大学公開講座のセカンドアカデミー

　犯罪被害者は、長いこと法や裁判の保護の関心事ではありませんでした。国は加害者に刑罰を科しますが、被害者はそのための証拠に過ぎませんでした。被害者への寄り添いや捜査・裁判を通しての負担を和らげる動きは、平成期まで待つことになるのです。
　現在、被害者には刑事裁判への参加制度やプライバシー保護などの配慮がなされ、捜査や訴追情報などの知る権利や、非公開である少年審判の傍聴も認められています。被害者の声に呼応して種々の刑事立法が新たに整備され、ストーカーやDV事件に対する警察の取組みも積極的になっています。
　本講座では、被害者の声が法を動かしてきた歴史をたどり、犯罪被害者の法的地位について認識と理解を深めます。

名前	安部 哲夫
肩書き	獨協大学名誉教授
プロフィール	－