講座詳細情報
申し込み締切日:2016-07-20 / 世界史 / 学内講座コード:999
中国史入門ー歴史教科書の先に見えるもの
- 開催日
- 7月23日、7月30日、8月6日
- 講座回数
- 3
- 時間
- 10:30~12:00
- 講座区分
- 数回もの
- 入学金
- -
- 受講料
- -
- 定員
- 30
- その他
- 受付期間 6月25日(土)から7月20日(水)まで
(インターネットメールのみにて受付)
メールに受講希望回・氏名・年齢を明記の上、下記のメールアドレスまでご送信下
さい。
(受講希望回は複数の申込みが可能です。)
※E-mail : tokenji@ic.daito.ac.jp
詳しくはこちらもご覧ください。
http://www.daito.ac.jp/research/laboratory/oriental/extension/index.html
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
講座詳細
中国史入門ー歴史教科書の先に見えるもの
《高校の世界史の授業で習った中国の歴史。教科書に書かれた限られた範囲の内容の先には、広大な中国史の世界と多種多様な研究があります。本講座では、東洋研究所の研究員が高校生・大学生を中心とした年齢層を対象に、中国の歴史学の楽しみ方をお話します。》
◆中国古代の陰陽五行説(7月23日:小林 春樹)
古代ギリシャの哲学者・タレス(前7世紀~前6世紀)は、万物の根源は「水」であると考え、おなじくヘラクレイトス(前6世紀~前5世紀)は「火」であると考えたそうです。ところで古代中国の人々は、万物の根源を「気」(気体のようなもの)と、それが二つに分かれた陰と陽、二つの気(「陰陽二気」)、さらにそれらが複雑に混淆して生じた「木・火・土・金・水」という、五つの元素のようなもの(「五行」)が、万物を形成する根源であると考えました。しかも古代中国では、「気」と「陰陽二気」、そして「五行」は単に世界を生成しただけでなく、天文現象や気象現象などの自然現象や、王朝の交替などの人間界の出来事まで、森羅万象を発生させる要因であるとも考えられました。本講演では、現在の私たちの生活とも密接な関係を有している「気」と「五行」の思想、すなわち「陰陽五行思想」についてさまざまな角度から堅苦しくならないように紹介します。
◆中国古典に記された名剣の故事(7月30日:田中 良明)
中国文化史(刀剣と文化):文明の産物としての刀剣
武家政権による統治が約700年も続いた日本には、「文武両道」という言葉があり、今でも勉学とスポーツを両立させる意味などで使われています。しかし、中国社会では伝統的に「文」(文化や道徳)が
尊重され、「武」(軍事や武力)は「文」よりも価値が一段劣るものとして扱われてきました。
中国古典では軍事や武力のことを、その道具である武器も含めて「兵」と呼ぶことがありますが、軍事思想の『孫子』こそ「兵は国の大事なり」と説くものの、道家思想の『老子』にすら「兵は不祥の器なり。
君子の器に非ず」と言われてしまっています。
今回の講座では、そうした「不祥の器」である武器の代表格である「剣」が、中国の文化や文学作品の中でどのように扱われてきたかを、様々な中国古典とともに紹介していきたいと思います。
◆映像から知る現代中国政治史入門(8月6日:岡崎 邦彦)
中国現代史(人物と歴史):毛沢東から習近平まで
中華人民共和国成立後、中国政治の指導者は毛沢東、華国鋒、鄧小平(胡耀邦、趙紫陽)、江沢民、胡錦濤、習近平へと変わって来ました。今回の講座は、それぞれ指導者と歴史について映像を参
考にしながらわかりやすく整理して、中国政治史を理解していきましょう。例えば、毛沢東はなぜ社会主義体制を選択したのか、どのような苦労をしたのか。逆に、鄧小平はなぜ市場経済原理―資本主義を取り入れたのか、どのような苦労をしたのか。皆さんと一緒に考えてみたいと思います。そして、現在習近平に何が求められているのか、中国が進むべき方向と課題を示してみましょう。
《高校の世界史の授業で習った中国の歴史。教科書に書かれた限られた範囲の内容の先には、広大な中国史の世界と多種多様な研究があります。本講座では、東洋研究所の研究員が高校生・大学生を中心とした年齢層を対象に、中国の歴史学の楽しみ方をお話します。》
◆中国古代の陰陽五行説(7月23日:小林 春樹)
古代ギリシャの哲学者・タレス(前7世紀~前6世紀)は、万物の根源は「水」であると考え、おなじくヘラクレイトス(前6世紀~前5世紀)は「火」であると考えたそうです。ところで古代中国の人々は、万物の根源を「気」(気体のようなもの)と、それが二つに分かれた陰と陽、二つの気(「陰陽二気」)、さらにそれらが複雑に混淆して生じた「木・火・土・金・水」という、五つの元素のようなもの(「五行」)が、万物を形成する根源であると考えました。しかも古代中国では、「気」と「陰陽二気」、そして「五行」は単に世界を生成しただけでなく、天文現象や気象現象などの自然現象や、王朝の交替などの人間界の出来事まで、森羅万象を発生させる要因であるとも考えられました。本講演では、現在の私たちの生活とも密接な関係を有している「気」と「五行」の思想、すなわち「陰陽五行思想」についてさまざまな角度から堅苦しくならないように紹介します。
◆中国古典に記された名剣の故事(7月30日:田中 良明)
中国文化史(刀剣と文化):文明の産物としての刀剣
武家政権による統治が約700年も続いた日本には、「文武両道」という言葉があり、今でも勉学とスポーツを両立させる意味などで使われています。しかし、中国社会では伝統的に「文」(文化や道徳)が
尊重され、「武」(軍事や武力)は「文」よりも価値が一段劣るものとして扱われてきました。
中国古典では軍事や武力のことを、その道具である武器も含めて「兵」と呼ぶことがありますが、軍事思想の『孫子』こそ「兵は国の大事なり」と説くものの、道家思想の『老子』にすら「兵は不祥の器なり。
君子の器に非ず」と言われてしまっています。
今回の講座では、そうした「不祥の器」である武器の代表格である「剣」が、中国の文化や文学作品の中でどのように扱われてきたかを、様々な中国古典とともに紹介していきたいと思います。
◆映像から知る現代中国政治史入門(8月6日:岡崎 邦彦)
中国現代史(人物と歴史):毛沢東から習近平まで
中華人民共和国成立後、中国政治の指導者は毛沢東、華国鋒、鄧小平(胡耀邦、趙紫陽)、江沢民、胡錦濤、習近平へと変わって来ました。今回の講座は、それぞれ指導者と歴史について映像を参
考にしながらわかりやすく整理して、中国政治史を理解していきましょう。例えば、毛沢東はなぜ社会主義体制を選択したのか、どのような苦労をしたのか。逆に、鄧小平はなぜ市場経済原理―資本主義を取り入れたのか、どのような苦労をしたのか。皆さんと一緒に考えてみたいと思います。そして、現在習近平に何が求められているのか、中国が進むべき方向と課題を示してみましょう。
講師陣
名前 | 小林 春樹 氏 |
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肩書き | 東洋研究所准教授 |
プロフィール | 早稲田大学大学院博士課程満期退学。大東文化大学東洋研究所准教授。中国古代の思想・文化史、とくに歴史学と歴史書の歴史、すなわち「史学史」を研究。主な編著書に『全訳「後漢書」』(第三冊・「律暦志」)(汲古書院)、『「天文要録』の考察[一]・[二]』(大東文化大学東洋研究所)がある。 |
名前 | 田中 良明 氏 |
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肩書き | 東洋研究所講師 |
プロフィール | 大東文化大学大学院文学研究科修了。博士(中国学)。大東文化大学東洋研究所講師。「日中文学の比較文学研究」班・「唐・李鳳撰『天文要録』の研究」班所属。中国古代の天文思想・災異思想を中心とした研究。主な著書に『芸文類聚訓読付索引』巻87~89(共著)、『天文要録の考察』[二](共著)など。 |
名前 | 岡崎 邦彦 氏 |
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肩書き | 東洋研究所准教授 |
プロフィール | 大東文化大学大学院経済研究科修士課程修了。大東文化大学東洋研究所准教授。「20世紀・21世紀における日中関係と中国の対外抵抗・対内改革・世界大同」研究班所属。中国共産党史、中国政治、外交および日中関係など広く中国現代史を研究している。主な著書に『西安事変と中国共産党-西安事変80周年』、論文に「管見“日中国交正常化40周年”」(『東洋研究』)がある。 |