講座詳細情報
申し込み締切日:2021-09-30 / 文学 / 学内講座コード:21220208
はじめての民俗学 平地人を戦慄せしめよ―『遠野物語』を読み解く-
- 開催日
- 10月 8日(金)、10月22日(金)、11月12日(金)、11月26日(金)、12月 3日(金)
- 講座回数
- 5回
- 時間
- 10:30~12:00
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 9,900円
- 定員
- 90
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座趣旨】
「人間は伝承の器である」というのが私の持論であり、民俗学は人間の伝承行為と伝承文化を研究する学問であると考えています。前回講義では、『遠野物語』のザシキワラシ説話の真相を考えてみました。幕末から明治という大きな社会変動のさなか、突然没落する草分けの旧家がある一方で、逆に急に羽振りが良くなる家が発生する現象の「伝承的」説明として、得体の知れないザシキワラシが見え隠れしたのだと。「ザシキワラシが出ていった家は没落する」という言説を人々は、「さもありなん」と頷くのです。伝承社会はそうした「さもありなん=共同幻想」に満ちみちており、それによって人々は長い間、社会の傷口、急激な変化に対処してきました。しかし21世紀の現代、伝承社会はあまりにも大きなうねり、地球規模の人類文化の地殻変動の前で立ち尽くしているのです。だからこそ今、民俗学によって伝承の意味を問いかけなくてはならないのではないでしょうか。
【特記事項】
講義の進み具合により、予定通りスケジュールがこなせない場合があります。あらかじめご理解ください。
※本講座はリアルタイム配信型(見逃し配信付き)となります。
■見逃し配信視聴方法(収録動画のストリーミング配信)
各回実施日の翌々日(日・祝日を除く)21時までに会員のページ「マイページ」に公開します。
視聴期限は、最終回の収録動画を公開してから2週間後です。期間中は何度でも視聴できます。
注)見逃し配信は、やむを得ず講座を欠席した場合や復習のための補助教材です。原則として、リアルタイム配信にご参加くださいますようお願いします。
注)機器トラブル等により、見逃し配信が困難な場合もございますことご了承ください。
※お申込み前に必ずオンライン講座ご受講にあたってをご確認ください。
※初めてZoomをご利用になる方は、Zoomご利用ガイドをご覧ください。
■申込締切日:9月30日(木)
■受講に際し、必ず入会と受講のご案内をご確認ください。
【講義概要】
第1回 10月 8日(金) 死助権現
遠野盆地の東側には、六角牛山をはじめとする深い山々が連なる。その山の主の大鹿が死助権現で、猟師との死闘が繰り広げられる。
第2回 10月22日(金) 狼の記憶
狼のことを昔は、尊崇気持ちも込めて人々は「お犬」と呼んでいた。そのお犬が山から消えた。遠野の人々は自然の変化をしっかり伝承していた。
第3回 11月12日(金) 猿の経立と山の生き物たち
アニメ「もののけ姫」で描かれた巨大な山の獣たち。子どものような純粋な視線で、遠野の人々は自然と関わってきた。
第4回 11月26日(金) 河童の話〈1〉
機織の淵には美しい娘がいて、機を織っていた。木こりの男が誤ってその淵に落としてしまった。まるでイソップ童話の「金の斧銀の斧」と同じお話が遠野に伝わっていた。
第5回 12月 3日(金) 河童の話〈2〉
河童は日本中にいる。遠野の河童はほかの地域のそれとどう違うのだろう。河童の子を産んで道に遺棄するという恐ろしい話や、河童の詫び証文の話。
「人間は伝承の器である」というのが私の持論であり、民俗学は人間の伝承行為と伝承文化を研究する学問であると考えています。前回講義では、『遠野物語』のザシキワラシ説話の真相を考えてみました。幕末から明治という大きな社会変動のさなか、突然没落する草分けの旧家がある一方で、逆に急に羽振りが良くなる家が発生する現象の「伝承的」説明として、得体の知れないザシキワラシが見え隠れしたのだと。「ザシキワラシが出ていった家は没落する」という言説を人々は、「さもありなん」と頷くのです。伝承社会はそうした「さもありなん=共同幻想」に満ちみちており、それによって人々は長い間、社会の傷口、急激な変化に対処してきました。しかし21世紀の現代、伝承社会はあまりにも大きなうねり、地球規模の人類文化の地殻変動の前で立ち尽くしているのです。だからこそ今、民俗学によって伝承の意味を問いかけなくてはならないのではないでしょうか。
【特記事項】
講義の進み具合により、予定通りスケジュールがこなせない場合があります。あらかじめご理解ください。
※本講座はリアルタイム配信型(見逃し配信付き)となります。
■見逃し配信視聴方法(収録動画のストリーミング配信)
各回実施日の翌々日(日・祝日を除く)21時までに会員のページ「マイページ」に公開します。
視聴期限は、最終回の収録動画を公開してから2週間後です。期間中は何度でも視聴できます。
注)見逃し配信は、やむを得ず講座を欠席した場合や復習のための補助教材です。原則として、リアルタイム配信にご参加くださいますようお願いします。
注)機器トラブル等により、見逃し配信が困難な場合もございますことご了承ください。
※お申込み前に必ずオンライン講座ご受講にあたってをご確認ください。
※初めてZoomをご利用になる方は、Zoomご利用ガイドをご覧ください。
■申込締切日:9月30日(木)
■受講に際し、必ず入会と受講のご案内をご確認ください。
【講義概要】
第1回 10月 8日(金) 死助権現
遠野盆地の東側には、六角牛山をはじめとする深い山々が連なる。その山の主の大鹿が死助権現で、猟師との死闘が繰り広げられる。
第2回 10月22日(金) 狼の記憶
狼のことを昔は、尊崇気持ちも込めて人々は「お犬」と呼んでいた。そのお犬が山から消えた。遠野の人々は自然の変化をしっかり伝承していた。
第3回 11月12日(金) 猿の経立と山の生き物たち
アニメ「もののけ姫」で描かれた巨大な山の獣たち。子どものような純粋な視線で、遠野の人々は自然と関わってきた。
第4回 11月26日(金) 河童の話〈1〉
機織の淵には美しい娘がいて、機を織っていた。木こりの男が誤ってその淵に落としてしまった。まるでイソップ童話の「金の斧銀の斧」と同じお話が遠野に伝わっていた。
第5回 12月 3日(金) 河童の話〈2〉
河童は日本中にいる。遠野の河童はほかの地域のそれとどう違うのだろう。河童の子を産んで道に遺棄するという恐ろしい話や、河童の詫び証文の話。
備考
【教材】
・配付資料
※会員のページ「マイページメニュー」の「オンライン講座視聴・資料ダウンロード」にてダウンロードしていただきます。
・参考図書
柳田国男『遠野物語』角川ソフィア文庫(角川書店、572円)
※購入は任意です。
・配付資料
※会員のページ「マイページメニュー」の「オンライン講座視聴・資料ダウンロード」にてダウンロードしていただきます。
・参考図書
柳田国男『遠野物語』角川ソフィア文庫(角川書店、572円)
※購入は任意です。
講師陣
名前 | 水谷 類 |
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肩書き | 元明治大学文学部兼任講師 |
プロフィール | 日本宗教史・文化史、および民俗学専攻。明治大学大学院博士後期課程修了。博士(史学)。著書:『廟墓ラントウと現世浄土の思想』、『墓前祭祀と聖所のトポロジー』(雄山閣、2009年)、『中世の神社と祭り』(岩田書院、2010年刊)、『墓制・墓標研究の再構築―歴史・考古・民俗学の現場から―』(岩田書院、2010年刊)、『村落・宮座研究の継承と展開』(岩田書院、2011刊)、『オビシャ文書の世界―関東の村の祭りと記録』(岩田書院、2018年)。一宮制、神社と祭り、民間芸能者、遊行の宗教者などを研究対象としながら、日本人の精神世界の形成について考えています。 |