講座詳細情報
申し込み締切日:2022-05-07 / その他教養 / 学内講座コード:1
東洋研究所100周年リレー講座「東アジア、日本関係」
- 開催日
- 土曜日
5月14日、28日
6月11日、25日
7月9日
- 講座回数
- 5
- 時間
- 10:30~12:00
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- 5,000円
- 受講料
- 10,000円
- 定員
- 15
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
講座詳細
大東文化大学東洋研究所共催 特別講座
大東文化大学創立の母体となる大東文化協会が、大正12年(1923年)2月に設立されました。そこでは漢学を中心とする東洋学術の東洋研究部、東西文化の融合による新文化創造を目指した比較研究部がありました。この二つの研究部を引き継いだのが東洋研究所です。来年、100周年を迎える本研究所の各研究班から選ばれた研究者10人が、春期と秋期の各5回、全10回にわたって講座を開催いたします。
第1回 中国共産党100年-毛沢東から習近平へ【担当講師:岡崎 邦彦】
昨年、中国共産党は1921年の結党から100年を迎えた。その間、わずか30年で中華人民共和国を建国し、その後70年にわたって中国を統治してきた。党がすべてを指導し、すべてを支配し、世界の頂点を目指す。その基礎を作り上げたのが毛沢東であり、それを実現可能へと導いたのが鄧小平であり、それを成し遂げようとしているのが習近平である。中国共産党史を日本という視点から俯瞰してみよう。
第2回 茶の湯の掛物の和と漢-変化観音の「賛」と「肖像」-【担当講師:藏中 しのぶ】
亭主が茶室の床に掛ける掛物はその日の茶会のテーマ、茶道具の取り合わせの中心です。鎌倉時代末期、中国の禅宗寺院に倣って書院造に床が設けられて以来、禅と茶の湯の交流は、唐絵・やまと絵、禅画・禅語等、多様な掛物を生みだしました。魚に乗り魚を抱く「魚籃観音」、縄目の衣をまとう「縄目の文殊」等、一風変わった禅の変化菩薩の物語から、茶室の掛物の「賛」と「肖像」を読み解きます。
第3回 陰陽道と安倍晴明の仕事【担当講師:山下 克明】
陰陽道は平安時代に生まれた占いや暦・天文に関わる文化で、その専門家が陰陽師です。安倍晴明は説話や小説・漫画でよく知られたヒーロー的な存在ですが、実際に平安時代の貴族社会で活動した人物です。彼はどのような仕事をして評価され、また現代に何を伝えているのでしょうか。晴明が生きた平安時代の記録と、現代に伝わる文化財をふまえてお話ししたいと思います。
第4回 漢籍資料の読解-三十年余りの悲喜こもごも【担当講師:中林 史朗】
現在では、其の大半が亡逸している資料を多量に含む、代表的唐代類書の『芸文類聚』を、三十年以上読解し続けた中で感じた、漢文訓読の面白さ、難しさ、可笑しさ、愚かさ等々、特に類書と言う関係語句のみを集めた、經書有り、史伝有り、詩文有りの、ごった煮状態の漢籍資料との七転八倒の格闘、つまり漢文訓読に向き合う悲喜交々に就いて、述べたいと思う。
第5回 中国古典小説のスタイルと流行-清代を中心に【担当講師:荒井 礼】
清代初期は文言小説が再注目され、二大タイトルが生まれた。蒲松齢の『聊斎志異』と紀昀の『閲微草堂筆記』である。いずれも六朝の「志怪」を継承したものだが、前者は「才子の筆」による興趣が加えられ、後者は『聊斎』に反発し事実の記録に徹底した。フィクション対ノンフィクションの関係にある。記述スタイルの異なる作品を味わうことで、当時の文人の興味がどこにあったのかを見る。
大東文化大学創立の母体となる大東文化協会が、大正12年(1923年)2月に設立されました。そこでは漢学を中心とする東洋学術の東洋研究部、東西文化の融合による新文化創造を目指した比較研究部がありました。この二つの研究部を引き継いだのが東洋研究所です。来年、100周年を迎える本研究所の各研究班から選ばれた研究者10人が、春期と秋期の各5回、全10回にわたって講座を開催いたします。
第1回 中国共産党100年-毛沢東から習近平へ【担当講師:岡崎 邦彦】
昨年、中国共産党は1921年の結党から100年を迎えた。その間、わずか30年で中華人民共和国を建国し、その後70年にわたって中国を統治してきた。党がすべてを指導し、すべてを支配し、世界の頂点を目指す。その基礎を作り上げたのが毛沢東であり、それを実現可能へと導いたのが鄧小平であり、それを成し遂げようとしているのが習近平である。中国共産党史を日本という視点から俯瞰してみよう。
第2回 茶の湯の掛物の和と漢-変化観音の「賛」と「肖像」-【担当講師:藏中 しのぶ】
亭主が茶室の床に掛ける掛物はその日の茶会のテーマ、茶道具の取り合わせの中心です。鎌倉時代末期、中国の禅宗寺院に倣って書院造に床が設けられて以来、禅と茶の湯の交流は、唐絵・やまと絵、禅画・禅語等、多様な掛物を生みだしました。魚に乗り魚を抱く「魚籃観音」、縄目の衣をまとう「縄目の文殊」等、一風変わった禅の変化菩薩の物語から、茶室の掛物の「賛」と「肖像」を読み解きます。
第3回 陰陽道と安倍晴明の仕事【担当講師:山下 克明】
陰陽道は平安時代に生まれた占いや暦・天文に関わる文化で、その専門家が陰陽師です。安倍晴明は説話や小説・漫画でよく知られたヒーロー的な存在ですが、実際に平安時代の貴族社会で活動した人物です。彼はどのような仕事をして評価され、また現代に何を伝えているのでしょうか。晴明が生きた平安時代の記録と、現代に伝わる文化財をふまえてお話ししたいと思います。
第4回 漢籍資料の読解-三十年余りの悲喜こもごも【担当講師:中林 史朗】
現在では、其の大半が亡逸している資料を多量に含む、代表的唐代類書の『芸文類聚』を、三十年以上読解し続けた中で感じた、漢文訓読の面白さ、難しさ、可笑しさ、愚かさ等々、特に類書と言う関係語句のみを集めた、經書有り、史伝有り、詩文有りの、ごった煮状態の漢籍資料との七転八倒の格闘、つまり漢文訓読に向き合う悲喜交々に就いて、述べたいと思う。
第5回 中国古典小説のスタイルと流行-清代を中心に【担当講師:荒井 礼】
清代初期は文言小説が再注目され、二大タイトルが生まれた。蒲松齢の『聊斎志異』と紀昀の『閲微草堂筆記』である。いずれも六朝の「志怪」を継承したものだが、前者は「才子の筆」による興趣が加えられ、後者は『聊斎』に反発し事実の記録に徹底した。フィクション対ノンフィクションの関係にある。記述スタイルの異なる作品を味わうことで、当時の文人の興味がどこにあったのかを見る。
講師陣
名前 | 岡崎邦彦 |
---|---|
肩書き | 大東文化大学東洋研究所所長 |
プロフィール | 大東文化大学大学院経済学研究科修士課程修了 経済学修士。専門は中国共産党史、日中関係史。著書に『西安事変と中国共産党』他。東洋研究所共同研究「中華人民共和国100年史研究」研究班を主宰している。 |
名前 | 藏中しのぶ |
---|---|
肩書き | 大東文化大学外国語学部教授 |
プロフィール | 奈良女子大学大学院文学研究科国語国文学専攻修士課程修了、人間文化研究科比較文化学専攻博士後期課程修了 博士(文学)。専門は日本文学・日中比較文学。著書に『奈良朝漢詩文の比較文学的研究』編著に『茶譜注釈』巻一~十三、『古代の文化圏とネットワーク』他。上代文学会賞・上野五月賞受賞。 |
名前 | 山下克明 |
---|---|
肩書き | 大東文化大学東洋研究所兼任研究員 |
プロフィール | 青山学院大学大学院博士課程単位取得退学 博士(歴史学)。専門は日本古代・中世の文化史。著書に『陰陽道の発見』(近年中文訳が北京で出版される)他。パリ、コレージュドフランスの日本学シンポジウムで発表を行った。 |
名前 | 中林史郎 |
---|---|
肩書き | 大東文化大学東洋研究所兼任研究員(元大東文化大学文学部中国文学科教授) |
プロフィール | 大東文化大学大学院文学研究科中国学専攻博士課程単位取得退学 文学修士。専門は中国史学。著書に『中国中世四川地方史論集』他。大東文化大学主催第六十二回全国書道展推薦賞受賞。東洋研究所での類書研究班で『藝文類聚』の読解を中心に活動を行っている。 |
名前 | 荒井礼 |
---|---|
肩書き | 大東文化大学文学部非常勤講師、大東文化大学東洋研究所兼任研究員 |
プロフィール | 筑波大学大学院人文社会科学研究科文芸・言語専攻一貫性博士課程修了 博士(文学)。専門は中国文学(明清文学)。論文に「『虞初新志』に見る張潮の亜流好尚」他。大東文化大学東洋研究所第九班「明清の文言小説と文人たち―張潮『虞初新志』訳注―」で活動中。 |