大学公開講座のセカンドアカデミー

【講座内容】
江戸時代の朝廷の各御所には、財政をはじめとした種々の実務を担う「口向」という部署がありました。江戸時代の中ごろに、この口向に勤仕する役人「口向役人」の不正(帳簿の不正操作など)を幕府が摘発しました。死罪や遠島など、重科を含むさまざまな処罰が多数の口向役人に下され、さらに種々の御用達商人も罰せられるなど、おおきな騒動となりました。三田村鳶魚なども取り上げたこの事件(安永の御所騒動あるいは口向役人不正事件)について、一次史料から考えていきたいと思います。

【講座スケジュール】
第1回 2月28日(月) 10:40～12:10 講師：佐藤 雄介
　騒動の始まり -口向と御用達商人-
第2回 3月 7日(月) 10:40～12:10 講師：佐藤 雄介
　「芋大明神」中井清太夫と騒動の経過
第3回 3月14日(月) 10:40～12:10 講師：佐藤 雄介
　騒動の終焉とその後 -騒動の歴史的意義-

名前	佐藤 雄介
肩書き	学習院大学文学部・准教授
プロフィール	2005年東京大学文学部卒業。2011年東京大学大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻博士課程単位取得退学。同年東京大学史料編纂所助教。2018年学習院大学文学部准教授。専攻は日本近世史。とくに政治史、天皇・朝廷研究、財政史などを中心に研究している。 著書:『近世の朝廷財政と江戸幕府』（東京大学出版会、2016年）、おもな論文・エッセイなど:「上方譜代大名松平忠房と寛文期御所造営」（木村直樹・牧原成征編『十七世紀日本の秩序形成』吉川弘文館、2018年）、「近世中後期の武家伝奏の活動と幕府役人観」（日本史料研究会監修　神田裕理編著『伝奏と呼ばれた人々』ミネルヴァ書房、2017年）、「財政から考える江戸幕府と天皇」（東京大学史料編纂所編『日本史の森をゆく』中央公論社、2014年）など。