大学公開講座のセカンドアカデミー

この講座では、軸足を子どもとかかわる立場に置いています。親として、教師として、あるいはおとなとして、子どもをどうとらえどうかかわるのか、その点を中心に考えていきます。
心理学もご多分に漏れず自然科学の影響を受けて、19世紀後半以降急激に発展し、多くの成果を挙げてきました。しかしその考え方や視点は、自然科学の考え方とは明確に一線を画します。
その理由の一つは、人間が流動的で日々刻々と変化し成長し続ける存在だからだと考えられます。言い換えれば、人間あるいは人間の心は、曖昧でとらえどころのないものだということです。そんなとらえどころのない人間の心や行動を、なんとかとらえて一歩でも半歩でも先を読むことができれば、少しは日々の生活に役立つことがあるかもしれません。
この講座では、心理学が本当に日々の生活の役に立つのかどうか、それを判断できる材料を提供したいと考えています。この先、奥深い心理学の森の深みへと分け入っていくのか、それとも入口を覗くだけで引き上げるのか、それを決めるのはあなたご自身です。

【開講日・内容】
1 2013年10月2日 心理学は子育てに役立つか
　人を動かす魅力、愛着、向き合う関係と並ぶ関係
2 2013年10月9日 子どもを理解するために
　子どもの心理学、発達心理学、思春期の心理
3 2013年10月16日 親子関係の心理
　依存心と独立心の葛藤、思春期の心理、甘えと見つめられ
4 2013年10月23日 「自分は大切な存在」という思いを育む
　日常生活の共有体験、自尊感情
5 2013年10月30日 生まれてきてよかったという気持ち
　生きぬくための宝物、PTG とレジリエンス、曖昧性耐性

名前	近藤 卓
肩書き	東海大学文学部心理社会学科教授、子どもといのちの教育研究会会長、日本学校メンタルヘルス学会理事、日本学校保健学会理事
プロフィール	1948年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程満期退学。専門は健康教育学、臨床心理学。臨床心理士、 学術博士。高等学校教諭、中学校・高等学校カウンセラー、ロンドン大学精神医学教室客員研究員などを経て現職。主な著書『子どもの自尊感情をどう育てるか』(ほんの森出版、2013)『PTG 心的外傷後成長』(金子書房、2012)『二十歳までに考えておきたい12のこと』(大修館書店、2012)(金子書房、2010)『死んだ金魚をトイレに流すな―「いのちの体験」の共有』(集英社新書、2009)。