講座詳細情報
申し込み締切日:2017-09-18 / 文学 / 学内講座コード:17220010
日本古代の王権と音楽IV 『うつほ物語』の世界(2)
- 開催日
- 9月26日(火)、10月10日(火)、10月24日(火)、11月14日(火)、11月28日(火)、12月12日(火)
- 講座回数
- 6回
- 時間
- 15:00~16:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- 3,000円
- 受講料
- 12,000円
- 定員
- 50
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
講座詳細
【講座趣旨】
日本を含む古代東アジアでは、音楽は娯楽や芸術であるという以上に統治方法の一つでした。音楽によって人心を正しく導けるとする、中国礼楽思想の影響によります。なかでも中国儒教で琴(きん:七絃の琴)が重んじられたことから、わが国でも倭琴・琴(きん)・琵琶といった絃楽器が王権を権威づけるものとして尊ばれました。本講座では絃楽器を中心に、統治者たちがどのように音楽を利用したのかをたどり、古代音楽のありように迫ります。
第IV期は春期に引き続き、『源氏物語』に大きな影響を与えた『うつほ物語』の世界を、とくに儀礼と音楽の関係を中心に読み解きます。物語は立坊争いの政治劇を経て、聖なる琴(きん)が皇室に伝えられる形で大団円を迎えます。
講義中心ですが、DVDなどで平安時代の音楽についてもご紹介します。
【講義概要】
第1回 9月26日(火) 『うつほ物語の世界』(4) 物語冒頭の政治状況(2)―「俊蔭」「藤原の君」「忠こそ」巻
秘琴を担う俊蔭子孫が活躍する本編の前に、物語はまず冒頭3巻で天皇親政の崩壊を語ります
第2回 10月10日(火) 『うつほ物語の世界』(5) 男性弾琴と女性弾琴
『うつほ物語の世界』(5) 男性弾琴と女性弾琴
この物語の琴は奏者の性別で担う理念が異なり、男性弾琴は儒教、女性は巫女(祭祀)の文脈で語られます。
第3回 10月24日(火) 『うつほ物語の世界』(6) 吹上(上・下)巻の嵯峨院(1)
嵯峨院の落胤として登場する源涼は、実は紀伊半島の熊野信仰を背景にもつ人物です。
第4回 11月14日(火) 『うつほ物語の世界』(7) 吹上(上・下)巻の嵯峨院(2)
皇室の家長として一貫して重要な位置にある嵯峨院が熊野に行幸し、新たな秘琴を手に入れます。
第5回 11月28日(火) 『うつほ物語の世界』(8) 初秋巻の相撲の節(1)
平安時代の相撲は宮中の節会として盛大に催されました。その儀式と意義を解説します。
第6回 12月12日(火) 『うつほ物語の世界』(9) 初秋巻の相撲の節(2)
相撲の節会では相撲だけでなく、多くの技芸が披露されます。また、朱雀院による琴譜解説の場面もあります。
日本を含む古代東アジアでは、音楽は娯楽や芸術であるという以上に統治方法の一つでした。音楽によって人心を正しく導けるとする、中国礼楽思想の影響によります。なかでも中国儒教で琴(きん:七絃の琴)が重んじられたことから、わが国でも倭琴・琴(きん)・琵琶といった絃楽器が王権を権威づけるものとして尊ばれました。本講座では絃楽器を中心に、統治者たちがどのように音楽を利用したのかをたどり、古代音楽のありように迫ります。
第IV期は春期に引き続き、『源氏物語』に大きな影響を与えた『うつほ物語』の世界を、とくに儀礼と音楽の関係を中心に読み解きます。物語は立坊争いの政治劇を経て、聖なる琴(きん)が皇室に伝えられる形で大団円を迎えます。
講義中心ですが、DVDなどで平安時代の音楽についてもご紹介します。
【講義概要】
第1回 9月26日(火) 『うつほ物語の世界』(4) 物語冒頭の政治状況(2)―「俊蔭」「藤原の君」「忠こそ」巻
秘琴を担う俊蔭子孫が活躍する本編の前に、物語はまず冒頭3巻で天皇親政の崩壊を語ります
第2回 10月10日(火) 『うつほ物語の世界』(5) 男性弾琴と女性弾琴
『うつほ物語の世界』(5) 男性弾琴と女性弾琴
この物語の琴は奏者の性別で担う理念が異なり、男性弾琴は儒教、女性は巫女(祭祀)の文脈で語られます。
第3回 10月24日(火) 『うつほ物語の世界』(6) 吹上(上・下)巻の嵯峨院(1)
嵯峨院の落胤として登場する源涼は、実は紀伊半島の熊野信仰を背景にもつ人物です。
第4回 11月14日(火) 『うつほ物語の世界』(7) 吹上(上・下)巻の嵯峨院(2)
皇室の家長として一貫して重要な位置にある嵯峨院が熊野に行幸し、新たな秘琴を手に入れます。
第5回 11月28日(火) 『うつほ物語の世界』(8) 初秋巻の相撲の節(1)
平安時代の相撲は宮中の節会として盛大に催されました。その儀式と意義を解説します。
第6回 12月12日(火) 『うつほ物語の世界』(9) 初秋巻の相撲の節(2)
相撲の節会では相撲だけでなく、多くの技芸が披露されます。また、朱雀院による琴譜解説の場面もあります。
備考
【教材】
レジュメ資料
※日程、講座内容の変更、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
レジュメ資料
※日程、講座内容の変更、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
講師陣
名前 | 吉村 武彦 |
---|---|
肩書き | 明治大学名誉教授 |
プロフィール | 1945年朝鮮生まれ。京都・大阪育ち。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。博士(文学)。専攻は、日本古代史。主な著書に、『日本古代の社会と国家』(岩波書店)、『古代天皇の誕生』(角川選書)、『聖徳太子』(岩波新書)、『ヤマト王権』(岩波新書)、『女帝の古代日本』(岩波書店)、『蘇我氏の古代』(岩波新書)他多数。 |
名前 | 西本 香子 |
---|---|
肩書き | 明治大学情報コミュニケーション学部兼任講師 |
プロフィール | 明治大学大学院博士課程卒業。文学博士。専門は『うつほ物語』『源氏物語』をはじめとする平安時代の物語文学。とくに、古代文学における音楽と王権との関係について、礼楽思想で尊ばれた琴(きん)の扱われ方を中心に考察している。最近の論文に「源氏物語の音楽―光源氏の琴(きん)とその相承を中心に―」(原岡文子・河添房江編『源氏物語煌めくことばの世界』翰林書房 2014年4月)がある。 |