大学公開講座のセカンドアカデミー

鎌倉幕府第三代将軍源実朝の生涯を、鎌倉幕府の歴史を描いた史書『吾妻鏡』を読みながらたどっていきます。謎の多い暗殺事件についても近年の学説を紹介しながら考えていきます。『吾妻鏡』などの引用史料は、原文と試訳を載せたプリントを毎回配布します。なお本講の内容は2022年度の「さがみアカデミー」の犬飼担当講座の続きの意味もありますが、基本的な事項は改めて説明する予定です。

【講座日程】
①10月 5日
比企の乱：　二代将軍頼家は、妻の実家比企氏との結びつきが深く、母の実家北条氏と対立し、ついには武力衝突にいたります。
②10月12日
実朝将軍になる：　兄頼家が失脚した後、北条氏は実朝を将軍に擁立します。実朝は公家の娘を妻に迎えますが、その過程で北条氏内部も分裂します。
③10月19日
和田合戦：　実朝は成長して和歌に才能を発揮します。しかし、幕府内部の政争は止まず幕府創業以来の重臣和田義盛が北条氏と対立して滅ぼされます。
④10月26日
後継者問題：　実朝は子供に恵まれず、跡継ぎが問題になってきました。北条政子は、後鳥羽院と交渉して皇子を後継将軍とする内諾を取り付けます。
⑤11月 9日 実朝暗殺：　皇子を迎えるため実朝の官位は急激に昇進します。しかし鶴岡八幡宮での右大臣就任拝賀の儀で実朝は頼家の子公暁に殺されてしまいます。

名前	犬飼　智
肩書き	相模女子大学　非常勤講師
プロフィール	東京大学文学部卒、同大学院単位取得退学。文学修士、日本中世史専攻。共著『中世の村落と流通』（吉川弘文館）等。