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大学公開講座・大学通信教育課程 受講体験記

  • ニックネーム : KKK さん
  • 年代 : 40代
  • 職業 : 会社員
  • 都道府県 : 栃木県
  • 大学講座名 : 武蔵野美術大学 通信教育課程(造形学部)
  • 期間 : 2013年7月
  • おすすめ度 : ☆☆☆☆☆

「学ぶことの楽しさ」、そして、「学んだものを活かす楽しさ」

 私は、デザインにかかわる仕事をしています。元々はデザインとは全く違う学部出身だったので、大学卒業後に社会人になってから改めて専門学校に入学し直してスキルを身につけました。
スキルが身についたものの、自分の仕事のレベルが上がるにつれて、不足しているものも見えてきました。

 それは「デザインそのものに対する考え」です。 不況下での企業同士の競争が激化している時代、レベルの高い仕事を成し遂げ生き残っていくためには、表面上のスキルだけでなく自分自身がデザインというものに対しての軸をしっかりと構築しなければと感じ、武蔵野美術大学の通信教育課程に編入学しました。
私の履修する科目には、デザインに直接的にアプローチする科目もあれば、美術そのものの根源から学ぶ科目、そして美術の学びにどうに携わるかを対象とした科目があります。

 今回御紹介する「生涯学習概論」という科目は、受験勉強期ではない人(主に中高年)へ、どのように学びの面白さを伝え、学びに取り組んでもらえる仕掛けを作っていくか?というアプローチを試みる授業です。
通信教育課程ですので、スクーリング前に教科書を熟読していくことから始まりますが、読んでいなくても大丈夫なくらいスクーリングの先生方は熱心で丁寧に授業してくださいました。
講義を担当される先生はすべて、実際に美術や博物館の世界で第一線で活躍されている方です。これは私の憶測ですが、既に社会に出ている大人が学生である通信教育課程だからこそ、より現場で活躍されている先生によるプログラムを組んでいるのかもしれないと感じました。
そういった方のお話を目の前で拝聴し、質問ができたり評価をしていただけるというのは本当に楽しいですね。

 今回の授業のスクーリングは大きく分けて講義と実習の2種類です。
実習はグループワークになります。1班あたり6人程度で協力して課題に取り組みます。 そのグループワークで一緒に取り組む同級生は、まさに老若男女さまざまです。キャリアアップを図りたい人もいれば、自己研鑚に励むという目的の方もいますし、資格を取得して転職を志す方もいます。
そういったさまざまな思いで学びに来ている方たちとグループを組み、他者の意見を理解し合う事で、美術や学びに対しての視野が広まりました。
これは全日制で学生がすべて20歳前後の環境ではありえない貴重な体験で、通信教育課程にしかない貴重な学びだと実感しました。ちょっと皮肉な言い方をすれば、大学というものを、偏差値至上主義でしか測れない人には絶対に知ることのできない貴重な学びなのかな、とも思いました。

 今回ご紹介した授業のメインテーマ「学ぶことの楽しさをいかに仕掛けていくか?」
これは、美術大学だからこそのアプローチだと思うのですが、美術作品はどんなに自分の思いが強くても相手に伝わらなければ作品になりません。相手に伝わって始めて作品になるわけです。
これは、学習においてもまさにその通りだという事が今回の学習で発見できました。
仕掛ける側が「楽しいよ!大切だよ!」と思っていても、学ぶ側にそれが伝わらなければ押しつけにしかなりません。これでは、一般的な人が考える「苦痛な受験勉強」となんら変わらなくなってしまうのです。
この授業を受けることで「なるほど!」「わかる」「たのしい」という仕掛けをいかに作るか?という難しさを知ることができましたし、これは自分の仕事にもさらに活かせると確信しました。

 「いいデザイン」というのは、自分が決めるものではなく、それを見た相手が感じて決めること。頭ではわかってはいたものの、こういった実践的な授業によって体感することで初めて身につくものだとわかりました。
私自身、受験勉強は大嫌いで人一倍勉強しない中高生時代を過ごしていました。ですが今は学ぶことがとても楽しいです。
社会人には、「学ぶことの楽しさ」、そして、「学んだものを活かす楽しさ」の両方がある訳ですから、これからもありがたみを感じて学びを進めていきたいと思います。

 

※タイトルは原稿の内容をもとにセカンドアカデミーにて付したものです。
(無断転載を禁ず)

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