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遊学モニターレポート No.11

レポートNo.012 世界に誇る日本酒の文化と蔵元の味を愉しむ

地元に密着をしながら盛況を続けている園田学園女子大学シニア専修コース(3年制)を、体験取材してきました。 授業科目は、日本史学Ⅰ(田辺眞人教授)。当コースで最も人気のある授業とのこと。かくいう私も高校生の時は「郷土史研究部」に所属していたので、歴史には興味があります。


5分に1回爆笑「日本史学Ⅰ」を受講体験
5分に1回爆笑が起こります
5分に1回爆笑が起こります
提出された七松城の写真
提出された
七松城の写真
  授業が始まると、いきなり女性の生徒さんから、「先生、前回紹介された七松城に行ってきました」と、その写真が提出され、 回覧される和気藹々のムード。
先生からは、休日に六甲山ウォークラリーに参加されて赤鬼(最後尾の赤腕章のスタッフ)に追いかけられた話が紹介され、いきなり爆笑を誘います。一体感ある双方向授業のスタートです。

今日のテーマは阪神地域の江戸時代の経済発展。当時の古地図をベースに難波~尼崎~西宮~武庫之荘~岡本~三宮と旧地名と新地名をなぞります。
私事です が、阪神地区といえば、26年前に学生時代を過ごした地域。かつては、御影に住み、六甲に学び、摩耶山で合コンし、武庫之荘で家庭教師、西宮の戎さんでは テキヤのバイトもしました。
これらの地名が、古地図に出ているんですね。多くの地名の由来も分りました。
古地図
古地図
茶屋 難波から西国に下る道程中、朝、正午、昼のティータイムの場所に○○茶屋とある
○○島 昔は三角州のことを島という。中ノ島、姫島、福島
天保山 天保3年の海泥の堆積地(日本一低い山として有名)
築地 埋め立てた土地に付けられる名前(尼崎市築地地区)
堺市 摂津、和泉、河内の国の国境
三国ヶ丘 摂津、和泉、河内の三国にまたがる住宅地
地名の由来の例
さていよいよメインテーマ、阪神地域の産業~「石」「菜種油」「素麺」「酒」が生まれる地形的背景です。ここで歴史学が急に、地学の授業に早代わりします。ユーラシアプレートが太平洋プレートに突入したところに、衝上断層が起き、急断面のある六甲山が生まれた。その結果、河川の流れは急になり、動力としての「水車」が大変有用だった。そこで、「菜種油」「素麺」「酒」の産業が生まれたとのこと。うーん。分かり易い解説です。また、断層により通常は地底 深くにある岩が表層に現れたのが深成岩。その代表的な花崗岩が御影浜から積み出されたので、御影石という。 かつて御影に住んでいた私は「キター!!」と心の中で興奮。大納得のエンディングでした。
講義の様子
産業の発展因子
授業は歴史学ですが、六甲山の地形が産業に及ぼす影響や、地名の由来など、「地域学」とも言える内容です。地域でのコミュニケーションに使えるネタが満載で、シニアの方だけでなく、例えば住宅や車の営業の方など受講されると、お客様との会話も弾みそうです。笑いと知的発見の連続の90分間でした。
田辺眞人教授をインタビューしました
 ~いつでも大学に戻れる「生涯教育」を目指して~
未来デザイン学科 田辺眞人 教授
園田学園女子大学 
未来デザイン学部 田辺眞人 教授
園田学園女子大学では30年前に公開講座のカリキュラムを実施し、今回の体験受講した、日本史学Ⅰの田辺眞人教授は、生涯学習センター所長として 6年前にシニア専修コースを立ち上げておられます。いずれも、園田学園女子大学の教育研究推進部松成雄三担当部長と2人3脚で育ててこられました。

「シニア専修コースの学科や、受講生について教えてください」

  文学歴史コースと国際文化学科の2つがあり、各定員40名で2年制となっています。2年後には卒業となるのですが、もっと学びたいという要望もあり、研究生コースを新設しました。現在220人の生徒さんです。

「今でこそ団塊世代の退職で脚光を浴びていますが、6年前にシニア専修コースを立ち上げられたきっかけについて教えてください」

提教育研究推進部 松成雄三 担当部長
園田学園女子大学 教育研究推進部
松成雄三 担当部長
もともと神戸市の「シルバーカレッジ(3年制)」や兵庫県の「阪神シニアカレッジ(2・4年制)」の講師もしていたのですが、その卒業生からもっと勉強を続けるところが欲しいとの要望があり、私が教授をしている園田学園女子大学にシニア専修コース(2年制)を立上げました。
 大学の図書館や食堂が使える等、キャンパスライフが楽しめ、教授も常任 なので、お互いコミュニケーションが生まれるなど、好評ですよ。

「先生の生涯学習に対する考え方を教えてください」

  私は園田学園女子大学に来るまでは、ニュージーランドの大学で研究・教育をしていました。ニュージーランドでは、高校卒業後に就職しても、いつでも自ら申請して大学に行ける。また大学在学中に諸事情で休学した場合や、卒業後で仮に60歳、70歳になってからでも、申請して大学に戻ることができます。しかも 1科目だけの取得でもOKなのです。
 日本でも一生の間のいつでも大学の高等教育を受けることが出来る環境を作りたいと思い、いろんなところで提言して います。シニア専修コースはよく言われる「高齢化社会対策」ではなく、あくまでも大学としての高等教育を目指しています。

「シニア専修コースを運営する上での方針を教えてください」

  あくまでも大学なので、学んでいただく方にはそれなりの心構えを持っていただきます。企業でバリバリ出世して退職された方 などは、昔の習慣が抜けきらずに、例えば休講の連絡は学内掲示がルールなのにもかかわらず「連絡が無いのはけしからん」とかクレームを言われる場合があります。あくまで学生さんですから、松成部長とも連携して毅然と対応します。でも半年ほどで慣れていただけますね。その後は大丈夫です(笑)。
 でも授業はサービス精神旺盛ですよ。ある年配の女性の方からは、大学で勉強し始めて大学生の孫との話題に事欠かなくなったとか言われます。嬉しいですよ。

体験取材後記
実際に受講してみての感想。ところどころの挿話が面白く、5分毎に笑いが起きます。その挿話が、笑いを 取るためだけでなく、その後の授業の進捗の布石になっている点、さすがプロの授業と感じました。 「レベルは大学、笑いは吉本」、の田辺先生の授業でした。
【今回体験して頂いた公開講座】
シニア専修コース 文学歴史学科

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