講座詳細情報
申し込み締切日:2019-05-10 / その他教養:自然科学・環境 / 学内講座コード:113
火山噴火と考古学
- 開催日
- 土曜日
5月25日
6月1日、8日、15日、22日、29日
7月6日、13日
- 講座回数
- 8
- 時間
- 13:15~14:45
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- 5,000円
- 受講料
- 17,500円
- 定員
- 40
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
講座詳細
≪シリーズ講座 郷土の歴史を学ぼう≫
第1回 総論・火山噴火と考古学【担当講師:坂本 和俊】
まず、福井県・三方五湖の一つ水月湖等の年縞から幾つかの火山の噴火年代が絞られたことを紹介する。そのように噴火年代が明らかでなくとも、広域に分布する火山噴出物は離れた遺跡の編年を行う際の鍵層であることを概観したい。その上で火山噴出物に覆われた保存状態の良い遺跡が、研究に寄与した具体例をあげてみたい。
第2回 浅間山・榛名山の噴火と埼玉の遺跡【担当講師:坂本 和俊】
群馬県では、浅間山・榛名山の火山灰を鍵層とする研究が1970年以前から始まり、1970年代後半から深められた学史を概観する。埼玉県では群馬県のように浅間山Cスコリア、榛名山FPの堆積は認められないが、その研究成果が援用される具体的例を示すことにする。
第3回 火山噴出物による旧石器の広域編年−鹿児島湾にあった姶良(あいら)火山の火山灰を中心にして−【担当講師:松本 富雄】
旧石器時代、29,000年前のローム層には、火山性ガラス物質を多く含む層がある。この層の供給は、鹿児島湾北部の姶良火山であり、青森県南部まで降下した広域火山灰であることが近年の研究で判明。大噴火であり、日本列島各地の旧石器時代の広域編年を確立するための有用な鍵層となっている。講義では、姶良火山について学び、姶良火山噴火以前・以降の旧石器時代編年の成果と意義を紹介する。
第4回 榛名山二ツ岳噴火時の須恵器型式【担当講師:藤野 一之】
須恵器の製作技術は、古墳時代中期に朝鮮半島南部から伝来し、列島の各地域から出土するようになります。これまでの研究から、須恵器の形態は20~25年単位で変化することが分かり、「年代のものさし」となる考古資料です。また、近年の自然科学分析により榛名山の噴火年代が判明しつつあります。そこで、火山灰の下から出土した須恵器と暦年代について考えてみたいと思います。
第5回 火山噴火から解明された古墳時代住居の構造【担当講師:大塚 昌彦】
群馬県の榛名山は古墳時代に2度噴火を起こし、1度目は5世紀末で中筋遺跡(渋川市)を2度目は6世紀の中頃で黒井峯遺跡(旧子持村:現渋川市)を被災させている。特に発掘調査では火山降下物の性格を見極めたことにより、発掘調査で建物の崩壊過程から、古墳時代の建物を構築順序まで復元させることができた。竪穴住居は屋根に土が載せられていた土屋根構造であることを立証した。
第6回 古墳時代榛名火山噴火に伴う被災と復興~金井遺跡群を中心に~【担当講師:杉山 秀宏】
群馬県榛名山は古墳時代に2回噴火している。1回目の噴火に伴う火山灰降下と火砕流流下、2回目の噴火に伴う大量の軽石降下により、榛名山北東麓は大規模な被害を受けた。当講座では、1回目の噴火に伴う大被害を被った、金井遺跡群(金井東裏遺跡・金井下新田遺跡)を中心に、周辺遺跡を含めた被害の実態と復興についてお話しする。
第7回 埼玉県の角安使用石室と角安混入埴輪【担当講師:山崎 武】
榛名山二ツ岳の噴火に起源をもつ角閃石安山岩を使用する横穴式石室は、群馬県から埼玉県にかけての旧利根川流域に分布する。また、この角閃石安山岩粒を混入する埴輪も前橋市から本庄市にかけて分布することが明らかになっている。両者は、火山噴出物が考古学における時期決定や地域性を研究する際に大きなメルクマールになる事例であり、それぞれについて埼玉県の例を中心に検討する。
第8回 フィールドスタディー【担当講師:坂本 和俊】
榛名山・浅間山の噴火と関わる古墳、遺物・遺構を展示する施設を中心に見学する。見学地、安中市ふるさと学習館・同簗瀬二子塚古墳、高崎市観音塚古墳・同考古資料館、同かみつけの里博物館・二子塚古墳・八幡塚古墳、玉村町歴史資料館。
第1回 総論・火山噴火と考古学【担当講師:坂本 和俊】
まず、福井県・三方五湖の一つ水月湖等の年縞から幾つかの火山の噴火年代が絞られたことを紹介する。そのように噴火年代が明らかでなくとも、広域に分布する火山噴出物は離れた遺跡の編年を行う際の鍵層であることを概観したい。その上で火山噴出物に覆われた保存状態の良い遺跡が、研究に寄与した具体例をあげてみたい。
第2回 浅間山・榛名山の噴火と埼玉の遺跡【担当講師:坂本 和俊】
群馬県では、浅間山・榛名山の火山灰を鍵層とする研究が1970年以前から始まり、1970年代後半から深められた学史を概観する。埼玉県では群馬県のように浅間山Cスコリア、榛名山FPの堆積は認められないが、その研究成果が援用される具体的例を示すことにする。
第3回 火山噴出物による旧石器の広域編年−鹿児島湾にあった姶良(あいら)火山の火山灰を中心にして−【担当講師:松本 富雄】
旧石器時代、29,000年前のローム層には、火山性ガラス物質を多く含む層がある。この層の供給は、鹿児島湾北部の姶良火山であり、青森県南部まで降下した広域火山灰であることが近年の研究で判明。大噴火であり、日本列島各地の旧石器時代の広域編年を確立するための有用な鍵層となっている。講義では、姶良火山について学び、姶良火山噴火以前・以降の旧石器時代編年の成果と意義を紹介する。
第4回 榛名山二ツ岳噴火時の須恵器型式【担当講師:藤野 一之】
須恵器の製作技術は、古墳時代中期に朝鮮半島南部から伝来し、列島の各地域から出土するようになります。これまでの研究から、須恵器の形態は20~25年単位で変化することが分かり、「年代のものさし」となる考古資料です。また、近年の自然科学分析により榛名山の噴火年代が判明しつつあります。そこで、火山灰の下から出土した須恵器と暦年代について考えてみたいと思います。
第5回 火山噴火から解明された古墳時代住居の構造【担当講師:大塚 昌彦】
群馬県の榛名山は古墳時代に2度噴火を起こし、1度目は5世紀末で中筋遺跡(渋川市)を2度目は6世紀の中頃で黒井峯遺跡(旧子持村:現渋川市)を被災させている。特に発掘調査では火山降下物の性格を見極めたことにより、発掘調査で建物の崩壊過程から、古墳時代の建物を構築順序まで復元させることができた。竪穴住居は屋根に土が載せられていた土屋根構造であることを立証した。
第6回 古墳時代榛名火山噴火に伴う被災と復興~金井遺跡群を中心に~【担当講師:杉山 秀宏】
群馬県榛名山は古墳時代に2回噴火している。1回目の噴火に伴う火山灰降下と火砕流流下、2回目の噴火に伴う大量の軽石降下により、榛名山北東麓は大規模な被害を受けた。当講座では、1回目の噴火に伴う大被害を被った、金井遺跡群(金井東裏遺跡・金井下新田遺跡)を中心に、周辺遺跡を含めた被害の実態と復興についてお話しする。
第7回 埼玉県の角安使用石室と角安混入埴輪【担当講師:山崎 武】
榛名山二ツ岳の噴火に起源をもつ角閃石安山岩を使用する横穴式石室は、群馬県から埼玉県にかけての旧利根川流域に分布する。また、この角閃石安山岩粒を混入する埴輪も前橋市から本庄市にかけて分布することが明らかになっている。両者は、火山噴出物が考古学における時期決定や地域性を研究する際に大きなメルクマールになる事例であり、それぞれについて埼玉県の例を中心に検討する。
第8回 フィールドスタディー【担当講師:坂本 和俊】
榛名山・浅間山の噴火と関わる古墳、遺物・遺構を展示する施設を中心に見学する。見学地、安中市ふるさと学習館・同簗瀬二子塚古墳、高崎市観音塚古墳・同考古資料館、同かみつけの里博物館・二子塚古墳・八幡塚古墳、玉村町歴史資料館。
備考
※フィールドスタディー当日はお弁当をご持参ください。資料館等の入館料は各自負担となります。詳細については講座内で説明します。また、当日は講座時間が通常とは異なります(9:00~17:00)ので予めご了承ください。なお、当日の道路状況により、帰着時間が遅くなる場合があります。(観光バスを使用します。)
講師陣
名前 | 坂本和俊 |
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肩書き | 祭祀考古学会会員 |
プロフィール | 國學院大学大学院修士課程修了 文学修士。専門は日本考古学(弥生時代~平安時代の宗教的遺跡・遺物)。論文に「埼玉稲荷山古墳礫槨の被葬者像再考」他。 |
名前 | 松本富雄 |
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肩書き | 日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会委員、埼玉県文化財保護協会副会長 |
プロフィール | 東洋大学文学部卒業。専門は民俗学・考古学・景観文化学。論文に「三富新田における景観の意義」他。 |
名前 | 藤野一之 |
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肩書き | 坂戸市立歴史民俗資料館 |
プロフィール | 駒澤大学大学院人文科学研究科歴史学専攻修士課程修了 修士(歴史学)。専門は日本考古学(古墳時代)。論文に「古墳時代における藤岡産須恵器再考」他。埼玉考古学会委員等で活動中。 |
名前 | 大塚昌彦 |
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肩書き | 株式会社測研 文化財研究室室長 |
プロフィール | 日本大学文理学部史学科卒業。専門は日本考古学、火山災害考古学。著書に『新世紀の考古学』(「お掃除住居と北谷豪族居館遺跡」)他。第6回群馬地域文化振興会石川薫賞奨励賞受賞(群馬土器観会代表として)。日本考古学協会会員。 |
名前 | 杉山秀宏 |
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肩書き | (公財)群馬県埋蔵文化財調査事業団 |
プロフィール | 明治大学大学院文学研究科史学専攻博士課程前期課程修了 修士(文学)。専門は考古学 古墳時代。論文に「古墳時代の鉄鏃について」他。 |
名前 | 山崎武 |
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肩書き | 埴輪研究会会員 |
プロフィール | 國學院大学文学部卒業。専門は日本考古学(古墳時代)。著書論文に『考古資料大観4弥生・古墳時代 埴輪』(共著)他。埴輪研究会会員等で活動中。 |