大学公開講座のセカンドアカデミー

【講座趣旨】
　中国は現在、歴史上かつてないレベルで急激に膨張、肥大化を続けています。この国はいったいどう変わっていくか。この現実を見極めるために、改めて中国史に立ち返り、その本質を理解することが求められています。
　そうした問題意識のもと、本講座では従来とはちがう、「文化」という視座から中国史に踏みこみます。本講座でいう「文化」とは文学や芸術などに限定されない、人類が歴史上にのこした「営為や足跡」すべてを「文化的所産」とみなす立場です。ここから縦横に広がる中国史に筋道をつけ、その本質に迫ります。
　今期は、前回後漢時代を取り上げたのをふまえ、後漢の滅亡から次に出現する魏呉蜀の三国分立、それらを一時的に統一した西晋時代に焦点を当て（紀元後2世紀末～4世紀初）、時代の特質を文化史的に考察します。日本ではちょうど邪馬台国の卑弥呼が登場する古墳時代の入口に当たります。

【紹介動画】
https://commonsi.muc.meiji.jp/em/621eb1a42cf65
※本動画は、担当講師が講座の魅力やねらいなどを数分でまとめたものです。お申込みの参考にしてください。
（ストリーミング動画です。通信費は視聴者負担となります。）

【特記事項】
コロナ禍が収まった暁には、「上野三碑」などをめぐり、臨地講義をする機会を用意したい。

※本講座はリアルタイム配信型(見逃し配信付き)となります。
■見逃し配信視聴方法(収録動画のストリーミング配信)
各回実施日の翌々日(日・祝日を除く)21時までに会員のページ「マイページ」に公開します。
視聴期限は、最終回の収録動画を公開してから2週間後です。期間中は何度でも視聴できます。
見逃し配信に関する詳細及び注意事項は、下記「オンライン講座ご受講にあたって」をご確認ください。

※お申込み前に必ずオンライン講座ご受講にあたってをご確認ください。

※初めてZoomをご利用になる方は、Zoomご利用ガイドをご覧ください。

■申込締切日:4月29日(金)

■受講に際し、必ず入会と受講のご案内をご確認ください。

【講義概要】
第1回 5月12日(木) 中国の度量衡再論、あわせて碑刻学を論ず
国家と社会を形成する根幹となる「度量衡」の諸問題から漢碑に始まる「碑刻学」の展開を再論します。

第2回 5月26日(木) 中国最初の宗教反乱・黄巾の乱から三国分立期、西晋への時代像
184年に勃発し道教の起点となる黄巾の乱から、儒教の縛りを解かれた三国分立をへて西晋に及ぶ流れを概観し、新時代の特質を浮き彫りにします。

第3回 6月 9日(木) 「三国志」を生きた英傑たち
魏呉蜀の三国分立期は、多様な個性がぶつかり合った時代。彼ら英傑たちの息吹に触れ、時代の魅力に迫ります。

第4回 6月23日(木) 九品官人法の成立と貴族制
曹魏政権が実施した九品官人法は貴族制を生み、その後の官制の基軸となりました。その実相と意義を明らかにします。

第5回 7月 7日(木) 清談と奢侈
戦乱で明け暮れたこの時代、俗塵を避けた清談や新しい奢侈が流行しました。そこから人々の精神世界に分け入ります。

【教材】
●配付資料
※会員のページ「マイページメニュー」の「オンライン講座視聴・資料ダウンロード」にてダウンロードしていただきます。

・テキスト情報(著者 『書籍名』 (出版社，発刊年) 価格(税込))
《参考文献》
川勝義男著『魏晋南北朝』(講談社学術文庫、2003年)
金文京著『三国志の世界 後漢・三国時代』(講談社学術文庫、2020年)
氣賀澤保規編訳著『図説三国志の世界』(大修館書店、2001年)

名前	氣賀澤 保規
肩書き	元明治大学文学部教授 明治大学東アジア石刻文物研究所所長 東洋文庫研究員 博士(文学)
プロフィール	京都大学文学部卒業。同大学院修了。1995年より2014年3月明治大学文学部教授。専門は中国中世の政治社会文化史。主著に『府兵制の研究』(同朋舎、明治大学学術奨励賞受賞)、『則天武后』(講談社学術文庫)、『中国の歴史12、絢爛たる世界帝国 隋唐時代』(講談社学術文庫)、『遣隋使がみた風景』(八木書店)、『中国中世仏教石刻の研究』(勉誠出版)、『中国仏教社会の基層構造の研究』、『雲南の歴史と文化とその風土』(明大人文研叢書)、『新編唐代墓誌所在総合目録』、『隋唐洛陽と東アジア』(法蔵館)、『現代語訳 北斉書』(勉誠出版)など。