講座詳細情報
申し込み締切日:2013-04-18 / 文学 / 学内講座コード:13120055
平家物語とその時代―巻五、巻六を読む
- 開催日
- 4月26日(金)、 5月10日(金)、 5月17日(金)、 5月24日(金)、 5月31日(金)、 6月 7日(金)、 6月14日(金)、 6月21日(金)、 6月28日(金)、 7月 5日(金)
- 講座回数
- 10回
- 時間
- 18:30~20:00
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- 3,000円
- 受講料
- 22,000円
- 定員
- 30
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
講座詳細
【講座趣旨】
『平家物語』には「木曾最期」や「那須与一」など、多くの名場面があります。ただ、『平家物語』のことは知っていても、原文は難しそうだと敬遠してきた人は多いかもしれません。この講座では、『平家物語』のいくつかの場面を取り上げ、順に読み進めます。その際、物語を生みだし、受け継いできた時代状況に目をくばり、物語世界の奥行きを実感したいと思います。初めて読む方はもちろん、より深く物語を味わいたい方も歓迎です。今回は全十二巻のうち、巻五と巻六を読みます。源頼朝の挙兵と平清盛の死が描かれ、物語は大きな転換点を迎えます。
【講義概要】
第1回 4月26日(金) 巻五「月見」―遷都
平清盛は380年余り続いた平安京を福原(今の神戸)に遷しました。桓武天皇以来、誰一人として為しえなかった遷都がどのように描かれているか見てみます。
第2回 5月10日(金) 巻五「早馬」―朝敵、頼朝
源頼朝が北条時政とともに伊豆で蜂起したという知らせが都に届きます。それを聞いた平家や都の人々はどのように反応したのか、確認してみます。
第3回 5月17日(金) 巻五「文学被流」―頼朝の挙兵
伊豆国で長年流人として暮らしてきた頼朝がなぜ今立ち上がったのか。物語が描く頼朝挙兵の顛末を見ていきます。
第4回 5月24日(金) 巻五「富士川」―対照のインパクト
水鳥の羽音に驚き、戦うことなく退却した平家軍の姿はあまりに有名です。「西国」武者(=平家)対「東国」武者(=源氏)という「対照」を、後世まで強く印象づけた合戦譚を検討していきます。
第5回 5月31日(金) 巻五「奈良炎上」―「法滅」と「天下の衰微」
以仁王に与同した南都の大衆らは「朝敵」とみなされ、強硬に反平家の態度をとり続けます。清盛は重衡を大将軍として南都攻めを決行し、南都は灰燼に帰します。物語に大きな「影」を落とす大事件を追っていきます。
第6回 6月 7日(金) 巻六「小督」―恋物語の行方
当時第一の美女とうたわれた小督は、藤原隆房と別れて高倉天皇の愛を受け入れますが、清盛によって引き裂かれたと、物語は描きます。こうした恋物語も『平家物語』の重要な一部分です。
第7回 6月14日(金) 巻六「飛脚到来」―地方武士の蜂起
反平家の動きが全国に広がり、諸国から蜂起を知らせる飛脚が到来します。王朝風の物語から一転して、片田舎の武士の視点から、反乱の経過を読み解いてみましょう。
第8回 6月21日(金) 巻六「入道死去」―清盛あつち死に
諸国の動乱の中、平清盛は、「頼朝の首を墓の前に懸けよ」と遺言し、熱病で死んでゆきます。そのすさまじい描写がどのようにできあがったのか、当時の人々の思いを考えます。
第9回 6月28日(金) 巻六「祇園女御」―清盛皇胤説
悪行の人として徹底的に批判された清盛は、死後、一転して、「実は偉大な人だった」「実は白河院の落胤であった」などと語られます。皇胤説は果たして史実か、その背景に迫ります。
第10回 7月 5日(金) 巻六「横田河原合戦」―清盛没後の世の趨勢
清盛の死によって一つの時代が終わりを告げました。これをきっかけに世の中は大きく変動していきます。清盛没後、時代が推移していく様を描き出す物語の筆致に注目します。
『平家物語』には「木曾最期」や「那須与一」など、多くの名場面があります。ただ、『平家物語』のことは知っていても、原文は難しそうだと敬遠してきた人は多いかもしれません。この講座では、『平家物語』のいくつかの場面を取り上げ、順に読み進めます。その際、物語を生みだし、受け継いできた時代状況に目をくばり、物語世界の奥行きを実感したいと思います。初めて読む方はもちろん、より深く物語を味わいたい方も歓迎です。今回は全十二巻のうち、巻五と巻六を読みます。源頼朝の挙兵と平清盛の死が描かれ、物語は大きな転換点を迎えます。
【講義概要】
第1回 4月26日(金) 巻五「月見」―遷都
平清盛は380年余り続いた平安京を福原(今の神戸)に遷しました。桓武天皇以来、誰一人として為しえなかった遷都がどのように描かれているか見てみます。
第2回 5月10日(金) 巻五「早馬」―朝敵、頼朝
源頼朝が北条時政とともに伊豆で蜂起したという知らせが都に届きます。それを聞いた平家や都の人々はどのように反応したのか、確認してみます。
第3回 5月17日(金) 巻五「文学被流」―頼朝の挙兵
伊豆国で長年流人として暮らしてきた頼朝がなぜ今立ち上がったのか。物語が描く頼朝挙兵の顛末を見ていきます。
第4回 5月24日(金) 巻五「富士川」―対照のインパクト
水鳥の羽音に驚き、戦うことなく退却した平家軍の姿はあまりに有名です。「西国」武者(=平家)対「東国」武者(=源氏)という「対照」を、後世まで強く印象づけた合戦譚を検討していきます。
第5回 5月31日(金) 巻五「奈良炎上」―「法滅」と「天下の衰微」
以仁王に与同した南都の大衆らは「朝敵」とみなされ、強硬に反平家の態度をとり続けます。清盛は重衡を大将軍として南都攻めを決行し、南都は灰燼に帰します。物語に大きな「影」を落とす大事件を追っていきます。
第6回 6月 7日(金) 巻六「小督」―恋物語の行方
当時第一の美女とうたわれた小督は、藤原隆房と別れて高倉天皇の愛を受け入れますが、清盛によって引き裂かれたと、物語は描きます。こうした恋物語も『平家物語』の重要な一部分です。
第7回 6月14日(金) 巻六「飛脚到来」―地方武士の蜂起
反平家の動きが全国に広がり、諸国から蜂起を知らせる飛脚が到来します。王朝風の物語から一転して、片田舎の武士の視点から、反乱の経過を読み解いてみましょう。
第8回 6月21日(金) 巻六「入道死去」―清盛あつち死に
諸国の動乱の中、平清盛は、「頼朝の首を墓の前に懸けよ」と遺言し、熱病で死んでゆきます。そのすさまじい描写がどのようにできあがったのか、当時の人々の思いを考えます。
第9回 6月28日(金) 巻六「祇園女御」―清盛皇胤説
悪行の人として徹底的に批判された清盛は、死後、一転して、「実は偉大な人だった」「実は白河院の落胤であった」などと語られます。皇胤説は果たして史実か、その背景に迫ります。
第10回 7月 5日(金) 巻六「横田河原合戦」―清盛没後の世の趨勢
清盛の死によって一つの時代が終わりを告げました。これをきっかけに世の中は大きく変動していきます。清盛没後、時代が推移していく様を描き出す物語の筆致に注目します。
備考
【教材】
レジュメ資料
レジュメ資料
講師陣
名前 | 佐伯 真一 |
---|---|
肩書き | 青山学院大学教授 |
プロフィール | 東京大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。専門は日本中世文学、軍記物語。著書に、『戦場の精神史 武士道という幻影』(NHKブックス)、『建礼門院という悲劇』(角川選書)、共著に『平家物語大事典』(東京書籍)、『延慶本平家物語全注釈』(汲古書院)、『四部合戦状本平家物語全釈』(和泉書院)などがある。 |
名前 | 牧野 淳司 |
---|---|
肩書き | 明治大学文学部准教授 |
プロフィール | 名古屋大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。専門は日本中世文学、平家物語と寺院資料の研究。業績として、『延慶本平家物語全注釈(巻一~巻六)』(共著 汲古書院)、『真福寺善本叢刊 東大寺本末相論史料』(共著 臨川書店)などがある。 |
名前 | 久保 勇 |
---|---|
肩書き | 千葉大学大学院人文社会科学研究科助教 |
プロフィール | 千葉大学大学院博士後期過程修了。博士(文学)。専門は日本古典文学、軍記物語を軸とした研究。業績として『校訂延慶本平家物語(11)』(共著 汲古書院)、「延慶本『平家物語』の〈狂言綺語〉観―〈物語〉の志向したもの―」(季刊『文学』10-2)などがある。 |