講座詳細情報
申し込み締切日:2015-09-26 / 日本史:心理:その他教養 / 学内講座コード:112
転換期の考古事象を考える※土曜日※
- 開催日
- 土曜日
10月3日、10日、17日、24日
11月7日、14日、21日、28日
(10月31日休)
◆追加申し込み受付中!
- 講座回数
- 8
- 時間
- 13:15~14:45
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- 5,000円
- 受講料
- 17,500円
- 定員
- 40
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
講座詳細
シリーズ講座 郷土の歴史を学ぼう
第1回 転換期の考古事象を考える (担当:坂本和俊)
「転換期の考古事象を考える」を講座名とした主旨、個別テーマについてまず簡単に触れる。その上で、時代や社会の転換期が学史的にどのように捉えられていたのか。また、実際にはどのような考古事象が認められるかを個別テーマ以外の例を幾つか挙げて簡単に解説し、転換期の考古事象が高校の日本史教科書などとは異なっている場合が少なくないことを紹介する。
第2回 遊動から定住~縄文文化の成立~ (担当:栗島義明)
縄文文化は日本文化の基層をなす文化である。実は我々が「日本的」と感じたり認識している多くの文化現象、そのルーツは縄文時代にまで確実に遡る。昨今、改めて日本の習慣や知恵・技などが見直されているが、本講座では考古学的な視点から縄文文化を見直しつつ、彼らが残した遺物や遺跡から我々の遠い祖先である縄文人と縄文文化について、改めて考えようとするものである。
第3回 弥生時代の墓制 再葬墓から方形周溝墓へ (担当:松田哲)
各地で多様な地域社会が形成される弥生時代において、関東地方では中期中葉以前と以後で大きく様相が異なります。前期から中期前半までは、縄文時代晩期末以来の伝統を受け継ぐ状況が明瞭ですが、中期中葉になると、平野部に立地する本格的な農耕集落が出現し、集落の構造や墓制などが一変します。
今回の講座では、変化の事象の1つとして墓制に注目し、前期から中期前半までの墓制である再葬墓、中期中葉以降に出現する方形周溝墓、これら2つの墓とは一体どういうものなのか、そしてなぜ再葬墓から方形周溝墓へと転換したのか、などについて解説いたします。
第4回 底部穿孔土器から円筒埴輪 (担当:若松良一)
弥生時代に登場した底部穿孔土器は、墓前に供える食物の容器がそのルーツである。その後、吉備地方で特殊器台形土器が出現すると、壺と結合した朝顔形円筒埴輪が創出されるが、独立した壺形埴輪も製作された。両者の根源的な違いについて論究したい。
第5回 炉からカマド (担当:坂本和俊)
竪穴住居に付設された施設である炉がカマドに変化する背景を渡来文化の影響と捉えた上で、それによってカマドで使用される土器にも変化が生じたことをまず確認する。その上で、カマドの採用によって、居住空間、住居内における祭りの場などにも変化が生じたことを示す。それだけでなく、カマドの採用によって幼児死亡率が減少し、人口にも変化があったことを最近の事例から考える。
第6回 終末期古墳から寺院 (担当:藤野一之)
7世紀は、それまで有力者の墓であった前方後円墳の築造が終焉し、中央集権国家へと進む激動の時代です。このような時代背景の中で、各地域では再編や開発が行われ、仏教という新たな思想も普及し、古代寺院が建立される地域も認められます。今回は、埼玉県を中心に終末期古墳から古代寺院の過呈を考古資料から考えていきたいと思います。
第7回 古人時代祭祀から律令祭祀 (担当:篠原祐一)
我が国では、大きく3回の神祇統制がなされています。近くは明治時代の国家神道、古くは古墳時代の祭式統一、そして、今回のテーマ、奈良時代前後の律令祭祀への転換です。それは、古墳時代に等しく崇められていた天神地祇と祖先神の分離、歳時の祭儀や用いる道具などを法で定めるなど、伝統の継承と転換の融合という大きな画期となりました。現在の神まつりの基を紐解き、日本固有信仰の本質や源流についてを考えます。
第8回 フィールドスタディー (担当:坂本和俊)
相模国分寺跡と海老名市温故館をまず見学し、国分寺に対する理解を深める。相模国高座郡式内社有鹿神社と勝坂遺跡を訪れ、縄文土器の標識遺跡である勝坂遺跡が古墳時代の祭祀遺跡でもあり、有鹿神社と深い関係にあることを実感する。相模原市立博物館では勝坂遺跡出土の遺物、市内出土の旧石器などを見学する。
第1回 転換期の考古事象を考える (担当:坂本和俊)
「転換期の考古事象を考える」を講座名とした主旨、個別テーマについてまず簡単に触れる。その上で、時代や社会の転換期が学史的にどのように捉えられていたのか。また、実際にはどのような考古事象が認められるかを個別テーマ以外の例を幾つか挙げて簡単に解説し、転換期の考古事象が高校の日本史教科書などとは異なっている場合が少なくないことを紹介する。
第2回 遊動から定住~縄文文化の成立~ (担当:栗島義明)
縄文文化は日本文化の基層をなす文化である。実は我々が「日本的」と感じたり認識している多くの文化現象、そのルーツは縄文時代にまで確実に遡る。昨今、改めて日本の習慣や知恵・技などが見直されているが、本講座では考古学的な視点から縄文文化を見直しつつ、彼らが残した遺物や遺跡から我々の遠い祖先である縄文人と縄文文化について、改めて考えようとするものである。
第3回 弥生時代の墓制 再葬墓から方形周溝墓へ (担当:松田哲)
各地で多様な地域社会が形成される弥生時代において、関東地方では中期中葉以前と以後で大きく様相が異なります。前期から中期前半までは、縄文時代晩期末以来の伝統を受け継ぐ状況が明瞭ですが、中期中葉になると、平野部に立地する本格的な農耕集落が出現し、集落の構造や墓制などが一変します。
今回の講座では、変化の事象の1つとして墓制に注目し、前期から中期前半までの墓制である再葬墓、中期中葉以降に出現する方形周溝墓、これら2つの墓とは一体どういうものなのか、そしてなぜ再葬墓から方形周溝墓へと転換したのか、などについて解説いたします。
第4回 底部穿孔土器から円筒埴輪 (担当:若松良一)
弥生時代に登場した底部穿孔土器は、墓前に供える食物の容器がそのルーツである。その後、吉備地方で特殊器台形土器が出現すると、壺と結合した朝顔形円筒埴輪が創出されるが、独立した壺形埴輪も製作された。両者の根源的な違いについて論究したい。
第5回 炉からカマド (担当:坂本和俊)
竪穴住居に付設された施設である炉がカマドに変化する背景を渡来文化の影響と捉えた上で、それによってカマドで使用される土器にも変化が生じたことをまず確認する。その上で、カマドの採用によって、居住空間、住居内における祭りの場などにも変化が生じたことを示す。それだけでなく、カマドの採用によって幼児死亡率が減少し、人口にも変化があったことを最近の事例から考える。
第6回 終末期古墳から寺院 (担当:藤野一之)
7世紀は、それまで有力者の墓であった前方後円墳の築造が終焉し、中央集権国家へと進む激動の時代です。このような時代背景の中で、各地域では再編や開発が行われ、仏教という新たな思想も普及し、古代寺院が建立される地域も認められます。今回は、埼玉県を中心に終末期古墳から古代寺院の過呈を考古資料から考えていきたいと思います。
第7回 古人時代祭祀から律令祭祀 (担当:篠原祐一)
我が国では、大きく3回の神祇統制がなされています。近くは明治時代の国家神道、古くは古墳時代の祭式統一、そして、今回のテーマ、奈良時代前後の律令祭祀への転換です。それは、古墳時代に等しく崇められていた天神地祇と祖先神の分離、歳時の祭儀や用いる道具などを法で定めるなど、伝統の継承と転換の融合という大きな画期となりました。現在の神まつりの基を紐解き、日本固有信仰の本質や源流についてを考えます。
第8回 フィールドスタディー (担当:坂本和俊)
相模国分寺跡と海老名市温故館をまず見学し、国分寺に対する理解を深める。相模国高座郡式内社有鹿神社と勝坂遺跡を訪れ、縄文土器の標識遺跡である勝坂遺跡が古墳時代の祭祀遺跡でもあり、有鹿神社と深い関係にあることを実感する。相模原市立博物館では勝坂遺跡出土の遺物、市内出土の旧石器などを見学する。
備考
※フィールドスタディー当日はお弁当をご持参ください。資料館等の入館料は各自負担となります。詳細については講座内で説明します。また、当日は講座時間が通常とは異なりますので予めご了承ください。なお、当日の道路状況により、帰着時間が遅くなる場合があります。(観光バスを使用します。)
講師陣
名前 | 坂本和俊 |
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肩書き | 祭祀考古学会会員 |
プロフィール | 國學院大学大学院修士課程修了 文学修士。専門は日本考古学(弥生時代~平安時代の宗教的遺跡・遺物)。論文に「古墳時代東国の土器を使わない製塩と塩の流通痕跡」他。 |
名前 | 栗島義明 |
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肩書き | 埼玉県平和資料館学芸主幹 |
プロフィール | 明治大学大学院史学博士課程前期課程修了 博士(史学)。専門は日本先史学。著書に『「講座 日本の考古学」旧石器時代(下)』(共著)他。考古学研究会全国委員。 |
名前 | 松田哲 |
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肩書き | 熊谷市教育委員会社会教育課主査 |
プロフィール | 明治大学文学部史学地理学科考古学専攻卒業。専門は日本考古学(弥生時代)。 |
名前 | 若松良一 |
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肩書き | 埼玉県教育委員会生涯学習文化財課主幹(さいたま文学館在勤) |
プロフィール | 法政大学大学院人文科学研究科日本史学専攻 文学修士。専門は日本考古学とくに埴輪を中心に、地域史(埼玉の中・近世・近代史)、文学。著書論文に『諏訪山33号墳の研究』他。 |
名前 | 藤野一之 |
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肩書き | 坂戸市立歴史民俗資料館主任 |
プロフィール | 駒澤大学大学院人文科学研究科歴史学専攻修士課程修了 修士(歴史学)。専門は日本考古学(古墳時代)。論文に「古墳時代における藤岡産須恵器再考」他。埼玉考古学会委員で活動中。 |
名前 | 篠原祐一 |
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肩書き | 前栃木県立なす風土記の丘資料館館長栃木県埋蔵文化財センター副主幹 |
プロフィール | 国士舘大学文学部史学地理学科考古学専攻。専門は祭祀考古学(神道)。著書論文に『季刊考古学』(監修)、「須恵器大甕祭祀」他。延喜式内社大前神社神職(権禰宜)。 |