大学公開講座のセカンドアカデミー

俳句が個の文芸であるのに対し、連句は和の文芸「座の文学」と言われます。日本人が古来から親しんできた五七五と七七のリズムを、「座」の参加者全員が交互に連ねて一巻の作品に仕上げる・・・この隠れた伝統文芸は、江戸時代に芭蕉や蕪村などにより隆盛をきわめ、明治に入ってからも漱石や寺田寅彦などが親しんだものです。実作にはきまり（式目）があり、これを習得することによって誰でも連句作りを楽しむことができます。


【対象】
俳句や短歌の経験の無い方でも、連句を知りたい、やってみたいと思う方ならどなたでも受講していただけます。


【各回テーマおよび内容】
①4/24（水）
　　連句はどのような文芸か (総論)
　　連句の基本 (用語とそのはたらき)

②5/8（水）
　　詩の始まりと連句のルーツ (古事記)
　　実作体験・・・まずは発句 (連句の発句の条件とは)

③5/22（水）
　　万葉から古今へ (和歌の正統性と美学の体系)
　　実作・・・発句に打添える脇の句

④6/12（水）
　　有心無心の連句に游ぶ (新古今時代)
　　実作・・・付けて転ずる第三句　軽く第四句

⑤6/26（水）
　　連歌師の独立と式目の制定
　　実作・・・月の定座 (表の五句目)

⑥7/10（水）
　　地下(じげ)の連歌師たち (貴族文化から大衆の文化へ)
　　実作・・・折立の句 (句と格と姿)

⑦7/24（水）
　　百韻連歌の完成 (水無瀬三吟から新撰菟玖波集へ)
　　実作・・・恋の句は一巻のヤマ場

⑧8/28（水）
　　下克上の戦国時代と俳諧連歌 (心敬と宗衹)
　　実作・・・さまざまな恋の付合と難しい恋離れ

⑨9/11（水）
　　俳諧連歌集 (竹馬狂吟集)・犬筑波集による世俗化
　　実作・・・華やかなるものの総称としての花を詠う

⑩9/25
　　貞門俳諧の成立と俳諧式目の制定
　　実作・・・挙句は粘らず軽く　巻を見渡して校合する

【テキスト】
　『十七季』　三省堂
　　　著者：東明雅/丹下博之/佛渕健吾　　2,000円 (割引価格/税込)

【参考テキスト】
　『魚すいすい連句を泳ぐ』　銀の鈴社
　　　著者：鈴木美奈子　　1,260円 (税込)

名前	鈴木　美奈子
肩書き	連句結社　猫蓑会同人・解纜の会同人、連句誌「れぎおん」同人
プロフィール	お茶ノ水女子大学文教育学部史学科（西洋史専攻）卒。 著書には『魚すいすい「連句」を泳ぐ』があり、連句作品は国民文化祭ほか各種全国連句大会での受賞暦あり。