講座詳細情報
申し込み締切日:2017-10-03 / 日本史 / 学内講座コード:112
東国ゆかりの伝説と歴史学
- 開催日
- 火曜日
10月10日、17日、24日、31日
11月7日、14日
- 講座回数
- 6
- 時間
- 15:00~16:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- 5,000円
- 受講料
- 13,000円
- 定員
- 40
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
講座詳細
≪古代・中世の東国史を学ぶ Part24≫
第1回 総論 伝説と歴史学 【担当:宮瀧 交二】
民俗学者・柳田国男が述べているように、「むかしむかし、あるところに…」で始まる「昔話」は歴史研究の手掛かりにはなりませんが、人々の間に語り伝えられてきた「伝説」は、その具体的な内容の背景に歴史的事実(史実)を読み取ることが出来ます。今回は、古代・中世の東国史を考える上で避けることの出来ない貴重な伝説の数々を取り上げ、その背後に隠されている歴史的事実を検討します。
第2回 『更級日記』の「竹芝伝説」について 【担当:宮瀧 交二】
『更級日記』に収められた「竹芝伝説」を取り上げます。「竹芝伝説」は、古代武蔵国の研究にとって欠かすことの出来ない重要な伝説ですが、これを、武蔵国足立郡の郡役人(郡司)一族の出身で、中央で活躍した丈部直不破麻呂(はせつかべのあたいふわまろ)や氷川神社との関係から解明します。また、近年注目を集めている「環境史」の視点からも、「竹芝伝説」を再検討してみます。
第3回 「ヤマトタケルの東征伝説」と武蔵国 【担当:小野 一之】
『古事記』『日本書紀』には景行天皇の子・ヤマトタケルによる「東征」の説話があります。妻・オトタチバナヒメの入水や帰路における自身の死など、文学性の高い悲話も盛り込まれて有名です。一方、「東征」の現場になった東国には、ヤマトタケルに関したさまざまな伝説も語られています。こうした説話・伝説はどのようにしてできてきたのか、成立やその意義、史実との関係などについて考えていきます。
第4回 「伊勢物語」の業平伝説と埼玉 【担当:山口 勇】
「伊勢物語」は平安時代初期に成立した歌で物語あり、歌人在原業平の一代記の形をとっています。この業平は各地に様々な伝説を残しており、「東下り」の段では武蔵野地域を訪ねているため、埼玉県内にも1.新座市野火止、平林寺内業平塚、2.朝霞市膝折と鬼鹿毛、3.志木市柏町長勝院、4.富士見市姥塚、5.春日部市八幡神社都鳥をはじめ多数の伝説が残ります。これらの地の伝説を整理し、検証する中で在原業平の人間像を探ってみます。
第5回 梅若伝説の世界 【担当:木村 涼】
東京都墨田区木母寺に伝わる梅若伝説は、能「隅田川」で有名な梅若丸母子の悲話です。歌舞伎や人形浄瑠璃などにも取りあげられ、「隅田川物」として知られています。この梅若伝説は、関東から東北地方に伝わり、今でもそれに関連する行事や民俗芸能が行われている地域があります。梅若伝説の伝播・伝承を検討し、「隅田川物」関連の芸能を紹介しながら、梅若伝説の世界に迫ります。
第6回 フィールドスタディー「隅田川周辺に伝説を訪ねて」 【担当:宮瀧 交二】
講座のまとめとして、東京・墨田川の周辺を散策します。隅田川の近くには、様々な伝説の舞台が残っています。
まず最初に、すみだ郷土文化資料館を訪ね、この地域の歴史を概観します。昼食後は、「梅若伝説」ゆかりの木母寺・梅若堂や、「牛鬼伝説」で知られる牛島神社などを訪ねます。散策に疲れた身体は、向島名物の「長命寺桜餅」や「言問団子」が癒してくれることと思います。秋の一日を、ゆっくりお楽しみ下さい。
第1回 総論 伝説と歴史学 【担当:宮瀧 交二】
民俗学者・柳田国男が述べているように、「むかしむかし、あるところに…」で始まる「昔話」は歴史研究の手掛かりにはなりませんが、人々の間に語り伝えられてきた「伝説」は、その具体的な内容の背景に歴史的事実(史実)を読み取ることが出来ます。今回は、古代・中世の東国史を考える上で避けることの出来ない貴重な伝説の数々を取り上げ、その背後に隠されている歴史的事実を検討します。
第2回 『更級日記』の「竹芝伝説」について 【担当:宮瀧 交二】
『更級日記』に収められた「竹芝伝説」を取り上げます。「竹芝伝説」は、古代武蔵国の研究にとって欠かすことの出来ない重要な伝説ですが、これを、武蔵国足立郡の郡役人(郡司)一族の出身で、中央で活躍した丈部直不破麻呂(はせつかべのあたいふわまろ)や氷川神社との関係から解明します。また、近年注目を集めている「環境史」の視点からも、「竹芝伝説」を再検討してみます。
第3回 「ヤマトタケルの東征伝説」と武蔵国 【担当:小野 一之】
『古事記』『日本書紀』には景行天皇の子・ヤマトタケルによる「東征」の説話があります。妻・オトタチバナヒメの入水や帰路における自身の死など、文学性の高い悲話も盛り込まれて有名です。一方、「東征」の現場になった東国には、ヤマトタケルに関したさまざまな伝説も語られています。こうした説話・伝説はどのようにしてできてきたのか、成立やその意義、史実との関係などについて考えていきます。
第4回 「伊勢物語」の業平伝説と埼玉 【担当:山口 勇】
「伊勢物語」は平安時代初期に成立した歌で物語あり、歌人在原業平の一代記の形をとっています。この業平は各地に様々な伝説を残しており、「東下り」の段では武蔵野地域を訪ねているため、埼玉県内にも1.新座市野火止、平林寺内業平塚、2.朝霞市膝折と鬼鹿毛、3.志木市柏町長勝院、4.富士見市姥塚、5.春日部市八幡神社都鳥をはじめ多数の伝説が残ります。これらの地の伝説を整理し、検証する中で在原業平の人間像を探ってみます。
第5回 梅若伝説の世界 【担当:木村 涼】
東京都墨田区木母寺に伝わる梅若伝説は、能「隅田川」で有名な梅若丸母子の悲話です。歌舞伎や人形浄瑠璃などにも取りあげられ、「隅田川物」として知られています。この梅若伝説は、関東から東北地方に伝わり、今でもそれに関連する行事や民俗芸能が行われている地域があります。梅若伝説の伝播・伝承を検討し、「隅田川物」関連の芸能を紹介しながら、梅若伝説の世界に迫ります。
第6回 フィールドスタディー「隅田川周辺に伝説を訪ねて」 【担当:宮瀧 交二】
講座のまとめとして、東京・墨田川の周辺を散策します。隅田川の近くには、様々な伝説の舞台が残っています。
まず最初に、すみだ郷土文化資料館を訪ね、この地域の歴史を概観します。昼食後は、「梅若伝説」ゆかりの木母寺・梅若堂や、「牛鬼伝説」で知られる牛島神社などを訪ねます。散策に疲れた身体は、向島名物の「長命寺桜餅」や「言問団子」が癒してくれることと思います。秋の一日を、ゆっくりお楽しみ下さい。
備考
※フィールドスタディー当日はお弁当をご持参ください。入館料は各自負担となります。詳細は講座内で説明します。また当日は講座時間が通常とは異なりますので予めご了承ください。なお、当日の道路状況により帰着時間が遅くなる場合があります。(観光バスを使用します。)
講師陣
名前 | 宮瀧交二 |
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肩書き | 大東文化大学文学部教授 |
プロフィール | 立教大学大学院文学研究科博士後期課程学位予備論文提出退学 博士(学術)。専門は日本古代・中世史、博物館学。埼玉県立博物館主任学芸員を経て現職。編著書に『歴史を読む』『人物・事件でわかる日本史』他。 |
名前 | 小野一之 |
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肩書き | 府中市郷土の森博物館館長 |
プロフィール | 中央大学大学院文学研究科国史学専攻博士課程前期課程修了 修士(文学)。専門は日本古代史。著書に『武蔵府中くらやみ祭』他。 |
名前 | 山口勇 |
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肩書き | 朝霞地区医師会立朝霞准看護学校講師 |
プロフィール | 専門は教育史・埼玉県近代民衆史。著書に『さいたま謎学の旅』他。現在さいたま教育文化研究所研究委員。歴史教育者協議会元常任委員、元小学校教諭、元富士見市立水子貝塚資料館勤務。 |
名前 | 木村涼 |
---|---|
肩書き | 岐阜女子大学特任准教授 |
プロフィール | 法政大学大学院人文科学研究科日本史学専攻博士課程後期課程単位取得退学 博士(歴史学)。専門は日本近世史、日本近世文化史。著書に『七代目市川團十郎の史的研究』他。歌舞伎学会奨励賞他受賞。日本古文書学会運営委員等で活動中。 |