大学公開講座のセカンドアカデミー

【講座内容】
『平家物語』には、平安末期の戦乱が続く社会を生きた人々のさまざまな姿が描かれています。いま、私たちはこの物語とどのように向きあえるのでしょうか。この講座は、『平家物語』をこれから読んでみようと考えている方や、少しは読んだことがあるという方を対象とした入門講座です。物語に関する基礎知識を紹介しながら、いくつかの場面を原文で読み進め、物語世界に少しずつ接していきます。この講座で『平家物語』の扉をひらいてみませんか。今期は『平家物語』とその周辺に視野を広げながら、物語を彩る五人の人たちの姿に光を当て、物語への理解を深めていきましょう。

【講座スケジュール】
第1回 5月12日(木) 建礼門院徳子の苦悩―大原に続く道
詳細：壇ノ浦で生けどられ、ついに大原に隠棲することになる建礼門院徳子の姿を追いかけてみましょう。
第2回 5月19日(木) 源行家の行方―清和源氏の血を引くこと
詳細：頼朝・義経らの叔父行家の言動を読み進め、その作中での役割について考えます。
第3回 6月 9日(木) 平時忠の立場―平家一門と政治権力
詳細：平家一門の権力を担った時忠の立場とその逸話を読み解いていきます。
第4回 6月23日(木) 土佐房昌俊の過去―伝承の交わり
詳細：頼朝の命をうけて京にのぼり、義経を襲撃した昌俊。その事件を読むとともに伝承上の昌俊の姿を紹介します。
第5回 7月 7日(木) 後白河院の存在感―清盛・頼朝との関係から
詳細：物語のなかでの後白河院の存在感について、清盛・頼朝との関係のなかで検討してみましょう。

【備考】
◆コロナウイルス感染症の状況により講座内容をオンライン講座へ変更または中止とする場合がございます。

名前	鈴木 彰
肩書き	立教大学文学部教授
プロフィール	2000年早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。神奈川大学外国語学部准教授、明治大学政治経済学部准教授などを経て、2013年度より現職。専門は日本中世文学、軍記物語。主要著書に『平家物語の展開と中世社会』(汲古書院)、『いくさと物語の中世』(共編著、汲古書院)、『平家物語を知る事典』(共著、東京堂出版)、『図説 平家物語』『図説 平清盛』(共著、河出書房新社)などがある。