講座詳細情報
申し込み締切日:2016-09-24 / 世界史:その他教養 / 学内講座コード:112
渡来文化の諸相 ≪シリーズ講座 郷土の歴史を学ぼう≫
- 開催日
- 土曜日
10月1日、8日、15日、22日、29日
11月12日、19日、26日
(11月5日休)
※11月26日のみ9:00~17:00
- 講座回数
- 8
- 時間
- 13:15~14:45
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- 5,000円
- 受講料
- 17,500円
- 定員
- 40
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
講座詳細
渡来文化の諸相
≪シリーズ講座 郷土の歴史を学ぼう≫
第1回 渡来文化の諸段階(坂本和俊)
本年は、高麗郡の建郡1300年なので『渡来文化の諸相』を統一テーマとした。第1回の講義では、「帰化人」と呼ばれた人達が「渡来人」と呼ばれるようになった経緯にまず触れたい。その上で、朝鮮半島から渡来した人達がもたらした文化を考古資料から概観し、渡来が何度かあったことを示したい。さらに文献から窺える渡来でも考古資料に反映しない点があること等を考えてみたい。
第2回 朝鮮半島の前方後円墳(太田博之)
韓国の全羅道地域には、13基の前方後円墳が確認されています。周囲に堀が巡り、墳丘には埴輪や木製品が配置され、外見は日本の前方後円墳と変わらない形式を備えています。しかし、棺の構造や副葬品には百済や馬韓の影響が色濃く、実態は思いのほか複雑なようです。講座では埋葬施設や副葬品、埴輪などの検討を通し、朝鮮半島につくられた前方後円墳の歴史的な意味を考えていきます。
第3回 韓国の方形周溝墓−日本との関係を探る−(山岸良二)
弥生時代の代表的な墓制・方形周溝墓は、1964年に八王子市宇津木向原遺跡で命名されて約50年以上経過した。この間、検出数が多い埼玉県など国内各地で多くの累例が発見され、その研究も深化している。近年、韓国にも類例が増加しており、日本との関係が多方面から注目されている。この講座では、両地域の方形周溝墓を比較検討しながら、この墓制の研究到達点を解説していく。
第4回 機織り埴輪と渡来分系氏族(坂本和俊)
栃木県下野市甲塚古墳から機を織る人物の埴輪が出土した。それが全国で初めての出土であるのを考えると、今後類例が増加するとは思えない。機織り技術を阿智使主が伝えたとする文献史料と、下野国の郡郷名を手がかりにして、この問題を明らかにしたい。
第5回 東国における朝鮮半島系軟質土器の様相(田口一郎)
古墳時代中期には、製作技法や形態が朝鮮半島に系譜が求められる軟質土器が、近畿地方を中心に日本列島各地で認められている。調理具など日常生活の道具であることから、渡来人の存在を示す直接的な考古資料として評価される。本講では、関東を中心に半島系軟質土器を分析したうえで、他の渡来系要素受容のあり方を踏まえ、渡来人の役割や、東国各地と王権や半島との関わりを検討する。
第6回 平底瓶と出土遺跡からみた渡来系文化(中沢良一)
古墳時代には丸底の土器が一般的である日本国内において、やや異質なものとして須恵器の平底瓶(平底壺)がある。百済系とも言われるこの平底瓶であるが、形態には地域的な特色が認められる。この平底瓶の地域的特徴を明らかにし、出土遺跡周辺の遺跡も含めて、平底瓶の周辺に見える渡来系文化の受容について考えてみる。
第7回 栃木県出土の新羅系土器(小森哲也)
『日本書紀』持統紀は、現在の栃木県域に新羅人を3度にわたって移配したことを伝えている。これらの記事は、朝鮮半島から渡来した人々が、王権の意向のもとに、当地域に居住したことを示す内容として注目される。栃木県域における7~8世紀の新羅(系)土器の出土状況を中心としながらほかの渡来系文物にも言及し、渡来人たちが果たした役割について考えてみたい。
第8回 フィールドスタディー(坂本和俊)
国分寺に先だって建立された下野薬師寺跡と下野薬師寺歴史館の見学。次に下野国分寺跡と隣接する甲塚古墳、それらの資料を展示する下野市立しもつけ風土記の丘資料館を見学。最後に七廻鏡塚古墳出土の舟形木棺等を展示する栃木市おおひら郷土館資料館を見学。
≪シリーズ講座 郷土の歴史を学ぼう≫
第1回 渡来文化の諸段階(坂本和俊)
本年は、高麗郡の建郡1300年なので『渡来文化の諸相』を統一テーマとした。第1回の講義では、「帰化人」と呼ばれた人達が「渡来人」と呼ばれるようになった経緯にまず触れたい。その上で、朝鮮半島から渡来した人達がもたらした文化を考古資料から概観し、渡来が何度かあったことを示したい。さらに文献から窺える渡来でも考古資料に反映しない点があること等を考えてみたい。
第2回 朝鮮半島の前方後円墳(太田博之)
韓国の全羅道地域には、13基の前方後円墳が確認されています。周囲に堀が巡り、墳丘には埴輪や木製品が配置され、外見は日本の前方後円墳と変わらない形式を備えています。しかし、棺の構造や副葬品には百済や馬韓の影響が色濃く、実態は思いのほか複雑なようです。講座では埋葬施設や副葬品、埴輪などの検討を通し、朝鮮半島につくられた前方後円墳の歴史的な意味を考えていきます。
第3回 韓国の方形周溝墓−日本との関係を探る−(山岸良二)
弥生時代の代表的な墓制・方形周溝墓は、1964年に八王子市宇津木向原遺跡で命名されて約50年以上経過した。この間、検出数が多い埼玉県など国内各地で多くの累例が発見され、その研究も深化している。近年、韓国にも類例が増加しており、日本との関係が多方面から注目されている。この講座では、両地域の方形周溝墓を比較検討しながら、この墓制の研究到達点を解説していく。
第4回 機織り埴輪と渡来分系氏族(坂本和俊)
栃木県下野市甲塚古墳から機を織る人物の埴輪が出土した。それが全国で初めての出土であるのを考えると、今後類例が増加するとは思えない。機織り技術を阿智使主が伝えたとする文献史料と、下野国の郡郷名を手がかりにして、この問題を明らかにしたい。
第5回 東国における朝鮮半島系軟質土器の様相(田口一郎)
古墳時代中期には、製作技法や形態が朝鮮半島に系譜が求められる軟質土器が、近畿地方を中心に日本列島各地で認められている。調理具など日常生活の道具であることから、渡来人の存在を示す直接的な考古資料として評価される。本講では、関東を中心に半島系軟質土器を分析したうえで、他の渡来系要素受容のあり方を踏まえ、渡来人の役割や、東国各地と王権や半島との関わりを検討する。
第6回 平底瓶と出土遺跡からみた渡来系文化(中沢良一)
古墳時代には丸底の土器が一般的である日本国内において、やや異質なものとして須恵器の平底瓶(平底壺)がある。百済系とも言われるこの平底瓶であるが、形態には地域的な特色が認められる。この平底瓶の地域的特徴を明らかにし、出土遺跡周辺の遺跡も含めて、平底瓶の周辺に見える渡来系文化の受容について考えてみる。
第7回 栃木県出土の新羅系土器(小森哲也)
『日本書紀』持統紀は、現在の栃木県域に新羅人を3度にわたって移配したことを伝えている。これらの記事は、朝鮮半島から渡来した人々が、王権の意向のもとに、当地域に居住したことを示す内容として注目される。栃木県域における7~8世紀の新羅(系)土器の出土状況を中心としながらほかの渡来系文物にも言及し、渡来人たちが果たした役割について考えてみたい。
第8回 フィールドスタディー(坂本和俊)
国分寺に先だって建立された下野薬師寺跡と下野薬師寺歴史館の見学。次に下野国分寺跡と隣接する甲塚古墳、それらの資料を展示する下野市立しもつけ風土記の丘資料館を見学。最後に七廻鏡塚古墳出土の舟形木棺等を展示する栃木市おおひら郷土館資料館を見学。
備考
※フィールドスタディー当日はお弁当をご持参ください。資料館等の入館料は各自負担となります。詳細については講座内で説明します。また、当日は講座時間が通常とは異なりますので予めご了承ください。なお、当日の道路状況により、帰着時間が遅くなる場合があります。(観光バスを使用します。)
講師陣
名前 | 坂本和俊 |
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肩書き | 祭祀考古学会会員 |
プロフィール | 國學院大学大学院修士課程修了 文学修士。専門は日本考古学(弥生時代~平安時代の宗教的遺跡・遺物)。論文に「古墳時代東国の土器を使わない製塩と塩の流通痕跡」他。 |
名前 | 太田博之 |
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肩書き | 本庄市教育委員会文化財保護課課長補佐兼埋蔵文化財係長 |
プロフィール | 専門は日本考古学。著書論文に「埴輪研究における「型」と「系」」他。 |
名前 | 山岸良二 |
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肩書き | 東邦大学付属東邦中学校高等学校講師 昭和女子大学講師 |
プロフィール | 慶応義塾大学大学院文学研究科(考古学)修士課程修了 修士。専門は日本考古学(縄文~弥生)。著書に『日本考古学の現在』他。弥生墓制の研究で活動中。 |
名前 | 田口一郎 |
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肩書き | 日本考古学協会員 |
プロフィール | 専門は日本考古学(弥生~古墳時代)。論文に「平底短頸瓶覚書」他。 |
名前 | 中沢良一 |
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肩書き | 美里町遺跡調査会文化財調査員 |
プロフィール | 奈良大学文学部卒業。専門は日本考古学(古墳時代)。論文に「猪俣北古墳群内遺跡出土の把手付曾瓦」(『埼玉の考古学?』)他。 |
名前 | 小森哲也 |
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肩書き | 日本考古学協会員 |
プロフィール | 國學院大学大学院博士課程後期課程修了 博士(歴史学)。専門は日本考古学。著書に『東国における古墳の動向からみた律令国家成立過程の研究』他。 |