、体が芯から冷えてしまうなどの症状はありませんか。そのような人は、すでに腹巻きやカイロなどで体を温め、温かい物を食べていると思います。それでもつらい人には、血流を改善したり、新陳代謝を高めたりする漢方薬をお飲みになることを勧めます。漢方薬で冷えが解消するだけでなく、かぜを引きにくくなる、元気になるなど、あなたの体調はずっと良くなるはずです。また、どんなに注意していてもかぜは引いてしまうものです。しかし、かぜには葛根湯だけではありません。漢方にはあなたの症状に応じたきめ細やかな薬がいろいろ用意されているのです。それを上手に飲めば、かぜを引き込むことなく、早く治すことができます。
　さあ、これから迎える寒い冬。漢方3000年の知恵を利用して、今年はあなたも快適な冬を過ごしてみませんか。

名前	新井 信
肩書き	東海大学医学部准教授
プロフィール	1981年 東北大学薬学部卒業。1988年 新潟大学医学部卒業。 早稲田大学、新潟大学医学部、東北大学薬学部、横浜市立大学医学部、聖マリアンナ医科大学非常勤講師。藤田保健衛生大学医学部、日本薬科大学客員教授。漢方専門医・指導医、総合内科専門医。日本東洋医学会。日本医学教育学会代議員。和漢医薬学会、国際東洋医学会評議員　など。 主な著書：『症例でわかる漢方薬入門』（日中出版）