講座詳細情報
申し込み締切日:2018-05-11 / 日本史:心理 / 学内講座コード:113
鎌倉時代における武士の暮らし
- 開催日
- 金曜日
5月18日、25日
6月1日、8日、22日
火曜日
6月12日
- 講座回数
- 6
- 時間
- 10:55~12:25
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- 5,000円
- 受講料
- 13,000円
- 定員
- 40
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
講座詳細
≪古代・中世の東国史を学ぶ Part25≫
第1回 『吾妻鏡』から見た武士の暮らし【担当:落合 義明】
『吾妻鏡』とは、14世紀初頭に成立した鎌倉幕府の歴史書である。記された期間は、1180年~1266年までと、鎌倉時代すべてを記したわけではないが、この時代を研究するうえでの基本史料であることにかわりはない。
さて『吾妻鏡』には、将軍や北条氏とは別に、多くの東国武士の名前も確認できる。本講座では、『吾妻鏡』から武士の暮らしを探り、あわせて鎌倉武士とは何かを改めて考えてみたい。
参考図書:『現代語訳 吾妻鏡』五味文彦・本郷和人ほか編 吉川弘文館
第2回 鎌倉時代の武士−研究の軌跡と現状−【担当:木村 茂光】
昔、鎌倉時代の成立が中世社会の始まりだと考えられたように、武士は中世社会を代表する存在です。そのため、武士に関しては長い研究の歴史があります。本講座では、その長い研究史を、1.在地領主としての武士、2.職能からみた武士、3.朝廷・貴族社会と武士の関係、などに焦点をあてて振り返ります。最後に、最近注目されている「武士の本拠」論についても触れたいと思います。
第3回 鎌倉時代の武士が愛した陶磁器【担当:宮瀧 交二】
平安時代末から鎌倉時代にかけて、貴族や僧侶、そして武士たちは、中国で生産された白磁や青磁の仏器や酒器等を、自らのステイタスシンボルとして珍重しました。愛知県の瀬戸窯などでは、こうした白磁や青磁の国内生産を試みましたが成功せず、青磁や白磁は日宋貿易による輸入に頼らざるを得ませんでした。ここでは、幕府の所在した鎌倉、そして関東地方各地の中世遺跡から出土した陶磁器等を例に、鎌倉時代の武士が愛した陶磁器を御紹介します。
なお、4月21日~6月10日まで、東京・丸の内の出光美術館において「神秘のやきもの 宋磁」展が開催されますので、併せての観覧をお薦めいたします。
第4回 武蔵武士の信仰と板碑【担当:諸岡 勝】
板碑は、宝篋印塔・五輪塔とともに中世に造立された石製供養塔婆の一種です。埼玉県は秩父郡長瀞町や比企郡小川町に露出する緑泥石片岩を原材として用いているため約3万基が所在し、文書や記録などの中世史料の乏しい本県にとって貴重な存在となっています。
講座では、板碑をはじめとする石塔を通して武蔵武士の信仰や動向について検討したいと思います。
第5回 鎌倉時代の武士と学問【担当:西岡 芳文】
鎌倉時代の東国における学問と文化の受容と展開について、金沢文庫の資料を中心に考えます。未開の地に樹立された武家の都・鎌倉が、京都・奈良そして大陸の文化をとり入れて、やがて独自の発信能力をもつようになるプロセスに注目します。
第6回 フィールド・スタディー/横須賀・浄楽寺(運慶仏)と横浜・称名寺(金沢文庫)を訪ねる小さな旅【担当:宮瀧 交二】
講座の最終日は、恒例のフィールドスタディーです。今回は、まず横須賀・浄楽寺を訪ねます。浄楽寺には、鎌倉幕府の有力な御家人であった和田義盛が運慶に依頼して造立した阿弥陀三尊像が伝わっています。この機会にぜひ間近でじっくりと拝観させていただきましょう(ただし、雨天時には運慶仏の公開は中止になりますので、見学先を鎌倉国宝館等に変更いたします。予め御了承下さい)。午後からは、6月12日に講義をいただく西岡先生のお話に登場する金沢文庫を訪ねて、横浜・称名寺と神奈川県立金沢文庫へ足を運びます。この世に極楽浄土を再現した称名寺の浄土庭園と神奈川県立金沢文庫の展示をじっくりとお楽しみ下さい。梅雨の晴れ間(?)、神奈川方面への「ブラ・ミヤタキ(?)」を、どうぞ御一緒に!
第1回 『吾妻鏡』から見た武士の暮らし【担当:落合 義明】
『吾妻鏡』とは、14世紀初頭に成立した鎌倉幕府の歴史書である。記された期間は、1180年~1266年までと、鎌倉時代すべてを記したわけではないが、この時代を研究するうえでの基本史料であることにかわりはない。
さて『吾妻鏡』には、将軍や北条氏とは別に、多くの東国武士の名前も確認できる。本講座では、『吾妻鏡』から武士の暮らしを探り、あわせて鎌倉武士とは何かを改めて考えてみたい。
参考図書:『現代語訳 吾妻鏡』五味文彦・本郷和人ほか編 吉川弘文館
第2回 鎌倉時代の武士−研究の軌跡と現状−【担当:木村 茂光】
昔、鎌倉時代の成立が中世社会の始まりだと考えられたように、武士は中世社会を代表する存在です。そのため、武士に関しては長い研究の歴史があります。本講座では、その長い研究史を、1.在地領主としての武士、2.職能からみた武士、3.朝廷・貴族社会と武士の関係、などに焦点をあてて振り返ります。最後に、最近注目されている「武士の本拠」論についても触れたいと思います。
第3回 鎌倉時代の武士が愛した陶磁器【担当:宮瀧 交二】
平安時代末から鎌倉時代にかけて、貴族や僧侶、そして武士たちは、中国で生産された白磁や青磁の仏器や酒器等を、自らのステイタスシンボルとして珍重しました。愛知県の瀬戸窯などでは、こうした白磁や青磁の国内生産を試みましたが成功せず、青磁や白磁は日宋貿易による輸入に頼らざるを得ませんでした。ここでは、幕府の所在した鎌倉、そして関東地方各地の中世遺跡から出土した陶磁器等を例に、鎌倉時代の武士が愛した陶磁器を御紹介します。
なお、4月21日~6月10日まで、東京・丸の内の出光美術館において「神秘のやきもの 宋磁」展が開催されますので、併せての観覧をお薦めいたします。
第4回 武蔵武士の信仰と板碑【担当:諸岡 勝】
板碑は、宝篋印塔・五輪塔とともに中世に造立された石製供養塔婆の一種です。埼玉県は秩父郡長瀞町や比企郡小川町に露出する緑泥石片岩を原材として用いているため約3万基が所在し、文書や記録などの中世史料の乏しい本県にとって貴重な存在となっています。
講座では、板碑をはじめとする石塔を通して武蔵武士の信仰や動向について検討したいと思います。
第5回 鎌倉時代の武士と学問【担当:西岡 芳文】
鎌倉時代の東国における学問と文化の受容と展開について、金沢文庫の資料を中心に考えます。未開の地に樹立された武家の都・鎌倉が、京都・奈良そして大陸の文化をとり入れて、やがて独自の発信能力をもつようになるプロセスに注目します。
第6回 フィールド・スタディー/横須賀・浄楽寺(運慶仏)と横浜・称名寺(金沢文庫)を訪ねる小さな旅【担当:宮瀧 交二】
講座の最終日は、恒例のフィールドスタディーです。今回は、まず横須賀・浄楽寺を訪ねます。浄楽寺には、鎌倉幕府の有力な御家人であった和田義盛が運慶に依頼して造立した阿弥陀三尊像が伝わっています。この機会にぜひ間近でじっくりと拝観させていただきましょう(ただし、雨天時には運慶仏の公開は中止になりますので、見学先を鎌倉国宝館等に変更いたします。予め御了承下さい)。午後からは、6月12日に講義をいただく西岡先生のお話に登場する金沢文庫を訪ねて、横浜・称名寺と神奈川県立金沢文庫へ足を運びます。この世に極楽浄土を再現した称名寺の浄土庭園と神奈川県立金沢文庫の展示をじっくりとお楽しみ下さい。梅雨の晴れ間(?)、神奈川方面への「ブラ・ミヤタキ(?)」を、どうぞ御一緒に!
備考
※フィールドスタディー当日はお弁当をご持参ください。入館料は各自負担となります。詳細は講座内で説明します。また当日は講座時間が通常とは異なりますので予めご了承ください。なお、当日の道路状況により帰着時間が遅くなる場合があります。(観光バスを使用します。)
講師陣
名前 | 落合義明 |
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肩書き | 山形大学地域教育文化学部准教授、大東文化大学文学部歴史文化学科准教授(4月~) |
プロフィール | 東海大学大学院文学研究科史学専攻博士課程修了 博士(文学)。専門は日本中世史。著書論文に『中世東国の「都市的な場」と武士』他。川越市河越館跡調査指導委員会委員としても活動中。 |
名前 | 木村茂光 |
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肩書き | 朝日カルチャーセンター講座講師他 |
プロフィール | 大阪市立大学大学院文学研究科国史学専攻博士課程後期課程単位取得退学 博士(文学)。専門は日本中世社会史、中世前期政治史。著書に『頼朝と街道』他。日本歴史学協会委員長として活動中。 |
名前 | 宮瀧交二 |
---|---|
肩書き | 大東文化大学文学部教授 |
プロフィール | 立教大学大学院文学研究科博士後期課程学位予備論文提出退学 博士(学術)。専門は日本古代・中世史、博物館学。埼玉県立博物館主任学芸員を経て現職。編著書に『歴史を読む』『人物・事件でわかる日本史』他。 |
名前 | 諸岡勝 |
---|---|
肩書き | 埼玉県立嵐山史跡の博物館主任専門員兼学芸員 |
プロフィール | 法政大学文学部史学科卒業。専門は日本中世史。著書に『日本石造物辞典』(共著)他。熊谷市史編さん中世石造物調査員として活動中。 |
名前 | 西岡芳文 |
---|---|
肩書き | 前神奈川県立金沢文庫学芸課長 |
プロフィール | 慶応義塾大学大学院文学研究科史学専攻博士課程前期課程修了 修士。専門は日本中世史、情報史。著書に『金沢文庫図録 蒙古襲来と鎌倉仏教』他。 |