講座詳細情報
申し込み締切日:2012-04-10 / 世界史 / 学内講座コード:12A1610601
イギリス王室1000年史 ロンドン・オリンピックを記念して
- 開催日
- 4月24日(火)、 5月 1日(火)、 5月 8日(火)、 5月22日(火)、 5月29日(火)
- 講座回数
- 5回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- -
- 受講料
- 8,000円
- 定員
- 50
- その他
- 7200円(※この料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
講座詳細
【講座内容】
辺境のバイキングの王国から大英帝国へ飛翔し、世界を制覇したイギリス。七つの海にユニオン・ジャックがひるがえった。イギリスは今もなお、世界で重要な位置を占め続ける。その社会の中核にあるのが王室。早くから立憲君主制を発達させ、二つの世界大戦を生き延びた伝統ある王室だ。王室は、幾多の困難を経ながらも、イギリスの最大の文化遺産として存続し続けるであろう。今年は、6月に、エリザベス女王即位60年記念式典(GoldenJubilee)がおこなわれ、続いてロンドンでオリンピックが開催される。この「イギリス年」を記念して、ウィリアム征服王からウィリアム王子まで、イギリスの王室の1000年史を振り返り、現代における王室の存在意義を改めて考えてみたい。
【講座スケジュール】
第1回 4月24日(火) 征服者の王朝―フランス人によるイギリス王室誕生
詳細:1066年、イギリスはヘイスティングズの戦いで、ノルマン人のウィリアムに征服され、フランス人による王朝が誕生する。以来、現在に至るまで、血筋からいえば、ほとんど外国人の王を戴いてきた。その基礎固めをしたのが、ノルマン征服王朝。父は強くとも、子がその素質を引き継いでいるとはかぎらない。王家では、王位をめぐり、ちまたの家庭と少しも変わらない兄弟の争いが繰り返される。最後に王冠を手にするのは誰か?
第2回 5月 1日(火) プランタジネット王朝―ヨーロッパ一の「アンジュー帝国」誕生
詳細:イギリスでは早くから女子の王位継承が認められていたことから、ヘンリー1世の娘マティルダの息子ヘンリーが、フランスのアンジュー伯爵の身ながら、イギリスの王位を手にする。ヘンリーがヨーロッパ一富裕なアキテーヌ公女エレアノールを妻に娶ったことから、イギリスにフランスの三分の一を含むアキテーヌ公爵領を合わせた広大な「帝国」が出現する。この「帝国」もまた、三人の息子による相続争いに蹂躙され、次世代には、フランスにある領土のほとんどを失ってしまう。イギリスを待ち受けている未来は?
第3回 5月 8日(火) 百年戦争と薔薇戦争―父祖伝来の領土を取り戻せ!
詳細:エドワード3世は稀にみる勇猛果敢な騎士。フランスに戦争を仕掛け、かつてイギリスがフランスに所有していた領土のほとんどを奪い返す。しかし、彼の後継者たちは英邁な王の資質を持たず、弱くて愚か、玉座をめぐって内戦(薔薇戦争)に明けくれる。ふたたび、領土をフランスに奪われ、国土は荒廃する。国土を再建するために、彗星のごとくあらわれたのが、ウェ−ルズの騎士ヘンリー・チューダーだった。ヘンリーは王位継承権保持者ではない。だが、征服王のように、力で王位を手にする。
第4回 5月22日(火) 偉大なる処女王の時代―ヨーロッパ一の強国を築く
詳細:ヘンリー・チューダー(ヘンリー7世)の孫が不出世の女王エリザベス1世である。エリザベスはフランスとの戦いに敗れ敗戦国となったイギリスを引き継ぎ、生涯をかけて国造りに献身し、ついにヨーロッパ一の強国に育て上げる。女王が破門したローマ教皇もほとほと感心した女王の政治力。その秘密は軍事力でも財力でもなく、「ことば」だった。女王はことばによる外交を尽くして戦争を避け、ことばを尽くして経済力を高めた。戦争に頼らずに国力を高めた唯一人の君主である。
第5回 5月29日(火) 大英帝国の時代―七つの海を制して
詳細:イギリスはヴィクトリア女王の時代に、世界の四分の一を有する大帝国になる。世界に先がけて産業革命を成し遂げ世界の工場となるが、それは、貧にあえぐ労働者階級と富裕な中産階級という「二つのイギリス」を生み出した。イギリスは世界中に「工場」を輸出。世界の四分の一を配下におさめる。ヨーロッパ諸国の覇権争いから、二つの世界大戦が生まれ、今、イギリスの植民地だった国々ではテロとの戦いが打ち続く。かつての歴史をひきずり、多民族国家が抱える問題にあえぐイギリスはどこへ行こうとしているのか?
辺境のバイキングの王国から大英帝国へ飛翔し、世界を制覇したイギリス。七つの海にユニオン・ジャックがひるがえった。イギリスは今もなお、世界で重要な位置を占め続ける。その社会の中核にあるのが王室。早くから立憲君主制を発達させ、二つの世界大戦を生き延びた伝統ある王室だ。王室は、幾多の困難を経ながらも、イギリスの最大の文化遺産として存続し続けるであろう。今年は、6月に、エリザベス女王即位60年記念式典(GoldenJubilee)がおこなわれ、続いてロンドンでオリンピックが開催される。この「イギリス年」を記念して、ウィリアム征服王からウィリアム王子まで、イギリスの王室の1000年史を振り返り、現代における王室の存在意義を改めて考えてみたい。
【講座スケジュール】
第1回 4月24日(火) 征服者の王朝―フランス人によるイギリス王室誕生
詳細:1066年、イギリスはヘイスティングズの戦いで、ノルマン人のウィリアムに征服され、フランス人による王朝が誕生する。以来、現在に至るまで、血筋からいえば、ほとんど外国人の王を戴いてきた。その基礎固めをしたのが、ノルマン征服王朝。父は強くとも、子がその素質を引き継いでいるとはかぎらない。王家では、王位をめぐり、ちまたの家庭と少しも変わらない兄弟の争いが繰り返される。最後に王冠を手にするのは誰か?
第2回 5月 1日(火) プランタジネット王朝―ヨーロッパ一の「アンジュー帝国」誕生
詳細:イギリスでは早くから女子の王位継承が認められていたことから、ヘンリー1世の娘マティルダの息子ヘンリーが、フランスのアンジュー伯爵の身ながら、イギリスの王位を手にする。ヘンリーがヨーロッパ一富裕なアキテーヌ公女エレアノールを妻に娶ったことから、イギリスにフランスの三分の一を含むアキテーヌ公爵領を合わせた広大な「帝国」が出現する。この「帝国」もまた、三人の息子による相続争いに蹂躙され、次世代には、フランスにある領土のほとんどを失ってしまう。イギリスを待ち受けている未来は?
第3回 5月 8日(火) 百年戦争と薔薇戦争―父祖伝来の領土を取り戻せ!
詳細:エドワード3世は稀にみる勇猛果敢な騎士。フランスに戦争を仕掛け、かつてイギリスがフランスに所有していた領土のほとんどを奪い返す。しかし、彼の後継者たちは英邁な王の資質を持たず、弱くて愚か、玉座をめぐって内戦(薔薇戦争)に明けくれる。ふたたび、領土をフランスに奪われ、国土は荒廃する。国土を再建するために、彗星のごとくあらわれたのが、ウェ−ルズの騎士ヘンリー・チューダーだった。ヘンリーは王位継承権保持者ではない。だが、征服王のように、力で王位を手にする。
第4回 5月22日(火) 偉大なる処女王の時代―ヨーロッパ一の強国を築く
詳細:ヘンリー・チューダー(ヘンリー7世)の孫が不出世の女王エリザベス1世である。エリザベスはフランスとの戦いに敗れ敗戦国となったイギリスを引き継ぎ、生涯をかけて国造りに献身し、ついにヨーロッパ一の強国に育て上げる。女王が破門したローマ教皇もほとほと感心した女王の政治力。その秘密は軍事力でも財力でもなく、「ことば」だった。女王はことばによる外交を尽くして戦争を避け、ことばを尽くして経済力を高めた。戦争に頼らずに国力を高めた唯一人の君主である。
第5回 5月29日(火) 大英帝国の時代―七つの海を制して
詳細:イギリスはヴィクトリア女王の時代に、世界の四分の一を有する大帝国になる。世界に先がけて産業革命を成し遂げ世界の工場となるが、それは、貧にあえぐ労働者階級と富裕な中産階級という「二つのイギリス」を生み出した。イギリスは世界中に「工場」を輸出。世界の四分の一を配下におさめる。ヨーロッパ諸国の覇権争いから、二つの世界大戦が生まれ、今、イギリスの植民地だった国々ではテロとの戦いが打ち続く。かつての歴史をひきずり、多民族国家が抱える問題にあえぐイギリスはどこへ行こうとしているのか?
備考
【教材】
テキスト『イギリス王室1000年史―辺境の王国から大英帝国への飛翔』(石井美樹子著、新人物往来社、2012年)の購入(受講料には含まれません)については講座開始前にご案内します。
テキスト『イギリス王室1000年史―辺境の王国から大英帝国への飛翔』(石井美樹子著、新人物往来社、2012年)の購入(受講料には含まれません)については講座開始前にご案内します。
講師陣
名前 | 石井 美樹子 |
---|---|
肩書き | 神奈川大学外国語学部教授 |
プロフィール | 1974~78年英国ケンブリッジ大学大学院にて中世英文学を専攻。文学博士。その後ケンブリッジ大学東洋学部専任講師、静岡大学教授を経て現職。専門は中世・ルネサンスのイギリス文学・歴史。主要著書に『聖母のルネサンス』(岩波書店)、『エリザベス―華麗なる孤独』(中央公論新社)、『ヨーロッパの王妃』『ヨーロッパ 宮廷の愛人たち』『マリー・アントワネットの宮廷画家―ルイーズ・ヴィジェ・ルブランの生涯』(以上、河出書房新社)ほか多数。 |