大学公開講座のセカンドアカデミー

この講義では、これまでの『古事記』研究の中であまり注目されてこなかった神々の愛の交歓に焦点を当てて、古代の人々は男女間の恋愛や性についてどのようなことを考えていたのか、その思想に迫ってみたいと思います。
まず、取り上げたいのは、イザナキとイザナミの国生み、続いてスサノオが高天原を追放された本当の理由、それからオオクニヌシと女神たちの交渉です。
神話は物事の始まり、あるべき姿を語った神聖な物語です。この講義は神々の性愛を興味本位で取り扱うのではなく、そこから浮かび上がる多様な男女の関係のあり方が、今日の私たちにどのようなメッセージを突きつけているのか考える事で、セクシャルハラスメントなど現在の世の中が抱える問題点にも迫ってみたいと思います。

備考：島根県・宮崎県・三重県連携講座

名前	森田 喜久男
肩書き	島根県立古代出雲歴史博物館専門学芸員
プロフィール	1964（昭和39）年、石川県金沢市生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。千葉大学大学院文学研究科史学専攻修士課程を経て、東京都立大学大学院人文科学研究科史学専攻博士課程単位取得。駒澤大学大学院より博士（歴史学）の学位受領。1995年より島根県の奉職、島根県教育庁文化財課、島根県古代文化センターを経て現職。 ○著書『日本古代の王権と山野河海』（吉川弘文館）、『やさしく学べる古事記講座』（ハーベスト出版）など。