講座詳細情報
申し込み締切日:2013-09-21 / 世界史:芸術・文化:文学 / 学内講座コード:B302
19世紀末パリとジャポニスム~美術商林忠正と画家・文人たちとの交流~
- 開催日
- 9月28日(土)
- 講座回数
- 1
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 1回もの
- 入学金
- -
- 受講料
- -
- 定員
- 30
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
講座詳細
19世紀後半の西欧での、日本美術・工芸に対する憧れや関心は、一過性のブームではなく、ギリシア以来のヨーロッパ美術の常識を覆す美意識の革命、別世界への誘いでした。日本工芸品の長年の丹精が生む繊細な技巧、浮世絵の自在な構図と視点、豊かな色彩、繊細な線の描写などは、ボードレールやゴンクールなどの文学者を熱狂させ、印象派以降の絵画を、従来とは根本的に異なるものに変えてしまいました。
1878年のパリ万博の通訳として渡仏後30年近く、パリで日本美術を紹介した林忠正の生涯を中心にお話します。林は単なる美術商ではなく、ゴンクールら文化人たちに流暢なフランス語で、正確に日本文化を紹介し、まだ絵が売れない印象派の画家たちと交流・援助するとともに、日本の美術工芸界に近代的な美術観や科学的な研究法を伝えようとしました。1900年パリ万博は林の指揮の下、日本館の展示など成功を収めましたが、彼は当時の日本では正しく理解されず、東京に近代西洋美術館を創るという夢も実現しないまま1906年に病死し、彼の日本で最初の印象派コレクションも海外で散逸してしまいました。
1878年のパリ万博の通訳として渡仏後30年近く、パリで日本美術を紹介した林忠正の生涯を中心にお話します。林は単なる美術商ではなく、ゴンクールら文化人たちに流暢なフランス語で、正確に日本文化を紹介し、まだ絵が売れない印象派の画家たちと交流・援助するとともに、日本の美術工芸界に近代的な美術観や科学的な研究法を伝えようとしました。1900年パリ万博は林の指揮の下、日本館の展示など成功を収めましたが、彼は当時の日本では正しく理解されず、東京に近代西洋美術館を創るという夢も実現しないまま1906年に病死し、彼の日本で最初の印象派コレクションも海外で散逸してしまいました。
講師陣
名前 | 高頭 麻子 |
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肩書き | 日本女子大学生涯学習センター所長・日本女子大学文学部教授 |
プロフィール | 日本女子大学文学部史学科教授。早大第一文学部哲学科卒、同大学院フランス文学専攻博士課程中退。専門はフランス文学・思想。著書に『名作は隠れている』(共著、ミネルヴァ房)ほか。翻訳に『林忠正宛書簡・資料集』(信山社)、小山ブリジット『夢見た日本エドモン・ド・ゴンクールと林忠正』(共訳、平凡社)など。2005年秋に本学で3日間にわたり開催した国際シンポジウム「林忠正―ジャポニスムと文化交流への貢献」の実行委員長を務めた(後にシンポジウムは報告書『林忠正 ジャポニスムと文化交流』(日本女子大学叢書3)ブリュッケにまとめられた)。 |