講座詳細情報
申し込み締切日:2013-09-26 / 政治 / 学内講座コード:13B1611901
丸山真男『日本政治思想史研究』を読むⅡ
第2論文「近世日本政治思想における『自然』と『作為』」精読(神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科主催講座2)
- 開催日
- 9月27日(金)、10月 4日(金)、10月11日(金)、
10月18日(金)、10月25日(金)、11月 1日(金)
- 講座回数
- 6回
- 時間
- 19:00~20:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 9,500円
- 定員
- 30
- その他
- 8500(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
講座詳細
【講座内容】
今回の講座で取り上げる論文は、『日本政治思想史研究』の「近世儒教の発展における徂徠学の特質並にその国学との関連」に引き続いて執筆されたもので、内容的には同論文の後半部をより深く展開したものであるが、それ自身完結した独立性を備えている。「自然」と「作為」をキー概念として封建的思惟様式から近代的思惟様式への展開過程を分析し、日本近世における朱子学的思惟様式の解体と古学・国学の成立過程に近代的思惟様式形成への可能性を探り、幕末におけるその停滞状況を論じた論文は、現在においても思想史研究上の意義を失っていない。本講座では、丸山論文を精読することを通じて、近代的思惟様式とは何か、その形成を挫折せしめたものは何か、を現在的状況の中で考え直すことを課題とする。なお、講座「I」を受講していなくても理解可能になるように配慮することを付言しておく。
【講座スケジュール】
第1回 9月27日(金) 朱子学と自然的秩序思想
封建的思惟様式の「典型」としての朱子学を秩序思想の面から分析し、その特質を「自然的秩序思想」としてとらえる丸山の論理を検討する。
第2回 10月 4日(金) 徂徠の朱子学批判と「作為」の論理の形成
荻生徂徠の朱子学批判の論理と政治的思惟の優越が、いかに「作為」の論理を形成していったかを分析する。
第3回 10月11日(金) 「自然」より「作為」への推移の歴史的意義
徂徠による朱子学批判によって形成された「作為」の論理を、より広い近代的思惟様式の形成過程の中に位置づけ、その思想史的意味を明らかにする。
第4回 10月18日(金) 安藤昌益の場合
徂徠学が切り開いた思想的地平が、安藤昌益によってどのように展開されていったかを検討する。
第5回 10月25日(金) 本居宣長の場合
宣長の国学思想が、儒教批判として徂徠とは対極に立つにもかかわらず、その成立の契機は徂徠学の論理によって与えられていることを明らかにする。
第6回 11月 1日(金) 幕末における展開と停滞
幕末・明治初期の政治状況において、「作為」の論理がどのようにその可能性を実現し、また十分な展開を妨げられたかを論じる。合わせて、そこに今日につながる問題があるかないかを検討する。
今回の講座で取り上げる論文は、『日本政治思想史研究』の「近世儒教の発展における徂徠学の特質並にその国学との関連」に引き続いて執筆されたもので、内容的には同論文の後半部をより深く展開したものであるが、それ自身完結した独立性を備えている。「自然」と「作為」をキー概念として封建的思惟様式から近代的思惟様式への展開過程を分析し、日本近世における朱子学的思惟様式の解体と古学・国学の成立過程に近代的思惟様式形成への可能性を探り、幕末におけるその停滞状況を論じた論文は、現在においても思想史研究上の意義を失っていない。本講座では、丸山論文を精読することを通じて、近代的思惟様式とは何か、その形成を挫折せしめたものは何か、を現在的状況の中で考え直すことを課題とする。なお、講座「I」を受講していなくても理解可能になるように配慮することを付言しておく。
【講座スケジュール】
第1回 9月27日(金) 朱子学と自然的秩序思想
封建的思惟様式の「典型」としての朱子学を秩序思想の面から分析し、その特質を「自然的秩序思想」としてとらえる丸山の論理を検討する。
第2回 10月 4日(金) 徂徠の朱子学批判と「作為」の論理の形成
荻生徂徠の朱子学批判の論理と政治的思惟の優越が、いかに「作為」の論理を形成していったかを分析する。
第3回 10月11日(金) 「自然」より「作為」への推移の歴史的意義
徂徠による朱子学批判によって形成された「作為」の論理を、より広い近代的思惟様式の形成過程の中に位置づけ、その思想史的意味を明らかにする。
第4回 10月18日(金) 安藤昌益の場合
徂徠学が切り開いた思想的地平が、安藤昌益によってどのように展開されていったかを検討する。
第5回 10月25日(金) 本居宣長の場合
宣長の国学思想が、儒教批判として徂徠とは対極に立つにもかかわらず、その成立の契機は徂徠学の論理によって与えられていることを明らかにする。
第6回 11月 1日(金) 幕末における展開と停滞
幕末・明治初期の政治状況において、「作為」の論理がどのようにその可能性を実現し、また十分な展開を妨げられたかを論じる。合わせて、そこに今日につながる問題があるかないかを検討する。
講師陣
名前 | 橘川 俊忠 |
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肩書き | 神奈川大学名誉教授 |
プロフィール | 1945年生まれ。東京大学法学部卒業。専門は日本政治思想史。著書に『近代批判の思想』(論創社)、『歴史解読の視座』『日本の民俗学者―人と学問』(以上、共著、御茶の水書房)、『奥能登と時国家研究編2』(平凡社)、『終わりなき戦後を問う』(明石書店)などがある。 |