大学公開講座のセカンドアカデミー

【講座内容】
日本では税の考え方に関する教育はほとんど行われていません。しかし、私たちの身の回りでは、消費税増税、相続税の基礎控除減額、配偶者控除の廃止など、税をめぐる問題が議論されています。「納税者として税の問題を基礎的にどのように考えたらよいのだろう」という疑問を多くの方はお持ちでしょう。このような疑問に対しては、税を法律学的視点から考えることが必要です。
この講座は、身近な税の問題を考えるための基礎知識を身につけることにあります。そのため、これまで法律を全く勉強したことがない方にも身近な税の問題を分かりやすく説明します。受講者の身近な税の問題を議論し、一緒に考えたいと思います。

【講座スケジュール】
第1回 2月 4日(木) 税の基礎知識
詳細：憲法と租税法
誰が納税義務者か、課税物件:何に課税するのか、課税物件の帰属、課税標準、税率、水平的公平と垂直的公平。
第2回 2月18日(木) 税の基礎知識と課題
詳細：所得とは、税の負担能力とは、勤労性所得と資産性所得における税の負担と課題、節税と脱税、租税回避。
第3回 2月25日(木) 所得税の基礎知識と課題(1)
詳細：所得税10 種類の性質と税額計算、損益通算。
第4回 3月 3日(木) 所得税の基礎知識と課題(2)
詳細：所得区分における問題、所得控除と税額控除。
第5回 3月10日(木) 所得税の基礎知識と課題(3)
詳細：所得税の身近な事例問題及び裁判例の解説。
第6回 3月17日(木) 法人税の基礎知識と課題
詳細：法人税とは、なぜ法人税引下げが議論になるのか、国際課税との関係。
第7回 3月24日(木) 相続税・贈与税の基礎知識と課題
詳細：相続税とは、相続税の基礎控除額の引下げが、納税義務者に与える影響。

名前	水野 惠子
肩書き	愛知学院大学法学部教授
プロフィール	1948 年愛知県生まれ。一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。専門は租税法。共著に『入門国際租税法』(清文社)、『公共経済と租税』(編著、学文社)、学術論文に「金融資産所得課税」(第30 回日税研究賞「研究者の部」受賞)、「相続税の基礎理論と今日的課題」(日税研論集)、「デリバティブ課税」(一橋法学)などがある。