講座詳細情報
申し込み締切日:2016-07-06 / 自然科学・環境 / 学内講座コード:16A1613401
ニュートリノで探る宇宙 “ニュートリノ天文学”とは
- 開催日
- 7月 7日(木)、 7月14日(木)、 7月21日(木)、 7月28日(木)、 8月18日(木)、 8月25日(木)、 9月 1日(木)、 9月 8日(木)
- 講座回数
- 8回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- -
- 受講料
- 12,500円
- 定員
- 50
- その他
- 11200(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
講座詳細
【講座内容】
ニュートリノの物理的性質をめぐって、2015年のノーベル物理学賞が我が国の梶田隆章教授と、カナダのアーサー・マクドナルド(A.McDonald)博士に授与された。宇宙物理学研究にニュートリノが果たす役割があらためて見直され、ニュートリノの本質をめぐる研究が、宇宙の創造と進化とどう関わるかが、現在問われている。
【講座スケジュール】
第1回 7月 7日(木) ニュートリノ――宇宙研究の最前線からの展望
詳細:宇宙空間を、ニュートリノと呼ばれる素粒子が飛び交っている。この現在の姿について概観し、ニュートリノと呼ばれる素粒子の性質について、研究の歩みから展望する。ニュートリノの物理的性質についてあらためて振り返りながら、宇宙の進化に果たす役割を考えてみる。
第2回 7月14日(木) ニュートリノの存在をめぐって――パウリの苦悩・フェルミの着想
詳細:ニュートリノは、パウリ(W. Pauli)により、その存在が1930年に予言されたが、実験に基づいて立証されたのは、1953年から56年にかけてのことであった。ライネス(F. Reines)ほかの努力により発見されたが、フェルミ(E. Fermi)が1934年に、ベータ(β)崩壊と呼ばれる放射能の理論的説明に用い、みつかる以前から、その存在が容認されていた。
第3回 7月21日(木) 星を輝かすエネルギーはどこから――中心部で進む熱核融合反応
詳細:星を輝かすエネルギーは、その中心部で進む熱核融合反応と呼ばれる過程に負うている。太陽のような主系列星と呼ばれる天体は、その中心部ですすむ水素核4個からヘリウム核1個を合成する熱核融合反応により輝いている。この反応の副産物として、大量の電子ニュートリノが生成される。
第4回 7月28日(木) 星の進化とニュートリノとの関わり――超新星をめぐる話題
詳細:星の進化の歩みは、その質量により大きく異なる。太陽に比べ、その質量が3倍ほどから上の重い星々は、一生の終りに超新星と呼ばれる大爆発を起こす。その際、大量のニュートリノが外部空間に放出される。
第5回 8月18日(木) “太陽ニュートリノ”の研究が語ること――太陽の内部振動とは
詳細:太陽の中心部ですすむ熱核融合反応から生成される電子ニュートリノが、どれほどの数、地球に毎秒到来しているのかについて、アメリカのデーヴィス(R. Davis)らが測定し、理論からの予測と大きく異なるふしぎな結果をもたらした。
この謎は、ニュートリノ振動と呼ばれる現象に基づいて解決された。
第6回 8月25日(木) “ニュートリノ振動”とは何か――A.マクドナルドと梶田の仕事とは
詳細:この宇宙に存在する物質の究極構造をめぐって、現在、3種のニュートリノの存在が明らかにされ、それらが固有の質量を持つことが証明されている。質量の存在は、これら3種のニュートリノが飛翔中に互いに変換する物理過程の存在を許容する。このニュートリノ振動と呼ばれるようになった機構について、詳しくふれる。
第7回 9月 1日(木) 宇宙の創造とニュートリノの運命
詳細:宇宙の創造は、“インフレーション”と呼ばれる過程で始まった。極端に短い時間に宇宙は急速に拡大し、ビッグ・バンと呼ばれる膨張過程の中で進化して来た。宇宙史の中で創造された3種のニュートリノの運命について考えてみる。
第8回 9月 8日(木) ニュートリノと宇宙論との関わり――現在の動向を展望する
詳細:現在、世界のいくつかの研究機関で、宇宙の創造と進化の中にあって、3種のニュートリノがいかに関わって来たかについて、観測の面から、宇宙の進化に果たす役割に関わる研究が進んでいる。その現状にふれる。
ニュートリノの物理的性質をめぐって、2015年のノーベル物理学賞が我が国の梶田隆章教授と、カナダのアーサー・マクドナルド(A.McDonald)博士に授与された。宇宙物理学研究にニュートリノが果たす役割があらためて見直され、ニュートリノの本質をめぐる研究が、宇宙の創造と進化とどう関わるかが、現在問われている。
【講座スケジュール】
第1回 7月 7日(木) ニュートリノ――宇宙研究の最前線からの展望
詳細:宇宙空間を、ニュートリノと呼ばれる素粒子が飛び交っている。この現在の姿について概観し、ニュートリノと呼ばれる素粒子の性質について、研究の歩みから展望する。ニュートリノの物理的性質についてあらためて振り返りながら、宇宙の進化に果たす役割を考えてみる。
第2回 7月14日(木) ニュートリノの存在をめぐって――パウリの苦悩・フェルミの着想
詳細:ニュートリノは、パウリ(W. Pauli)により、その存在が1930年に予言されたが、実験に基づいて立証されたのは、1953年から56年にかけてのことであった。ライネス(F. Reines)ほかの努力により発見されたが、フェルミ(E. Fermi)が1934年に、ベータ(β)崩壊と呼ばれる放射能の理論的説明に用い、みつかる以前から、その存在が容認されていた。
第3回 7月21日(木) 星を輝かすエネルギーはどこから――中心部で進む熱核融合反応
詳細:星を輝かすエネルギーは、その中心部で進む熱核融合反応と呼ばれる過程に負うている。太陽のような主系列星と呼ばれる天体は、その中心部ですすむ水素核4個からヘリウム核1個を合成する熱核融合反応により輝いている。この反応の副産物として、大量の電子ニュートリノが生成される。
第4回 7月28日(木) 星の進化とニュートリノとの関わり――超新星をめぐる話題
詳細:星の進化の歩みは、その質量により大きく異なる。太陽に比べ、その質量が3倍ほどから上の重い星々は、一生の終りに超新星と呼ばれる大爆発を起こす。その際、大量のニュートリノが外部空間に放出される。
第5回 8月18日(木) “太陽ニュートリノ”の研究が語ること――太陽の内部振動とは
詳細:太陽の中心部ですすむ熱核融合反応から生成される電子ニュートリノが、どれほどの数、地球に毎秒到来しているのかについて、アメリカのデーヴィス(R. Davis)らが測定し、理論からの予測と大きく異なるふしぎな結果をもたらした。
この謎は、ニュートリノ振動と呼ばれる現象に基づいて解決された。
第6回 8月25日(木) “ニュートリノ振動”とは何か――A.マクドナルドと梶田の仕事とは
詳細:この宇宙に存在する物質の究極構造をめぐって、現在、3種のニュートリノの存在が明らかにされ、それらが固有の質量を持つことが証明されている。質量の存在は、これら3種のニュートリノが飛翔中に互いに変換する物理過程の存在を許容する。このニュートリノ振動と呼ばれるようになった機構について、詳しくふれる。
第7回 9月 1日(木) 宇宙の創造とニュートリノの運命
詳細:宇宙の創造は、“インフレーション”と呼ばれる過程で始まった。極端に短い時間に宇宙は急速に拡大し、ビッグ・バンと呼ばれる膨張過程の中で進化して来た。宇宙史の中で創造された3種のニュートリノの運命について考えてみる。
第8回 9月 8日(木) ニュートリノと宇宙論との関わり――現在の動向を展望する
詳細:現在、世界のいくつかの研究機関で、宇宙の創造と進化の中にあって、3種のニュートリノがいかに関わって来たかについて、観測の面から、宇宙の進化に果たす役割に関わる研究が進んでいる。その現状にふれる。
講師陣
名前 | 桜井 邦朋 |
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肩書き | 神奈川大学名誉教授、早稲田大学理工学術院総合研究所招聘研究員 |
プロフィール | 1956年京都大学理学部卒業。理学博士。1968年NASAゴダード宇宙飛行センター上級研究員。神奈川大学では工学部長、学長を歴任、2004年より現職。専門分野は高エネルギー宇宙物理学、太陽物理学、宇宙空間物理学。主要著書に『生命はどこからきたか――宇宙物理学からの視点』(御茶の水書房)、『天才たちの宇宙像』『夏が来なかった時代』(以上、吉川弘文館)、『宇宙物理学』(共立出版)、『日本語は本当に「非論理的」か』(祥伝社)、『新版 天文学史』(ちくま学芸文庫、筑摩書房)、『ニュートリノ論争はいかにして解決したか』(講談社)、『移り気な太陽――太陽活動と地球環境との関わり』(恒星社厚生閣)など。 |