【今回体験した公開講座】
農業クラス~食の基本は農にあり~(丸の内朝大学)
遊学モニターレポート No.17
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丸の内朝大学とは?
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丸の内朝大学は、この4月に5講座からスタートしました。
当社主催公開講座でも、講師をしていただいたディレクターの井上さん(http://biz.second-academy.com/seminar/index_02.html)によると、「以前から連続講座で開講して欲しいと要望が多く、実際に開講してみるとたくさんの方に受講いただけました。朝の講座ということが集客面でマイナスであるとは一切考えていませんでした」とのことです。実際に本日の講座も30名ほど参加されていました。
他の講座も多くの方が参加されているそうです。会場は新丸ビルのエコッツェリア(http://ecozzeria.jp/)で、雰囲気良く受講することができました。
農業クラス~食の基本は農にあり~

毎回ゲストである若手農家を招き、ご自身の活動の紹介や、それぞれの専門分野の内容が講義の中心です。また、実際に田植えを体験したり、農場でのバーベキューをしたりなどのフィールドワークもある楽しい講座です。
今回のレポートは、この講座の第2回目で、久松農園の久松達央さん(http://kazedayori107.seesaa.net/)による「本当に有機がいいの?有機農家さんに聞いてみよう」です。久松さんの活動のご紹介など、大変面白い内容でした。朝7:30から約30名の受講者(男性、女性が半々)が出席され、大変活況な講座でした。
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まずは、茨城の農業法人で1年間研修した後、土地をかりて農業を始めました。現在では、畑250アール、年間40から50品目の野菜を作っているそうです。販売先は、全て直販で、通信販売で販売したり、東京のレストラン等に納品したりしているそうです。
久松さんの講義詳細:有機農業について
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久松さんは、「有機農業に関する3つの神話」についても紹介されていました。
【有機農業に関する3つの神話】
巷のイメージ | 久松さん見解 | |
① | 有機農産物は安全 | 現在は残留農薬の毒性のリスクは極めて小さい |
② | 有機で作ると美味しい | 野菜の味を決めるのは品種と時(時期・鮮度)が8割で、残りの2割は元気に育っているか(有機の範囲)である |
有機農業では健康な個体しか生き残れないから、結果的に美味しいものになるとのこと。だから、良い野菜をたくさん育てるには、多く野菜を育てて、贅沢にたくさん捨てているそうです。しかし、近所のおばさんに「薬をかけないんじゃ、捨てちゃうことになって野菜が可哀想だよ」と言われて、いろいろと考えることもあるそうです。
③ | 有機農業は環境に優しい | 有機農業は生き物のあり方を豊かになるので、そういう意味では環境に優しい |
なぜ有機農業なのか?
久松さんは、安全な野菜ではなく、「健康な野菜」を作りたいということで有機農業の道に進まれました。1985年と2000年の同じ品種の野菜を比較すると、同じ野菜で栄養価が落ちているそうなんです。その理由は、「味や栄養を軽視した品種改良(流通のしやすさ、作りやすさ、見栄え)」、「適地・適期栽培の放棄」、「広域流通による鮮度低下」、「土壌そのものの劣化」によってだそうです。やはり味も落ちているそうです。久松さんは、作物を美味しく健康に育てる近道として有機農業を選択されました。
久松さんが目指すものは、「滋味のある野菜」。講座では、実際に久松さんの畑で採れた冬人参ジュースを飲ませてもらいましたが、何か懐かしい味でとても美味しかったです。
ただし、久松さんは農薬をなるべく利用せずに、ネットを張って害虫から守っているため、ネットの中に進入した害虫によってキャベツを何千個と廃棄したことがあるなど苦労も多いそうです。 また、多品目栽培・混植(ある種の病気・虫を増やさない)をコンセプトにしているとのこと。面白かったのが、キャベツの横にセロリを植えると、キャベツが好きな紋白蝶はセロリの臭いが嫌いなためにキャベツを守ることができる、などの対策をしているようです。
色々な野菜を作る結果、色々な野菜ができるため、畑を丸ごと食べてもらうというように通信販売で販売する野菜はセット販売です。健康な野菜を作るために、多くの野菜を廃棄してしまうことになるため、どうしてもコストが高くなり売価が高くなるといったこともあるようです。この話を聞くと、価格が高くて当たり前かな、と思うようになりました。
また、受講者からの質問では、ビジネスパーソンが多いために、「初期投資はどのぐらいでしたか?」、「販売方法はどうされていますか?」といったような質問が挙っていました。みなさん、自分の仕事にも生かそうとされているのかもしれません。
久松さんが目指すものは、「滋味のある野菜」。講座では、実際に久松さんの畑で採れた冬人参ジュースを飲ませてもらいましたが、何か懐かしい味でとても美味しかったです。
ただし、久松さんは農薬をなるべく利用せずに、ネットを張って害虫から守っているため、ネットの中に進入した害虫によってキャベツを何千個と廃棄したことがあるなど苦労も多いそうです。 また、多品目栽培・混植(ある種の病気・虫を増やさない)をコンセプトにしているとのこと。面白かったのが、キャベツの横にセロリを植えると、キャベツが好きな紋白蝶はセロリの臭いが嫌いなためにキャベツを守ることができる、などの対策をしているようです。
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また、受講者からの質問では、ビジネスパーソンが多いために、「初期投資はどのぐらいでしたか?」、「販売方法はどうされていますか?」といったような質問が挙っていました。みなさん、自分の仕事にも生かそうとされているのかもしれません。
最後に
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新丸ビル=オシャレなオフィスビルというイメージで、「農業」のイメージとな かなか結びつかなかったのですが、受講してみると「若手農家による農業」=オシャレな農業という印象に変わり、丸の内朝大学にピッタリの講座でした。
受講者インタビュー
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<ライター、イベントスペースプランナー>