大学公開講座のセカンドアカデミー

なぜ多くの共感を得ているのか

　韓国で１００万部のベストセラーとなり、日本でも３０万部の売れ行きに達しているとのこと。もはや社会現象というべき反響でしょう。理由はどこにあるのか。一人の韓国女性が自身の人生を丹念に振り返る中で浮かび上がる不条理な出来事と錯綜した感情、その困難な〈生〉の姿をたどり、日韓の共通する同時代的な意味を考えます。と同時に、〈何が書いてあるのか〉のみならず、〈どのように書いてあるのか〉という小説の書法の問題も検討します。
　本講座の第三回は、日韓比較文学を専攻する金智英（キム・ジヨン）さんをゲストに迎え、韓国女性の立場から意見をお聞きします。ちなみに金さんは、この小説の主人公と同姓同名、同世代の人です。原書の韓国語の表現の特質についてもコメントしていただきます。

【テキスト】『８２年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ著　斎藤真理子訳　筑摩書房　１，６５０円（税込）　講座初回に教室で販売いたします。

名前	中村邦生
肩書き	大東文化大学名誉教授、作家
プロフィール	立教大学大学院英米文学専攻博士課程単位取得退学　文学修士。専門は比較文学・小説制作。著書に『転落譚』他。『文學界』（文芸春秋社）新人賞受賞。第112、114回芥川賞候補。執筆活動のほか各種書籍、雑誌の編集でも活躍中。

名前	金智英
肩書き	駿台外語＆ビジネス専門学校韓国語講師
プロフィール	立教大学大学院文学研究科比較文明学専攻博士課程後期課程修了　博士（比較文明学）。専門は日韓比較文学。論文に「茨木のり子とハングル」（筑摩書房より刊行予定）他。日本比較文学会会員。