大学公開講座のセカンドアカデミー

　社会福祉の概念の成立には、「弱者の保護」といった視点から、「守る人と守られる人」という上下関係が前提となっていた。しかし、国連が1987年に採択した「子どもの権利条約」では、子どもも一市民として大人と変わらない権利を有する存在と位置付けている。しかし、現実には子どもをめぐるさまざまな人権侵害が後を絶たない。このような観点から、この講座では大きく4つのテーマを取り上げる。第1に、増大するわが国の「子ども虐待」である。親への支援も含め、地域の在り方を考える。第2に、教育分野における課題として、「いじめ・体罰」を考える。第3に、国際的な問題として、「子ども買春」に注目する。しかし、わが国の「児童ポルノ」など、共通する課題である。第4には、改めて「子どもの権利条約」を概観し、これらの子どもをめぐる課題の解決策について考える。

名前	石渡　和実
肩書き	本学人間科学部教授
プロフィール	筑波大学大学院博士課程心身障害学専攻単位取得満期退学。 専門は障がい者福祉論。実践の場と関わりながら、障がいがある人々の地域の暮らしをいかに支えるか、そのための地域のネットワークをいかにして築いていくか、について研究を続けている。また、障がいがある人や高齢者の人権、いかにして権利を守るか、などの活動にも関わり続けている。