大学公開講座のセカンドアカデミー

　長い間ヨーロッパで「建築」と言えば、様式を整えた貴族のための物でした。19世紀末になって、ドイツでは社会主義の台頭をきっかけに、装飾を省き、構造を見直し、普遍的で手に入りやすい素材を採用する、労働者のための建築がはじめて登場します。この革命的なムーヴメントを推し進めたのがブルーノ・タウトや、バウハウスの教師たちをはじめとする建築家たちでした。しかし彼らはナチスによって国を追われ、その結果としてドイツモダニズム建築の理念が世界へ伝搬したのです。タウトを中心に、バウハウスのグロピウス、ミース、同時代の様々な建築家を取り上げて、彼らが造り出そうとしたものは何だったのかを探ります。
　ドイツで実際に作品を訪れた研究者が、画像を多用して解りやすく解説します。


【プログラム】
　第1回　ブルーノ・タウトのベルリンにおける作品
　第2回　１９２０年代ベルリンのタウト以外の建築家によるモダニズム建築
　第3回　ベルリンの世界遺産住宅団地
　第4回　バウハウスとモダニスム
　第5回　ブルーノ・タウトは建築・芸術・社会をどうとらえたか

【教材】
　『ブルーノ・タウト−日本美を再発見した建築家』　田中辰明著　中公新書　760円(＋税)
　※書店で購入できます。各自でご用意ください。

名前	田中　辰明
肩書き	お茶の水女子大学名誉教授
プロフィール	工学博士　ブルーノ・タウト研究者 早稲田大学大学院理工学研究科修士課程　修了 お茶の水女子大学名誉教授