講座詳細情報
申し込み締切日:2023-05-24 / 世界史 / 学内講座コード:23121207
明大アジア史講座【ハイブリッド/オンライン】 学び直し中国古代 新・秦史―考古資料と文字史料からみた秦帝国―【Zoom/世界の文化・歴史/その他/】
- 開催日
- 6月 2日(金)、 6月 9日(金)、 6月16日(金)、 6月23日(金)、 6月30日(金)
- 講座回数
- 5回
- 時間
- 14:00~15:30
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- -
- 受講料
- 13,200円
- 定員
- 90
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
講座詳細
【講座趣旨】
中国古代、前8世紀には数ある諸侯国のひとつに過ぎなかった秦は、その550年後には中華の地を統一し、皇帝号を称するに至りました。この秦の発展の歴史は従来から研究されてきましたが、単純な政治史・人物史に偏っていた点は否めません。しかし近年、考古発掘の急速な進展により、遺跡や遺物といった考古学的資料と、文字史料を組み合わせ、新しい秦の歴史の叙述が可能となりつつあります。また、文字史料も文献に加えて簡牘・青銅器銘文など、多様な史料が広く利用されており、秦の強国化への道筋、秦帝国を支えた制度や政策の具体像が明らかになりつつあります。本講座では、遺物・遺跡・出土文字史料を主軸に据え、現地踏査の成果も盛り込んで、構築されつつある新しい秦の歴史について知っていただこうと考えています。
【特記事項】
※こちらはリアルタイム配信型で受講希望の方専用の申込ページです。※見逃し配信はございません。
キャンパス(対面型)で受講を希望される方はこちらからお申し込みください。
※お申込み前に必ずオンライン講座ご受講にあたってをご確認ください。
※初めてZoomをご利用になる方は、Zoomご利用ガイドをご覧ください。
■申込締切日:5月24日(水)
■受講に際し、必ず入会と受講のご案内をご確認ください。
【講義概要】
第1回 6月 2日(金) 秦史の流れ(前半)
春秋時代の秦の歴史について、新発見の出土資料と史書の伝える記事とに従って概観する。周文化圏の周縁という地理的位置と、「周王朝の継承者」としての自負という二つの面から、諸侯国としての秦の特性を明らかにすると同時に、「秦漢史」でなく「秦史」として歴史をとらえることの意義についても考える。
第2回 6月 9日(金) 秦史の流れ(後半)
戦国時代の秦の歴史について、戦争と交流という視点から概観する。この時期の秦の歴史は、諸国との戦争に明け暮れたかに見えるけれども、半面で他国の人材が多く登用される開かれた側面も持っていた。このような交流のひとつの例として、解明が進みつつある始皇帝陵の構造と系譜についても言及したい。
第3回 6月16日(金) 秦の法制度
秦の法治を支えた律令について概説する。これまでに発見されている秦の律令とその出土状況を紹介したうえで、その中からいくつかの律令本文を選んで解説する。また、秦の裁判例を記した出土史料を使って、秦の官吏が律令をどのように適用して統治を行っていたかについても見る。
第4回 6月23日(金) 秦の文書行政制度
中央集権的統治に不可欠であり後の王朝にも連綿と受け継がれた「文書行政」の秦における誕生を商鞅の変法の実在性を含めて議論し、秦の文書行政の利点と欠点を、出土史料・遺跡から考察する。
第5回 6月30日(金) 秦の統治・外交政策
統一秦の時代は,以後の中華帝国の祖型を形作った重要な時期だが,見方を変えると,6世紀に及ぶ歴史をもつ国がわずか15年で滅亡に立ち至った破局の過程でもある。そこにはどのような問題や限界が潜んでいたのだろうか。この講座では,新発見の史料の紹介を交えながら,特に秦と他国・異民族との関係を軸に,秦の「統一」と実相を考察してみたい。
中国古代、前8世紀には数ある諸侯国のひとつに過ぎなかった秦は、その550年後には中華の地を統一し、皇帝号を称するに至りました。この秦の発展の歴史は従来から研究されてきましたが、単純な政治史・人物史に偏っていた点は否めません。しかし近年、考古発掘の急速な進展により、遺跡や遺物といった考古学的資料と、文字史料を組み合わせ、新しい秦の歴史の叙述が可能となりつつあります。また、文字史料も文献に加えて簡牘・青銅器銘文など、多様な史料が広く利用されており、秦の強国化への道筋、秦帝国を支えた制度や政策の具体像が明らかになりつつあります。本講座では、遺物・遺跡・出土文字史料を主軸に据え、現地踏査の成果も盛り込んで、構築されつつある新しい秦の歴史について知っていただこうと考えています。
【特記事項】
※こちらはリアルタイム配信型で受講希望の方専用の申込ページです。※見逃し配信はございません。
キャンパス(対面型)で受講を希望される方はこちらからお申し込みください。
※お申込み前に必ずオンライン講座ご受講にあたってをご確認ください。
※初めてZoomをご利用になる方は、Zoomご利用ガイドをご覧ください。
■申込締切日:5月24日(水)
■受講に際し、必ず入会と受講のご案内をご確認ください。
【講義概要】
第1回 6月 2日(金) 秦史の流れ(前半)
春秋時代の秦の歴史について、新発見の出土資料と史書の伝える記事とに従って概観する。周文化圏の周縁という地理的位置と、「周王朝の継承者」としての自負という二つの面から、諸侯国としての秦の特性を明らかにすると同時に、「秦漢史」でなく「秦史」として歴史をとらえることの意義についても考える。
第2回 6月 9日(金) 秦史の流れ(後半)
戦国時代の秦の歴史について、戦争と交流という視点から概観する。この時期の秦の歴史は、諸国との戦争に明け暮れたかに見えるけれども、半面で他国の人材が多く登用される開かれた側面も持っていた。このような交流のひとつの例として、解明が進みつつある始皇帝陵の構造と系譜についても言及したい。
第3回 6月16日(金) 秦の法制度
秦の法治を支えた律令について概説する。これまでに発見されている秦の律令とその出土状況を紹介したうえで、その中からいくつかの律令本文を選んで解説する。また、秦の裁判例を記した出土史料を使って、秦の官吏が律令をどのように適用して統治を行っていたかについても見る。
第4回 6月23日(金) 秦の文書行政制度
中央集権的統治に不可欠であり後の王朝にも連綿と受け継がれた「文書行政」の秦における誕生を商鞅の変法の実在性を含めて議論し、秦の文書行政の利点と欠点を、出土史料・遺跡から考察する。
第5回 6月30日(金) 秦の統治・外交政策
統一秦の時代は,以後の中華帝国の祖型を形作った重要な時期だが,見方を変えると,6世紀に及ぶ歴史をもつ国がわずか15年で滅亡に立ち至った破局の過程でもある。そこにはどのような問題や限界が潜んでいたのだろうか。この講座では,新発見の史料の紹介を交えながら,特に秦と他国・異民族との関係を軸に,秦の「統一」と実相を考察してみたい。
備考
【教材】
配付資料
※会員のページ「マイページメニュー」の「オンライン講座視聴・資料ダウンロード」にてダウンロードしていただきます。
※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
配付資料
※会員のページ「マイページメニュー」の「オンライン講座視聴・資料ダウンロード」にてダウンロードしていただきます。
※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
講師陣
名前 | 髙村 武幸 |
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肩書き | 明治大学文学部教授 |
プロフィール | 明治大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(史学)。2009年三重大学人文学部准教授、2014年明治大学文学部准教授を経て、2020年より現職。著書『漢代の地方官吏と地域社会』(汲古書院、2008年)・『秦漢簡牘史料研究』(汲古書院、2015年)、編著『周縁領域からみた秦漢帝国』(六一書房、2017年)・『周縁領域からみた秦漢帝国2』(六一書房、廣瀬薫雄・渡邉英幸と共編、2019年)。 |
名前 | 籾山 明 |
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肩書き | 公益財団法人東洋文庫専任研究員 |
プロフィール | 京都大学大学院文学研究科単位取得退学。島根大学法文学部助教授、埼玉大学教養学部教授を歴任。現在公益財団法人東洋文庫研究員。博士(文学)。主要著書に『秦の始皇帝―多元世界の統一者―』(白帝社、1994年)・『増補新版 漢帝国と辺境社会―長城の風景―』(志学社、2021年)・『中国古代訴訟制度の研究』(京都大学学術出版会、2006年)・『秦漢出土文字史料の研究』(創文社、2015年)・『秦帝国の誕生 古代史研究のクロスロード』(六一書房、ロータール・フォン・ファルケンハウゼンと共編、2020年)など多数。 |
名前 | 廣瀬 薫雄 |
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肩書き | 復旦大学出土文献与古文字研究中心研究員 |
プロフィール | 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。2008年復旦大学(中国・上海)出土文献与古文字研究中心講師、2010年副研究員、2019年より現職。著書『秦漢律令研究』(汲古書院、2010年)、『簡帛研究論集』(上海古籍出版社、2019年)、編著『周縁領域からみた秦漢帝国2』(六一書房、高村武幸・渡邉英幸と共編、2019年)、訳著『殷周青銅器綜覧』第一卷・第二巻・第三巻(上海古籍出版社、林巳奈夫著、近藤晴香と共訳、2017年、2019年、2022年)。 |
名前 | 渡邉 英幸 |
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肩書き | 愛知教育大学教育学部准教授 |
プロフィール | 東北大学大学院国際文化研究科博士後期課程修了。博士(国際文化)。2011年愛知教育大学教育学部専任講師、2015年より現職。著書『古代〈中華〉観念の形成』(岩波書店、2010年)、編著『周縁領域からみた秦漢帝国2』(六一書房、高村武幸・廣瀬薫雄と共編、2019年)。 |