大学公開講座のセカンドアカデミー

【講座内容】
今日でこそ、杉原千畝氏の名前と戦争中にリトアニアで多くのユダヤ難民に命がけでトランジット・ビザを発給した彼の行為は、我々の良く知るところとなっているが、それが公になったのは30年前の氏の死の直前からのことで、すでに戦後40年も経っていました。ところが、杉原氏の話が有名になった後、あの件は、同氏が一人で行ったものでなく、あれほど多くの――6千人とも1万人とも言われる――ユダヤ人が助かったのには、彼の蔭で協力していた方が何人もいたということが分かってきました。更に、杉原氏の件とは別に、それより以前に満州や上海で、関東軍の関係者等がやはりドイツから逃げてきたユダヤ難民を救助していた事実も判明しました。そこで今回、それらのことを当時の激動的な国際政治情勢とともにお話ししてみたいと思います。

【講座スケジュール】
第1回 4月 9日(日) 13:00～14:30 講師：吉野 忠彦
　杉原 千畝とユダヤ人:杉原ビザとは? カウナス赴任まで、当時の欧州情勢
第2回 4月23日(日) 13:00～14:30 講師：吉野 忠彦
　ユダヤ民族に対する偏見とその歴史、ヒトラー・ナチスの迫害、日本の対ユダヤ政策
第3回 5月21日(日) 13:00～14:30 講師：吉野 忠彦
　杉原 千畝とユダヤ人:第2次世界大戦勃発、押し寄せた難民、「決断」とビザ発給
第4回 6月 4日(日) 13:00～14:30 講師：吉野 忠彦
　日本に来た難民と協力した人々(小辻 節三など)
第5回 6月18日(日) 13:00～14:30 講師：吉野 忠彦
　杉原 千畝とユダヤ人:千畝の帰国と不遇の日々、再会、千畝の死、名誉回復
第6回 7月 2日(日) 13:00～14:30 講師：吉野 忠彦
　満州・上海ルート:関東軍・満鉄の人々など(樋口 季一郎、松岡 洋右など)

名前	吉野 忠彦
肩書き	日本・エストニア友好協会会長
プロフィール	1965年東京大学卒業後、日本興行銀行に入行し、三谷産業を経て現在フリー。1994年、ルクセンブルク大公国よりオフィシエ勲功賞を受勲。96 年から駐日ルクセンブルク大公国名誉副領事。上智大学、学習院女子大学で講義を行う。日本エストニア友好協会会長、湘南モーツァルト愛好会副会長、野村学芸財団理事。訳書に「ウィーン・フィルえぴそーど」（立風書房）など。