大学公開講座のセカンドアカデミー

樋口一葉の世界

　日本近代文学の中でも、明治期の代表作家としては、夏目漱石・島崎藤村・森鴎外など多くの作家が上げられます。今回は、近代最初の女性作家・樋口一葉に焦点を当てたいと思います。明治二十年代に彗星のごとく現れ、数えの２５歳で世を去った一葉ですが、「大つごもり」「十三夜」「にごりえ」「たけくらべ」などには、明治社会に生きる人々の姿がリアルに描き出されています。鴎外が「まことの詩人」と激賞した一葉の文章を味わいつつ、男と女・金銭・社会制度等々、現代にも通ずる問題について考えていきましょう。

【テキスト】プリントを配布いたします。
なお、参考として、以下のものをお勧めいたします。
・『大つごもり・十三夜』（樋口一葉・岩波文庫・４４０円（税込））
・『にごりえ・たけくらべ』（樋口一葉・岩波文庫・３９６円（税込））
この他、文学全集や、新潮文庫、ちくま文庫など。

名前	下山孃子
肩書き	大東文化大学名誉教授
プロフィール	東京女子大学大学院文学研究科修士課程修了　博士（学術）東京学芸大学大学院連合。専門は日本近代文学。著書に『近代の作家　島崎藤村』他。島崎藤村学会副会長・理事で活動中。