大学公開講座のセカンドアカデミー

　 アメリカの代表的作家の一人、ヘンリー・ジェイムズは、彼の小説論として、基本要素はあくまで小説は面白くなければならない、又、小説の存在理由は人生の再現であると言っています。この作家による、『ボストンの人々』を原書で精読している読書会です。本年はいよいよ、その小説技巧の分析を検討していきます。ジェイムズは欧州と米国という価値観の相違を扱う国際状況小説の作家としても有名ですが、この作品は、アメリカに集約した名作です。東部ボストンを舞台に、19世紀末のアメリカの女性解放運動や男女の人間模様を中心に当時の社会背景が描かれ、映画化もされています。ジェイムズの心理描写を駆使した小説技法にかかれば、人の内面の機微を読み取るのは醍醐味です。ジェイムズの長編を、一度は原語で読破完読する体験は価値あるチャレンジです。
　この鳥居坂のサロン、有意義なブッククラブでの時空間をご一緒しませんか。
講座内容：年度完結

名前	山本　豊子
肩書き	本学非常勤講師
プロフィール	神戸女学院中高等部、同大学英文科卒業。東京女子大学大学院英文科修士号、ボストンカレッジ大学院英米文学MA取得。専門は、アメリカ文学と文化、批評、ジェンダーにおける関係。主書にAnaisNin Literary Perspectives』（Macmillan Press）、訳書に『心やさしき男性を讃えて』（鳥影社）、論文に日本人作家、吉本ばなな、矢川澄子らと米作家、アナイス・ニンとの比較研究。アメリカ文学会、アジア系アメリカ文学研究会、Sedgwick Society、アメリカ学会会員。