講座詳細情報
申し込み締切日:2023-10-18 / 文学:日本史
和歌に学ぶ「万葉植物の歌を鑑賞する」
- 開催日
- 10/19、11/16、12/21、1/18、3/21
全5回、すべて木曜日
- 講座回数
- 5回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 15,000円
- 定員
- 52
- その他
- お支払い:初回の受付でお支払いください(一括のみ)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
講座詳細
今年度前期の朝ドラ『らんまん』では、万葉集に歌われた植物がたびたび登場しています。万葉集には、後の時代の歌集に比べてもとりわけ数多くの植物が記されており、歌には、万葉びとの植物に対するこまやかな観察眼が反映されています。万葉びとが当時の科学的なまなざしを向けた植物が、どのように歌に表現されているかを探っていきます。
■第1回 10/19(木) 「夏の植物」
梅雨の頃から現れる植物から観ていきます。あじさいは、今のあじさいと全く同じというわけではなさそうです。梅雨明けが近づくと艶やかなピンク色の花を咲かせる合歓も面白く歌われます。水生植物では黄色い花をつけるあざさ、そしてぬるぬるとしたぬめりのあるジュンサイもぬなはという名で登場します。
■第2回 11/16(木) 「初秋の植物」
山上憶良の「萩の花 尾花葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝顔の花」は秋の代表的な七種の花を詠んだ歌です。秋の庭は宴を楽しむ万葉びとをとりわけ楽しませたようで、萩の花は万葉植物では最も多く歌われています。夏の間に鬱蒼と葉を茂らせる葛も美しい花が歌に詠まれています。
■第3回 12/21(木) 「中秋から冬の歌」
晩秋からの季節は木々の紅葉が歌われます。枯れた葉が木に残る柏も万葉びとには気になったようです。雪や霜が降る景色の中では、笹や竹のほか、山橘やしらかしも景物として取り上げられています。冬に歌われた植物は必ずしも多くないですが、松や橘などの常緑樹は冬の間も緑のままである点で冬に称えられる植物です。
■第4回 1/18(木) 「春の植物」
年頭は春の植物の歌を取り上げます。これからの季節、正月の梅にはじまり、椿、あしび、桃、桜などが咲いていきます。柳やわらびの芽吹き、すみれやうはぎなど食料となる若菜も詠まれます。春雨や霞とともに、春に再び活動を始める植物たちが登場する歌がどのような背景を持つかという点も確認していきます。
■第5回 3/21(木) 「初夏の植物」
晩春から初夏の季節に登場してくる植物を取り上げます。大伴家持と大伴池主の友情をつなぐ山吹の花や、ほととぎすと取り合わせて歌われる卯の花や藤の花。そして大宰府に赴任していた大伴旅人がふるさと明日香を思い出した茅花も穂を出します。古代の衣服や布との関わりも深い、麻が植えられ、桑が実をつけるのもこの時期です。
■第1回 10/19(木) 「夏の植物」
梅雨の頃から現れる植物から観ていきます。あじさいは、今のあじさいと全く同じというわけではなさそうです。梅雨明けが近づくと艶やかなピンク色の花を咲かせる合歓も面白く歌われます。水生植物では黄色い花をつけるあざさ、そしてぬるぬるとしたぬめりのあるジュンサイもぬなはという名で登場します。
■第2回 11/16(木) 「初秋の植物」
山上憶良の「萩の花 尾花葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝顔の花」は秋の代表的な七種の花を詠んだ歌です。秋の庭は宴を楽しむ万葉びとをとりわけ楽しませたようで、萩の花は万葉植物では最も多く歌われています。夏の間に鬱蒼と葉を茂らせる葛も美しい花が歌に詠まれています。
■第3回 12/21(木) 「中秋から冬の歌」
晩秋からの季節は木々の紅葉が歌われます。枯れた葉が木に残る柏も万葉びとには気になったようです。雪や霜が降る景色の中では、笹や竹のほか、山橘やしらかしも景物として取り上げられています。冬に歌われた植物は必ずしも多くないですが、松や橘などの常緑樹は冬の間も緑のままである点で冬に称えられる植物です。
■第4回 1/18(木) 「春の植物」
年頭は春の植物の歌を取り上げます。これからの季節、正月の梅にはじまり、椿、あしび、桃、桜などが咲いていきます。柳やわらびの芽吹き、すみれやうはぎなど食料となる若菜も詠まれます。春雨や霞とともに、春に再び活動を始める植物たちが登場する歌がどのような背景を持つかという点も確認していきます。
■第5回 3/21(木) 「初夏の植物」
晩春から初夏の季節に登場してくる植物を取り上げます。大伴家持と大伴池主の友情をつなぐ山吹の花や、ほととぎすと取り合わせて歌われる卯の花や藤の花。そして大宰府に赴任していた大伴旅人がふるさと明日香を思い出した茅花も穂を出します。古代の衣服や布との関わりも深い、麻が植えられ、桑が実をつけるのもこの時期です。
備考
■教材
当日講師より配布いたします。
■より理解を深めるための垣見先生推奨書籍
『牧野富太郎選集 2 春の草木と万葉の草木』
牧野富太郎(東京美術/2023)
『万葉歌とめぐる野歩き植物ガイド(春~初夏)(夏~初秋)(秋~冬)』
山田隆彦、山津京子(太郎次郎社エディタス/2013)
当日講師より配布いたします。
■より理解を深めるための垣見先生推奨書籍
『牧野富太郎選集 2 春の草木と万葉の草木』
牧野富太郎(東京美術/2023)
『万葉歌とめぐる野歩き植物ガイド(春~初夏)(夏~初秋)(秋~冬)』
山田隆彦、山津京子(太郎次郎社エディタス/2013)
講師陣
名前 | 垣見 修司 |
---|---|
肩書き | 同志社大学文学部 教授 |
プロフィール | 博士(文学)。1973 年奈良県出身。 1996年同志社大学文学部文化学科国文学専攻卒。 関西大学大学院文学研究科 国文学専攻修了。 研究分野:上代日本文学。『万葉集』巻十三の長歌、記紀歌謡および上代語を主な対象とする。高等学校教諭を経て、2009-2012 高岡市万葉歴史館研究員。2013年より同志社大学准教授。2017年より現職。2011年第4回萬葉学会奨励賞受賞。 著作[著書] 『万葉植物の歌 鑑賞事典』(共著、和泉書院/2023)、『万葉集巻十三の長歌文芸』(和泉書院/2021)、 [論文]「上代のウルハシとウツクシ」(『国語と国文学』99巻11号/2022)、「上代の「趍」字に関する覚書―「趨」との通用関係に関わって」 (『高岡市万葉歴史館紀要』33号/2023)。 |