大学公開講座のセカンドアカデミー

喜怒哀楽の人間ドラマ

　小説はもっとも豊かな感情の舞台です。そこに立ち現われる人間のさまざまな「生」の姿に、笑いと悲哀と戦慄をいちどに体感することさえあります。この講座では、日本、英米、フランス、ロシア、中国、ドイツ、ラテンアメリカなどの小説家の名短篇を読み、すぐれた小説的技巧の吟味、登場人物像の検討を中心としたさまざまな角度から鑑賞を進めていきます。ある小説を読みおわった瞬間、現実感が一変するかもしれません。テキストは古今東西の短篇から名作・異色作・問題作を集めた別掲のアンソロジーを使います。作家たちが紡ぐ夢や日常、運命の変転、滑稽と悲嘆の深みに改めて文学の面白さを再発見するはずです。さらに、創作に関心のある受講生のために、文章制作の注意すべきポイントにも言及します。

【テキスト】ポケット・アンソロジー『生の深みを覗く』　中村邦生編　岩波文庫　１，０１５円（税込）　講座の初回にセンターで販売いたします。

名前	中村邦生
肩書き	大東文化大学文学部教授、作家
プロフィール	立教大学大学院英米文学専攻博士課程単位取得退学　文学修士。専門は比較文学・小説制作。著書に『転落譚』他。『文學界』（文芸春秋社）新人賞受賞。小島信夫作品集成（全２４巻）編集委員等で活動中。