大学公開講座のセカンドアカデミー

ル・コルビュジエ、ルートヴィッヒ・ミース・ファン・デル・ローエと共に、20世紀の世界の三大建築の巨匠とされたフランク・ロイド・ライトは、わが国と深く関わった、特別の建築家である。
建築家としての設計業績を残した他に、我が国の歴史的に価値のある名建築の影響を受けた作品を、合衆国内に数多く建設した。
従来、ライトがわが国に種々影響を与えた、と指摘されることはしばしばあったが、その逆の、ライトがわが国の名作に触発されて影響をうけた、という指摘は皆無に等しかった。明治維新を契機に醸成された「舶来上等」の意識が払拭されないでいることの証明でもあるのだが、ライトと日本の関わりについての資料を駆使して、ライトが受けた日本の影響を実証しようという目的の講座である。

【プログラム】
1. ライトの設計拠点、シカゴ、オークパーク、タリアセン
2. 独立以前、シルスビー、サリヴァン、日本への関心
3. ライトの初来日、何を見たか、誰と会ったか
4. 草原住宅とユーソニア住宅
5. 帝国ホテルと関東大震災、ライトの前に日本人設計者がいた
6. 耐震神話の詳細、ライトは何役を果たしたか
7. より公共性の高い建築へ
8. 有機的建築の理想に向かって
＊このほかにライト作品と関連建物との見学会を開催します。(期中、上記日程以外の土曜日に設定してお知らせします)

名前	谷川正己
肩書き	工学博士　建築史家
プロフィール	谷川正己フランク・ロイド・ライト研究室主宰