大学公開講座のセカンドアカデミー

　近代中国と日本は、現在にも増して深い関係にあった。中国に先駈けて西洋の近代を受容した日本は、中国に様々な西洋の文化、思想を伝える仲介者の役割を果たした。中国の歴史を動かした人々が日本に言及し、日本に留学し、また日本に亡命してきた。そして日本にやってきたそれらの人々を、当時の日本人は温かく迎え、また援助を惜しまなかった。その後日本と中国の間にはいくつかの不幸な出来事があり、現在もそれが尾を引いている。しかし、我々はかつての日本人と中国人の間に深い信頼と友好の気持ちがあったことを忘れてはならない。
　本講座では日本にやってきた近代中国の多くの人々の中から、特に歴史を動かす一助を担った女性を取り上げ、日中友好の歴史を振り返ってみたい。

名前	平石淑子
肩書き	日本女子大学文学部教授
プロフィール	日本女子大学文学部史学科教授。東京出身。和光大学、お茶の水女子大学大学院で中国近現代文学、比較文化を専攻。中国語非常勤講師を経て大正大学に就職。2011年より日本女子大学史学科に勤務。『蕭紅作品及び関係資料目録』（2003）、『蕭紅研究−その生涯と作品世界』（2008）、「二十世紀初頭の哈爾濱における女子教育に関する初期的考察」（2002）などがある。