大学公開講座のセカンドアカデミー

映画は1895年にパリのグランカフェの一般興行で始まり、約40年間は音楽の生伴奏と共に上映していました。今ではその形態をサイレント映画と呼びます。今の映画の原点であるサイレント映画を知ることによって、映画を広く理解できるだけでなく、新たな発見と見方ができるようになります。映画が熟成するにつれ、次々とスターが出現します。今回は美人、個性派スターを輩出したハリウッドの女優に焦点をあてます。永遠の少女と呼ばれ、自ら監督もした自立した女性リリアン・ギッシュ、妖艶な魅力を持ちながら若くして引退したミステリアスな女性グレタ・ガルボ、世界の恋人と呼ばれ実業家としても成功したメアリー・ピックフォード、断髪のモダンガールで一世を風靡し、その退廃的な魅力で大岡昇平始め多くの文化人を魅了したルイズ・ブルックスを中心に華やかな女優たちを生い立ちや生き方も織り込みながら作品を紹介します。講義中に彼女たちの出演した映画を講師のピアノ伴奏で参考上映します。

【テキスト】
プリント(レジュメ)配布

名前	柳下美恵
肩書き	サイレント映画ピアニスト
プロフィール	武蔵野音楽大学ピアノ専攻卒業。1995年に朝日新聞社主催の映画誕生100年上映会でデビュー。国内の映画祭、上映会、大学の公開講座等の他、ボローニャ復元映画祭、ポルデノーネ無声映画祭、ボン無声映画祭、チュンムロ復元映画祭、SEAPAVAA（東南アジア太平洋地域視聴覚アーカイブ連合）会議、韓国映像資料院、タイフィルムアーカイブなど海外公演も多数。紀伊國屋書店レーベル『裁かるゝジャンヌ』『魔女』の音楽を担当。『裁かるゝジャンヌ』はイギリスのユリイカレーベルからブルーレイが発売され、好評を得た。映画を愛し、内容はもとより、映画の生まれた背景、映画保存など各方面にアンテナを伸ばしている。「映画館にピアノを！」「ダンスとピアノでサイレント映画」「ロスト・フィルム・プロジェクト」などサイレント映画に関わるプロジェクトも進行中。