大学公開講座のセカンドアカデミー

【講座趣旨】
歌物語として『伊勢物語』と並び称される『大和物語』は、平安時代の貴族社会で語られていた恋愛譚や古伝説を紹介する作品です。これを読むことによって我々は、平安貴族の興味が何に注がれていたか、また彼らが築いた文化がどのようなものであったかを、如実に知ることができます。ただし、この作品は有名である割に注釈書が少なく、内容が十分には理解できていないのが現状です。この講座では、その各章段を丁寧に読み解きながら、表現の真意を突き止め、文章の魅力を楽しみたいと思います。古典をゆっくり、じっくり読んでみたいと思っている方にお勧めします。なお、一回一回読み切りの形をとりますので、『大和物語』を初めて読む方も気軽にご参加ください。

【講義概要】
第1回 10月 5日(金) 『大和物語』を読むために〈第二七段(なほ憂き山)・第二八段(霧の中)

第2回 10月19日(金) 第三九段(朝顔の露)・第四〇段(ほたる)

第3回 11月 2日(金) 第一〇三段(天の川)・上

第4回 11月16日(金) 第一〇三段(天の川)・下

第5回 12月 7日(金) 第一二〇段(梅の花)

第6回 12月21日(金) 第一二五段(かささぎの橋)

第7回 1月11日(金) 第一二六段(水汲む女)

第8回 1月25日(金) 第一四六段(鳥飼院)

第9回 2月 1日(金) 第一五〇段(猿沢の池)

【教材】
配付資料

名前	山口 佳紀
肩書き	聖心女子大学名誉教授
プロフィール	1940年千葉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。文学博士。専攻は日本語史研究。古代日本語の文法、文体、語彙などの研究を進めるかたわら、『古事記』『万葉集』『古今集』『伊勢物語』などの注釈的研究や表現分析に取り組んでいる。著書に『古代日本語文法の成立の研究』(有精堂出版、1985年、新村出賞受賞)、『古事記の表現と解釈』(風間書房、2005年)、『万葉集字余りの研究』(塙書房、2008年)、『古代日本語史論究』(風間書房、2011年)など。

名前	田中 牧郎
肩書き	コーディネータ・明治大学国際日本学部教授
プロフィール	1985年東北大学文学部卒業。1989年同大学大学院文学研究科博士後期課程退学。博士。専攻は「国文学国語学日本思想史学」。